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瀬戸内海研究フォーラムin山口の内容紹介(その4)
2023年09月04日
第2セッションはポスターセッションですが、あとに譲ることとして、第3セッションの紹介です。
第3セッションでは、瀬戸内海の水温上昇の影響、マイクロプラスチックの底泥への堆積、ブルーカーボンの取り組みと、いずれも重要な話題提供でしたが、その4ではまず順不同で、印象に残ったマイクロプラスチックの底泥への堆積に関する研究成果の紹介をします。
発表者は愛媛大学沿岸環境科学研究センターの日向博文さんで、多くの研究者の共同研究の成果であり、外国の研究データも紹介されました。
まず別府湾を選ばれたのは最大水深が70mで底層は安定して、乱れを受けにくいためだということです。
2017年から19年に13本の底泥コアを採取され、マイクロプラスチック(MP)測定用11本、年代解析用、Chl,a測定用に各1本を当てられたということです。
写真は底泥から分離された色とりどりもMPの写真です。1~3mm程度の大きさでしょうか。
写真はすべて公開厳禁ということで、残念ながら削除しました。
何のための研究でしょうか・・・・
左側の図は別府湾の3地点の表面水中と、底泥中のMPのサイズ別割合と種類別割合が示されています。
湾奥の方が湾口水に比べるとMPの、個数密度は大きく、粒度は大きめであり、底泥の場合は、確か説明ではコアサンプルの採取位置は湾奥の方にあったように思いますが、粒度組成は湾口水に近いものとなっています。
また種類別ではPSは湾奥水でしか見られず、底泥の場合もPSの割合は高くなっているのも興味深いですね。
日向教授らは、プラスチックの用途や用途別の排出状況からMPの元になるプラスチックの流出量や、河川からの土砂の流出量なども考慮に入れて、底泥中の経年的な堆積フラックスのモデルを構築しようとする壮大な取り組みをされているようであり、左に示すような用途別のプラスチック排出量の推移のデータまで示されました。
しかし、実態は家庭ごみの製品分類別のプラスチックの素材割合を見ても、右表に示すように複雑であり、そう簡単ではないと思われます。
もう一つ興味深かったのは、底泥中のMPの量は1960年ごろからまずPPが検出され、その後、当然ながら増加の傾向を示していますが、約20年単位くらいの変動を示しており、それがChl.aの濃度の変動と相関があるということでした。
おそらく、植物プランクトン濃度が大きい時に、MPがそれに絡んで沈みやすい形態になるということだろうということです。
植物プランクトン自体の変動も色々な要素が関係しているのだと思われます。いずれにしても興味深いお話でした。
その5に続きます。(文責:浮田正夫)
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