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先日の環境サロン最終報告会での概要報告の一部です。

2016年03月23日

先週3月19日の平成27年度環境差路最終報告会で、うべ環境コミュニティー介意の山切さんの担当分、文章を書いていただいたので、掲載します。聴く人によって受け取り方がそれぞれ特徴がありますので、参考になるかと思います。

第1回サロン
開催日 平成27年7月16日(木)18時00分~20時00分(場所:まちなか学習館)
講 師 日本を美しくする会:宇部志立市民大学環境学部OB会:山根好子さん
テーマ お掃除に学ぶ
内 容
 講師の山根好子さんは、広範囲にわたる活躍しておられ、環境関係だけでも、生物多様性応援団、環境まちづくりサポーター、環境サポートメイツ等で活躍しておられる。第1回の環境サロンでは、鍵山秀三郎氏(イエローハットの創設者)の「日本を美しくする会」に賛同され、山根さん自らも9年前に「宇部掃除の会」を立上げているが、その活動を通して思うことを「お掃除に学ぶ」と言う題で話して頂いた。
『何故、トイレ掃除か』。山根さんによると、それは?心を磨く?謙虚な人になれる③気付く人になれる④感動心を育む⑤感謝の心が芽生える、と言うことです。そして『掃除をすることにより、ものを見る位置が変わり、人生観が変わる。即ち「掃除は気付きの世界である」だから「掃除に学ぶ」であって、「掃除を学ぶ掃除屋」ではないと強調される。
 掃除にまつわるお話しをされた後、最後に「日本を美しくする会」の一員として、東日本震災の起こった年の6月に石巻に行き、被災者と一緒に避難所に泊まり込み、ボランティア活動を行った時のことを紹介された。瓦礫除去が主だったが、「瓦礫とは言え、直前までは立派な道具だった」、そう言う気持ちで片附けた、と言っておられた。ボランティアが終わり、帰るとき『又、来ます」と言うと「ボランティアはみんなそういうが来たことはない」と言われた。私は「絶対に来ます」と言って1か月後に行ったら「本当に来たんやな」と驚いていた。支援活動について、自ら「東北復興を支援する会」を立ち上げ、その代表を務め毎年「チャリテイ講演会」など支援活動を続けておられる。
http://ubekuru.com/blog_view.php?id=3092

第9回サロン 
開催日 平成27年10月22日(木)18時00分~20時00分(場所:まちなか学習館)
講 師 「緑と花と彫刻に博物館」学芸員:三浦梨江さん
テーマ 宇部市の彫刻について
内 容
 今回は宇部市の出前講座を利用してのサロンで、講師は「緑と花と彫刻の博物館」の学芸員の三浦梨江さん。ビエンナーレについては、第23回?第26回の4回を経験しておられる。
 講義は前半は「ビエンナーレ概観」について、後半は「普及活動について」、なされた。以下その概要。
(ビエンナーレ概観)
 ビエンナーレの人気、評価が定着し、海外を含め毎年300点近くの応募がある。前年6月に応募、9~10月一時審査、40点の入選を決め、内18点が実物製作指定作品に。当年の夏休みに実物搬入。10月始めに二次審査(市長を含む10人の審査委員)その後、2か月間展示。(会期後設置期間:1年)。ビエンナーレの歴史の概要の説明。
(普及活動について)
・解説版の設置。・彫刻マップ、・図録等の著書、・インターネットによる発信、ガイド、・ライトアップ等
 講義終了後、ビエンナーレの必要性、抽象彫刻の意味、審査の在り方、彫刻の市内の置き場所、費用対効果等、ビエンナーレを巡る非常に広範囲のことについての質疑応答(議論)が1時間に亘り、非常に活発に行われた。
http://ubekuru.com/blog_view.php?id=3381

第15回サロン 
開催日 平成28年1月16日(土)18時30分?20時30分 (場所:まちなか学習館)
講 師 山口県JICAデスク・木下愛さん
テーマ マレーシアの青年海外協力隊を経験して~森林保護の取組み
内 容
 このサロンは、「JICA出前講座」をして行われた。講師の木下愛さんは2008年に日本福祉大学を卒業後、1年間大学研究生を経て、2010年から2年間、JICA青年海外協力隊としてマレーシアのサバ州に派遣された。帰国後、2015年から山口県JICAデスクとして活躍されている。
 赴任地はサバ州にある山脈公園の事務所で、近くの空港よりバスで3時間かかってやっと着くところ。この公園内に住む先住民が対象で、「環境啓発」に関して「環境教育の整備」に関わった。既に色々な環境教育のプログラムは用意されていたが、体系的に行われてはなかった。出来るだけ現場に出かけ、いろいろな話しを聞き、現地のニーズ、シーズを把握することに務めた。
 森林保護については、「生物多様性」の観点より、より理解しやすい「水資源の重要性や水質保全」に重点を置いた教育を行った(川の上流、中流、下流にある小学校各5校位、先生と生徒数名、それに村人にも来てもらい、2泊3日の教育をした。関係行政機関、大学、NGOとも連携をと、成果を上げた。
 マレーシアでは、近年、油ヤシなどの商業作物のプランデーションによる開発が問題になっている。森林開発はCO2に繋がり、オランウータン、ゾウ、白テナガザルの生息場を奪うなど生物多様性の面から大きな問題になっている。又、開発に伴う、必要なインフラ設備も不十分で、ごみ処理、水質汚濁も問題になっていると指摘された。
 質疑応答では、「折角のつながりを大切にしようとの」から、参加者一人一人の自己紹介(環境に関わる)した上で行ったが、環境問題を幅広く考える非常にいい試みであった。
http://www.ubekuru.com/blog_view.php?id=3649

第13回サロン
テーマ 「自然科学の世界観」と「仏教の慈悲の世界観」
講 師 神戸大学名誉教授の薄井洋基氏
内 容
 講師は、神戸大学名誉教授の薄井洋基氏。山口大学工学部教授から神戸大学に移られ、工学部長、副学長を務められた。現在、宇部のお住まい。
 お話しの冒頭、自分の「来し方」を振り返り、大学時代の研究生活、50代後半からのマネジメントの時代、引退後の仏教的生活にひかれている時代を、水の相変化に模して、個体の水、液体の水、気体の水蒸気と表現され、又、論語に言う、志学、面立、不惑、知名、耳順、従心の経緯を辿ってきているとされたことが非常に印象に残った。
 テーマが極めて魅力的である。最先端の工学分野の論理的、決定論的世界観の世界で活躍されていた講師が、如何にして、論理を超越した仏教的慈悲と言う全く対比的世界に強く惹かれて行かれたのか、非常に興味あることだった。お話を聞いて、小学生時代の難病の罹病、その克服、中学、高校時代の先生方の人生訓的教え、生地が八十八カ所巡礼の地であったこと、大学後半にマネジメントの経験をされたこと等が総合した形成要因になっているように感じた。
 講義本体でも、ビッグバン理論とハップル法則から宇宙の果てに何があるのか、遺伝子ゲノムから太古から流れる生命の連続性を問う、そう言った仏教の世界観とのつながりを考えられた話をされたが、講義に続く活発な「質疑応答」の中で、具体例を通して先生のお考えが次第に解し出されていったように感じた。(米国の宇宙飛行士の何人かが、飛行後、宗教界の仕事に入ったことを聞き、これと共通するお話しとして興味深く聞いた。)
http://www.ubekuru.com/blog_view.php?id=3566

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