低炭素のまちづくりシリーズ第8回 「市民共同発電その後の状況」の報告です。
2015年02月10日
2015年2月4日(水)表記環境サロンが開かれ、津島 榮さんのお話を受けて、宇部市における市民共同発電事業を具体的にどのように進めるかについて、15名の参加者で活発な議論が行われました。
市民共同発電で目指すことは、エネルギーの地産地消。ガソリンなども含むエネルギーコストは月2.6万円(電気代は1万円強)と言われ、お金は全部市外への持ち出しになる。
地元の企業や住民、団体などが共同で出資して、発電所の施設やシステムを構築し、地域内で再生可能エネルギーを生産し、売電して、住民に供給し、地域外に流出する電気代を少なくして、地球環境問題への貢献や、地域経済の改善の自立を目指すというもの。
どこまで事業系各区をつめてやるかについてはむずかしいところ、少しでも早くやったほうがいいという意見もあれば、慎重に検討してからやるべきだとの意見もある。
今日は事業化の提案をするが、株主になるつもりで、意見を言ってほしいとされた。
提案する事業スキームとしては、事業主体として非営利型株式会社として「市民共同発電うべ株式会社」を設立する。理解者としての市民を中心に出資や寄付を募り、49名以下1000万円の資本金を集める。非営利株式会社であるので、事業利益が出ても役員報酬や、配当は出さず、記念品で報いる程度になる。
当面は太陽光発電を対象として、10kW、2基からスタートし、その設置費や事業主体の事務等諸経費の調達は、(株)自然エネルギー市民ファンドを通して、「みんなで応援うべソーラーファンド2015匿名組合」として資金集めをする。手数料は0.1%である。実質的募集は宇部市民を主対象として、事業主体がやっていかなければならない。
飯田哲成さんからも、独立してやられた方がいいというアドバイスもいただいている。出資金は15年で返済するようにする。山口コミュニティーパワーの場合は10万円の資金提供の場合はうち1万円は寄付として、澄川酒造のお酒を送るなど工夫されている。
この他に、協力的な、屋根・土地の貸与者、発電機設置業者を探す必要がある。これを探すのも事業会社の仕事になる。候補物件のうち、採用できるのは1割程度ということである。設置場所は、屋根貸しシステムあるいはゼロ円システムで、公共施設の屋上や市有地等の無償貸与の可能性も含めて、不確定な部分もある。
収益性の試算は10kW 1基について、発電効率12%、売電単価32円/kWh、稼働期間20年、経年劣化0.5%/年、設置費用35万円/kWとして、屋根貸料、土地代は含めず、20年間で、収入639万円、経費525万円で、収支差114万円、およそ月5千円程度の収益と試算され、以下のような、まとめが示された。
1.売電価格32円/kwhで計算すると、収益性は大変厳しいものとなる、
収益性(金儲け)を重視する顧客(契約者)に対してはその契約獲得が相当厳しくな ると考えられる。
2.営業方針として、
①環境に対する意識の高い顧客(契約者)
②大型建物で、発電容量10kW以上のパネルの設置が可能。
③設置工事費が安い物件(傾斜屋根)
④設置後20年間発電機の維持が可能な建物又は土地。
3.発電コストを下げる。
①設備費の削減;パネル価格、設置工事費などの設備費を削減する。
②設備の点検などを主体会社が行う等して維持管理費を削減する。。
③寄付金を精力的に募る、金利を下げるなどにて、資金コストを下げる。
④営業方針に沿った建物等に優先設置する。
4.主体会社の管理運営費は資本金にて公共施設にパネルを設置し、その売電代金で賄う。
5.宇部市には政策的支援と設置建物の無料提供を要請する。
質疑:
○発電効率や経年劣化の見込みは大丈夫か。
→12%は一般的に用いられている数値である。また宇部市内の3施設の実績値と比較しても適切な値と判断した。経年劣化についてはややデータ不十分だが、20年後に10%低下を見込んでいる。
パワコンの更新は含めている。熱膨張、収縮を繰り返すので、ひびが入る可能性もあるかもしれない。
○立ち上げ時の資産は、可能な限り絞っておく必要がある。
→同様に考えている、しかし資本金については、コストが安く、運営費の原資としたいため一定の量集める必要がある。
○ファンドの配当については、社会貢献と位置付け、もっと低くすべきではないか。
→あまり低くして、資金が集まらないと困る、そのような人には寄付としてお願いしたい。
資金の集まる状況を見て柔軟に考えたい。
○公共施設の屋根を無料で貸すことはむずかしいのではないか。
→非営利の活動であり、全体的に有効な事業であることを説得できれば可能性はあると思うが、公益性、公平性のうち、公平性のクリアがむずかしいかもしれない。
平屋根の場合は防水工事など伴い、むずかしいかもしれず、傾斜屋根の方がいいだろう。幼稚園なども対象。
○現在の制度では、固定価格買取の費用は一般消費者の電力料金に上乗せされるので、正味の地域経済への貢献は、その分も含めて考えるべきではないか。
○事業化を急ぐ必要がある。
→そのように考えている。今年度中に市民共同発電うべ株式会社立ち上げたい。
○株の出資金に対する配当がないとして、20年後、会社が解散するとして、その時どうなるのか。
→ファンドの方は「みんなで応援うべソーラーファンド2016匿名組合」、「・・2017・・」としてやっていくので、順調にいけば解散することはない。寄付に近いと考えた方がいいかもしれない。
○エネルギーの地産とともに、食料の地産のために里山に入る新規就農者を応援するとか、セットにしてやれば、そういう気持ちを持つ人もいるかもしれない。
→その場合は休耕地なども対象の土地として考えてもいいかもしれない。雨水が一気に流れないように留意する必要もある。
○固定価格買取制度(FIT)で、買い取り価格どんどん下がらないか。
→電力会社とすでに契約している物件についてはその心配はない、契約時きちんと収益性を検証しながら進めていく。10kW以下の小規模の場合は、おそらく大丈夫と思うが、十分検討は必要。
協議会をまず立ち上げて、十分検討して、会社設立を考えていきたい。参加者の皆様には是非、株主となっていただくようにお願いする。
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