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「かたって銀天」テーマ2A「持続可能な世界実現のために」の1回目を12月14日 に実施しました。

2024年12月25日

 12月22日に実施した2回目と合わせて、まとめて報告しようとしましたが、収まりきらないので、それぞれに分けて報告します。

 14日は総勢7名の参加で、残念ながら高校生や大学生の参加はゼロでした。一般に若い人たちにとっては宗教的なことは非常に縁遠いものになっているのだと思われます。

 はじめに、世話役から配布資料について、説明をしました。まず、参考資料として、一部コピーしたものを見ながら、うべ環境コミュニティーが、この宇部市まちなか環境学習館の指定管理者をしていた初期の時代から、今回のテーマのような問題意識をもって、一連の環境サロンを、とくに2012年度から2014年度にかけて開催し、考えていたことを紹介しました。
 振り返ってみてあらためて、社会の情勢はその当時とあまり変わっていないというよりも、むしろ悪化しているような印象を受けます。ある意味無力感を感じた次第です。

 2枚目から5枚目の図や写真はこの説明に関するものです。
次と、その次の図は、世話役がかなり以前から考えていることで、現在は人類が迎えている、今までにない難しい時代であり、今までの常識や宗教観も見直す必要があること、自分を取り巻く環境をできるだけ広くとること,そしてモノの豊かさと心の豊かさ、ヒトの生活と他の生物の生存などのバランスを取り直すべきこと。
 そしてこの難問解決のためには、市民一人一人が健全な目標をもち、それを政治に託して改善していくサイクルが重要であること。

その次の図は、世話役のその当時の問題意識と、個人としての生き方として空海の精神的成長の10段階を目指して、常に自分を反省して、成長していく気持ちが大切であることを示しています。

4枚目と、5枚目の図の説明としては、西洋文明と東洋文明の比較、神に関する考え方の違い、共生の考え方の違いや、もともとの宗教が教える本質は到達する道筋が異なるだけで、さほど違わないこと。そしてこの度、もう一度考える必要があると思ったきっかけの一つとして、今秋、右下の地図のモルディブ、スリランカ、パプア州スピオリ県から研修員を相次いで受け入れ接触する機会があったことである。

沙漠の環境で生まれたキリスト教やイスラム教であるが、熱帯雨林のインドネシアやマレーシアで、なぜイスラム教が普及したのかについては、当時ドクターコースに来ておられたガトットさんに話していただいたときに、右下にあるように、イスラムの教えがアラビアの商人たちによって平和的に浸透していったことにあるということであった。

2013年度の関連の環境サロンの状況は1枚目の図の左側にそれぞれのブログのURLを記していますので、興味ある方はご参照ください。

さて、梅原猛著「仏のこころと母ごころ」の最初の部分をみんなで読んだ上で、自由な意見を聞きました。

活発な議論があり、山口市からの参加もあって、山口の情報も聞くことができました。ヒアリングが悪く、抜けているところも多いと思われますが、どんな意見があったか、以下の通りです。

・山口市では西田幾多郎の旧宅において山口西田読書会が行われている。
 山口大学教育学部名誉教授の佐野之人先生が主要メンバーとのこと。

・洞春寺の深野宗泉住職は話し合いの場を設けている。犬のマル住職も話題になっている。
本堂でいろんな落語等イベントが行われている。

・サビエル記念堂は(平成3年焼失し平成10年再建)歴史性が少し希薄になって残念だ。

・現在外国人に宗教法人の買収が行われている。
火葬場は中国資本が東京で買い占めをして葬儀料が急騰している。
・清掃工場の経営権も狙われている。
・水道の集金体制を東京都ではベオリア系に握られていて、東京都では料金滞納の場合はすぐに給水をストップするそうだ。
・宇部もいくらかそういう気配がある。
 こういった民間委託はある意味非常に危険な面がある。

・山口市大内御堀菅内の曹洞宗の仁平寺の田中大道住職は清貧寺のためアーケード街で托鉢1時間で2500円程度であるとか。もともとは高校の先生をしておられたが、2001年に高校教師をやめて住職になり、その数年後に結婚され、2人のお子さんに恵まれたとのこと。縁あって2007年12月に知己を得たが、非常に高潔かつ謙虚な人であったことを憶えている。このような方が子ども達に落ち着いたお話をされれば、きっと有益であると考える。http://flim-flam.sblo.jp/article/183551226.html

