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容器包装プラごみのリサイクルの仕組み(その2)名古屋市の場合

2023年04月02日

さて、上勝町とは対照的な大都市の場合として、以下の動画【コレ知ら】CBCニュース(2022.12)から名古屋市をとり上げてみました。
https://www.youtube.com/watch?v=Y_k5RO51I9I

大量のプラスチック製容器は“資源ごみ”…でもコストとエネルギーをかけて維持しているリサイクルの実態は!?【コレ知ら】CBCニュース

名古屋市の場合、毎日500トンのプラ容器ごみが出て、リサイクル工場に原料として1トンあたり500円を支払うという説明がされています。

これは、上勝町の場合と近い持ち込み料であるが、まず同市港区の神鋼環境メンテナンスで異物除去の前処理が行われているので、おそらくこの前処理の済んだベールをリサイクル工場に搬入するときの持ち込み料が500円ということでしょうか。

なお名古屋市では、年間24万トンの資源ごみをリサイクルするために47億円の税金を使っているということ(1トンあたり17,400円)です。

リサイクル工場は隣の滋賀県甲賀市にある(株)エコパレット滋賀であり、名古屋市から大型トラックで異物除去が済んだベールが搬入されます。容器包装プラごみの処理能力134t/日になっているので、大部分が名古屋市からのものですね。

ベールは解砕され、手分別処理後、光学選別ラインでPP、PEをエアジェットで吹き上げ選別後、洗浄を兼ねて破砕し、比重分離を行って、水に浮く軽いPP、PEを乾燥します。

ちなみに、樹脂の比重はとしては、PVC1.35~1.45、PET1.38~1.39、PS1.04~1.07と水より重く、PPが0.9~0.91、PEは0.91~0.965といわれています。
https://www.toishi.info/sozai/plastic/sg.html

さらに加熱・溶融して、金型に注入し、パレットをつくります。

しかし、現状ではパレット1トンあたり3万円の赤字になっているということです。コスト内訳の収集、入札のウェイトが高いですが、これらの内容は不明ですね。

ここで、光学式選別機について説明しておくと、赤外分光法、可視光線分光法、透過X線技術、電磁誘導などのセンサー技術を応用し組み合わせて、コンベア上の樹脂の種類を判別し、エアジェットで該当するものを上に吹き上げる仕組みになっている。必要によっては右図のように、4種類に選別するような場合もあるようです。https://www.youtube.com/watch?v=sJHYs_6n7W0

さて、地元の(株)広島企業 宇部テクノリサイクルセンターにおける容器包装プラスチックのリサイクル工場は何度か見学させてもらっているが、詳しくどんな処理が行われていたのか、完全に理解しているわけではないので、もう一度ネットで調べてみました。以下は以前の見学報告(すでに6,7年前のブログ  http://ubekuru.com/blog_view.php?id=4207

示されている工程図は見学時説明を受けたときのものですが、現在は新増設されたものもあるようです。

この図から、光学式選別工程はないですが、より具体的に先ほどのエコリサイクル滋賀の工程が理解できますね。

次の図は、宇部テクノリサイクルセンターの光学式選別機を導入した新しいラインの工程図の一部です。http://www.hiroshimakigyo.co.jp/factory/recycle/line_a/index.html

先のリサイクリング旭やエコパレット滋賀のような洗浄工程や比重選別工程はありません。きれいに洗われた食べ物の残りかすのない容器包装プラごみであることが求められるでしょう。

光学式選別機で上にはじかれるPP、PE区分はこのラインではベールとして出荷されます。
また、発泡スチロール製のトレイなどもペレットとして出荷されるようです。

廃棄物のかなりの部分はセメント工場などで燃料として使用されているのではないかと思われます。

このほか、発泡スチロール溶融ラインやビン・カン・ペットボトルリサイクルラインもあります。(その4につづく)

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