「かたって銀天」シリーズテーマ2(2A,2B)の2回目の語り合いの結果の報告です。
2024年12月25日
12月22日(日)表記テーマ2A「持続可能な社会実現のために」の2回目を実施しました。2Aといっても教育のあり方と密接につながっている課題であり、2B「何だか学校に行きたくない」の参加者にも呼びかけて、フリーなディスカッションを行いました。また、別に1人だけもともとの予定日であった21日に来られた方があったので、世話役が対応して、有意義な話し合いができましたので、これもいくらか含めて紹介いたします。
22日の参加者は総勢8名でしたが21日を含めると9名です。
2Aの1回目の参加者には2Bの配布資料と14日の語り合いの結果をブログにまとめたURL(http://ubekuru.com/blog_view.php?id=6165)と本文のコピーを配布し、2Bの参加者には2A、1回目の配布資料を配布しました。
初めての参加者もおられたので、簡単に2A、2Bの要点や、2Bのブログ作成時、新たに入手した情報として、「ふれあい教室」や「特認校就学制度」の市教委の取り組み、及び土居健郎著「甘えの構造」と不登校も関係、さらに昨日2Aのテーマに関心を持つフロンティア大学社会人院生とお話したことなどを説明した後、参加者の関心事を中心に語り合いました。
丁度前日の毎日新聞第1面に、全国の公立の小中高校特別支援学校などの教員で2023年度精神疾患で休職した教員数は7119人で過去最高を記録したとの記事がありました。先生に心のゆとりがなければいい教育はできないですね。
右側の頁はテーマ2Aの1回目のブログの頁と同じものですが、2012年度後半と2013年度の関連の環境サロンのブログのURLを示しています。興味あるものがあれば見ていただければと思います。
12月14日の2Aの1回目のブログ同様、その続きとして、配布した一部参考資料のコピーを示しています。簡単に説明しておきます。
2012年度の第2回目の関連の環境サロンとして、アスガルアリさんに初めて、イスラムのいくつかの基本的な考え方を話してもらったときの資料です。人間は神から自然の管理を信託されているというイスラムの教え。何故そこまで神を信じられるのかという問いに対して、われわれは生まれたときからその環境に居るので、ごく自然なことである。水中の魚に、君はなぜ泳げるのと聞くのと同じようなことと応えられたのは印象に残っています。
次の図は西光寺の佐々木真人さんのサロン、説得力のあるお話の出来る数少ない和尚さんです。
その下はアリさんの2回目のサロン。すでに前回のブログの4枚目の図の左下に図を示していたように、お互いの生きざまを認め合いながら山頂を目指して登山すことで世界のひとたちの共存ができるということ。
またマスメディアの影響力、無宗教の教育システム、有効なしつけとなるべき宗教をあざける文化、楽天的な政治、消費主義の虚偽文化、そして、精神的な幸せや、簡素な生活を求めるといった宗教的精神をけなす物質主義などが、宗教に対する否定的な態度を生み出しているとのこと。
右下の星野晋先生のサロンでは、「かつて日本は神仏混淆で、神道(自然の恵みと脅威に対する畏敬)と仏教(個々人の苦しみの救済、関係性を重視した生命観・死生観)をベースにしたエコロジカルな精神環境であったが、明治維新後、神仏分離が進められ、西欧近代化システムへ転換された。現在は、必要以上に、不安と欲望を増幅させ、グローバリズムの浸透、高齢化社会の到来とともに、日本はかつてない困難な状況に向かっている。」と的確な時代認識を示された。
2013年度の関連のサロンの紹介は割愛しますが、先述の通り、1枚目の図の右側にブログのURLを示しているので必要に応じてご参照ください。
2014年度の関連のサロンの取り組みについては、1冊の冊子にまとめていて、右側に目次を示していますが、関連のサロンについてはブログのURLを併記していますので、ご興味ありましたら、ご参照いただければと思います。
さて、本番の参加者からの、関心のあることについての自由意見は以下の通りです。
・悪い事件が多いようだが、ネットで表面化してきただけかもしれない。昔も変わらず悪人はいたのではないか。
・犯罪も、遊ぶために犯罪をするから、生活するために変わってきた気がする。
・スマホでネットから容易に情報を得られるので、辞書や索引を引けない子供が多い。
確かに便利にはなったが、本の良さはネットには代えがたい。インデックスをつけておくとすぐに戻れる。手間をかけてじっくり調べたことは、忘れていない。
・スマホ依存症が多いが、道具に使われているような感じだ。
・親も忙しく、食事にも手をかけない。離乳食すらビン瓶詰になって味が濃い。
・スーパー等で買う食品は味が濃くて甘いものが多い。
・食事が精神的なものに影響を与え、食育の大切さを説かれている人も多い。
・市会議員を例にとると、昔は地域のために働いたが、今はその役割を果たしていない。優秀な議員が少ない。
・21世紀になって人間が随分変わってきた。金銭主義が行き過ぎていると感じる。
・昔、母親一人が4町歩もの田畑を長年にわたって維持していた。自分には到底できないことだが、昔は地域社会もしっかりしていて、農業をするにも助け合いがあった。1週間に1日とか、今はそういう地域のつながりも弱くなり、いそがしいばかりで社会で協同する人間的な時間を失ってきているのではないか。