・宇部では地元西光寺の佐々木和尚さんはお寺で色々なイベントをやっておられ、恩田小学校の学童保育で話していただいたことがあるが、子ども達にたいへん好評だった。

さて、さらに参加者の意見の続きです。
・こぐま保育園は子どもをのびのびした環境で保育している。
 自分で考えるように教えるが、子ども達は自分で学べる。
 具体的には異年齢保育方式をとり、2歳児から5歳まで一緒に面倒を見る。非常にうまくいっている。年長の子どもも自己肯定感ができてくる。子どもは自分達で互いに学ぶ事ができる。昔の農村の大家族と同じような効果が期待できる。職員は危険を避ける最小限の注意を払うのみである。
 市からは小学校に通えるための準備を教えるような通達がくる。

・市役所でも若い職員がやめる例が多くなっている。給料も安いということもあるか。
会社もしかりである。

・光善寺は、曹洞宗である。宇部市唯一の公立幼稚園『博愛幼稚園』が平成19年3月に幕を閉じた。この『博愛幼稚園』こそ、渡辺祐策翁が宇部市で初めて創設した幼稚園であり、その幼稚園を創設した場所が光善寺だった。台風の時に休園にしたら、保護者から苦情が市に入り、保育園側の立場が理解してもらえないことがあった。

・昔、ある小学校に出前授業に行って、頼まれた先生が出てこられず、校長室でモンスターペアレントの父兄に謝罪させられていたそうだ。本来は、校長が防波堤になるべきだろうと思ったことがある。

・今は保育園長まで公募している所も多いようだ。 評判よくない業者が関与していることもあると聞く。

・こども家庭庁はできたものの、相変わらず厚労省と文科省の縦割りは変わらない。

・不登校対策は、家庭にかなりの原因があるので、対応が難しい。
 三つ子の魂百までなので、家庭教育が大事だ。

・共働きが当たり前になり、家庭に余裕がなくなっていて、子どもに充分な目が行かない。
 昔のような親と子どもの関係がうまくいかない場合が増えている。
・男女平等というのも考えければならない面もあるのではないか。離婚が多い。辛抱が足らない。

・学校内で積極的な取り組みをしようとして、学年主任からつぶされるケースも多いと聞く。
・学校運営協議会も外からのお客様で、守秘義務等もあり、教職員は細かい資料作りに追われしまうような印象を受ける。

世話役として、議論したい点は、以下のようなことでした。
・仏教は生き方を教える合理的、比較的科学的な教えであること
・他のメジャーな宗教より、排他的ではなく、多様な考えを受け入れる柔軟性があり、世界の平和や持続性に貢献できる可能性があること
・世界が一部の邪悪な考え方を持つ勢力によって支配され、凶悪な犯罪が多くなってきている。「悪人正機説」の意味はどうなのでしょうか。
・学校教育とくに初等教育を見直して、生きていく上で大切なことを主体的に学ばせ、子ども達に生きる力をつけることが重要であること

 しかし、この日は、事前の説明にやや時間を取りすぎたこと、内容が多岐にわたることもあり、時間不足で十分な議論はできなかったものの、それぞれ活発な意見を出していただきました。
 仏教の教えが今の時代、世界の平和に向けて貢献できるのではないかという点と、その意味でも、政治を良い方向に変えていくためにも、健全な教育の在り方が非常に重要であるということは、参加者のほぼ一致した考えであるように思われました。

なお、梅原猛先生の退任記念講演の以下の動画は参考になると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=GTDuIQzX04c
梅原猛所長退任記念講演会(1995/05/13)国際日本文化研究センター

はじめの説明がやや長かったこともあり、十分、話し合いが進まないうちに時間切れとなり、できれば2回目を実施してはどうかということになりました。ただ21日は都合が悪いという人がおられたので、22日にずらすことになりました。
(文責:浮田)

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