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13日の環境サロンでは小学校の教育現場でのご経験をお聞きして、大変勉強になりました。

2012年09月15日

 伊藤瑞生先生は民間勤務の経験もあり自分で落ちこぼれと謙遜されますが、非常に子ども思いの熱血先生です。不登校の生徒が登校するまでの家庭訪問の経験のお話を聞くと、なかなかそこまでできる先生は少ないのではないかと、感心しました。
現在は社会教育指導員として、高齢者の社会教育に携わり、「人生の身じまい」をテーマに講座を開いたりされているそうですが、残された人生で、悔いが残らないように、いま何が大事なことをすべきなのかを、自らも考えさせられると言うことでした。

伊藤先生は、誰でも勉強したいんだ。教えればわかる。問題行動の目は早く摘みとれば子どもは挫折しない。学校に行きたくない子どもなどいない。はじめから悪い子などいない。どの親も自分の子が立派に育ってほしいと思っている。など堅い信念を持っておられます。要は、生きていて幸せだ、豊かだと考えられる人に育てたいという気持ちで教職生活を送ってこられたようです。

いまは教師受難の時代で、人間関係に悩む、学校にも市場原理・成果主義が導入され、現場はますます多忙化している。子どもの忍耐力の低下、学力体力の低下、礼儀マナーの低下、できる子できない子の二極化、家庭の教育力の低下など、が問題となっている。
ゆとり教育・個性尊重教育が裏目に出て、子どもを甘くさせた面もある。子どもは無限の可能性を持つが、ありのままがいいとか、苦しいことに立ち向かわせない傾向もあった。
 平成23年度から安全実施の新学習指導要領では、これらの反省から、授業時数の増加、指導内容の増加、履修から習得へと方針が変更されている。先生方にはかなり厳しい状況になっているようである。

「教育は国家百年の計」と言われ、家庭教育も含めると、再構築には時間がかかる。
 しかし情熱を持って先生も協力し合い、生徒も協力し合えば、学校を全員が成長する場とすることができる。学び合い、グループワークも、その素地ができているかどうかと言うことが大事だ。
そして、地域に関わり、開かれた学校にし、保護者や地域の人たちも協力していくことが大事である。たとえば、地域のお年寄りと子どもが一緒に掃除して、子どもも大人も、学校もよかったなと感じるなど、負の連鎖ではなく、正の連鎖にして行かなくてはならない。おおむねこのようなお話だったかと思います。

以下はお話の後の議論の一部です。
○人間が人間になるための教育はどこでするのか。
→家庭教育が大事。「三つ子の魂百まで」とはよく言ったもの。改正教育基本法にも家庭教育が大事ということも入っている。具体的にどうするかということは明確ではない。
○スーパー熱血先生は少ないのでは。→いろいろなタイプの先生がいてそれぞれの役割を協力し合ってやればできるんではないかと思う。
○小学校ではまだ余裕があるように思うが、中学校では、学力評価が厳しくなるので、ついて行けない生徒はよりきつい状況に置かれているのではないか。学力、学力といいすぎではないか。
○素朴な疑問として、先生の自己犠牲が過ぎないだろうか → 時にはいやになることがあっても、やりたいという気持ちの方が強かった。

伊藤先生にはまた機会をもうけて、お話しいただければと思っています。
また、今回は現役の先生方5名もご参加いただき、大変ありがたかったです。
Ustreamは http://www.ustream.tv/channel/kankyo-salon
本シリーズ第9回は9月27日(木)19時より星野晋さんによる「こころのエコロジーと文化」です。
なお10月からは、本シリーズ続編として「世代間の対話~倫理について考える」がスタートします。第1回は10月6日(土)15時からアリさんによる「 西洋と東洋の環境倫理について」、第2回は10月27日(土)15時から上山大峻先生による「仏教の環境倫理~みすずのまなざし」を予定しています。(館長)

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