・以前にも発言したが、娘が広島で先生をしていたが、やはり市内だと塾などもたくさんあり、成績もよいが、中心部から離れた周辺の地域では、そういった施設に恵まれず学力差がつくと言っていた。
・しかし、そういう教育を受けられるのは恵まれた家庭の子であり、それで成績優秀になったからと言って、先で社会に貢献してくれるとは思えない。
今は、周辺部の地域の学校でも異年齢クラスや自主的学習によって、却って学力も上がる効果を上げている学校もある。
・市会議員にしても学歴のみならず、たとえ高卒であっても、志を持った人であれば、歩来の役割を果たしてくれる。だいたい議員の給料などももっとボランティア的な要素があってよいし、それだけ数多くは必要ないかもしれない。
・自分は占星術に興味を持っていて、天体の動きによって200ー250年周期で時代が大きく変わると言われている。今年11月より火の時代から風の時代へ。破壊と創造。
・金だけの世界になり、資本主義に行きつまりを見せている中で、新しい価値観が求められていると思う。トランプとイーロンマスクの動きが、変化を起こしてくれることを期待したい。
・大体、あと1年くらいで選挙権を持つことになる高校3年生でも、学校が生徒を外に出す際には先生が付きそうといった風習があるようだが、これでは民主主義が成立するはずがない。今回も随分高校にも回って、興味ある生徒があればよろしくお願いしたが、「高度情報社会をどう生きる」、今回の2Aとも高校生の参加はゼロであった。
・若い人たちにはもっと、好奇心、チャレンジ精神、探求心を持ってほしい。
・対面でこのような話し合いをすれば、思いがけない出会いがあったりして、ネットでのつながりとは違う。
・高校生や大学生にいきなりそういう姿勢を要求するのは、難しい。初等中等教育でそういった自主性を育てる教育が十分になされていない。大人がやってくれるだろう、誰かがやってくれるだろうとなりがち。
終盤、ポストイットに、以下の2点について、考えるところをかきだしていただいきましたが、2点目の、「今の社会をどうすればいいか」という点に関しては、さすがに総合的に複雑な問題なので、明確な意見は少なかったように思われます。
◎ この語りあいに参加してあらためて関心を持ったこと
・幼児期から心を育てる:愛される。自分のことを好きになる。話を聴いてもらう。自然とのかかわりを多く持つ。
・教育の大切さ
・学校教育の重要性
・勉強の苦手な人、不登校になった人を受け入れる場所がない。
・自分から出ていこうとする力も育っていない。
・考える力 考える力が義務教育で落ちている。
・利他心やボランティア精神が衰退傾向にあることが懸念される。
・仏教について、あまり詳しくなかったが、多くを学べた。
・自由競争、強者が勝つ、お金商業優先、競争過剰が優先し、近隣仲間社会の保護、補い支援意識の後退が顕著である。
・デジタルテクノロジーの技術の進歩に対して、倫理・道徳、宗教社会化の仕組みの衰退が問題である。
◎ 今のこの社会をどうすればいいか
・教育のやり方を変える必要がある。
・国は人つくりにもっと予算を入れるべき。
・利他の心(排他的ではなく受容)を育む。
・学校以外の学びを
他人と比べない。評価の考え方をあらためる。
考えられない人をつくってしまったことを反省して、教育の方法を変える。
・学校になじめない子ども達の居場所づくりが大事だと思う。
・教育委員会の「ふれあい教室」もやはり学校の先生が絡むので、不登校傾向のある子ども達は行きにくい感じをもつのではないか。
・学校では教えるのではなく説明する。正しい答えを出すことだけが大切ではなく、考え方や導き方が大切。
・体のケアだけでなく、心のケアとして、スクールカウンセラーの配置をより充実させるべき。
・三つ子の魂、というように、家庭の教育を大切にしなくてはならない。今の親の考え方が昔の親に比べて甘すぎる。
・労働優先、時間優先社会に対して、家族地域社会の「人の和のつながり」をミーティングさせる機会を増やしていく必要がある。
・教育改革を進めるためには、政治を変える必要があり、そのためにも若い人の考え方や意識を変えていく必要がある。そのために地方からでも、少しずつ、そのような動きを取っていくことが大事。
・利他心を発揮できるためには貧富の差をなくし、心豊かに生活できるような社会にならなくてはいけない。このためにも政治を改善する必要がある。
今回、2A、2Bの語り合いを何とか終えることができました。若い人たちの参加がもっとほしかったところですが、参加していただいた方々からは、こういった話し合いは是非これからも続けてほしいとの声が多かったことはありがたいことでした。
子ども達が将来に希望を持ち、生きる力を身についてくれるような教育がESDであり、SDGs達成の基盤です。宇部市として、もっと積極的に取り組んでいただき、地方の中小都市の宇部市として独自の取り組みが行われ、新しい宇部方式として、世界に発信できるような動きになればいいと、夢を見たいところです。「かたって銀天」サブキャッチフレーズに「しょせんヒトゴトですか?」が書かれていましたが、みんな自分ごととして受け止めて考え行動していただければと思います。(文責:浮田)
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