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寺島実郎「世界を知る力」 薬師寺執事長 大谷徹奘師との対話(2022.8)より
2022年09月02日
薬師寺といえば、玄奘三蔵院伽藍の平山郁夫画伯による大唐西域壁画が有名ですが、慈恩殿の壁画は元総理の細川護煕さんの「東と西の融合」という作品です。ちなみに細川さんは世界を知る力の1回目の対談相手だったということです。
下の写真は、延べ300万人の修学旅行生に説法されたという高田好胤師です。
寺島実郎さんは、ちょうどその頃、1964年3月に好胤師の熱い説法を聞き、大学生や社会人になった後も薬師寺に何度もお参りされたと言うことです。
また、高田好胤師は1968年からお写経勧進として、参拝客や一般市民に般若心経の写経をしてもらい、浄財寄付を集められ、それを資金として、西塔と金堂を再建するという偉業を成し遂げられました。
一方、大谷徹奘師の母上がやはり1951年修学旅行時、高田好胤師の説法を受けられ、その後、お寺に嫁がれて、師がおなかの中にいるときに好胤師がお寺に来られ、この子は男の子だ、二人は要らないから、こちらにもらって上げると言われたことが、縁になり、後年、愛弟子になられたそうです。
空という書は、好胤師から大谷師にいただいたものということですが、好胤師はわかりやすい表現で「空」の意味を説明されています。
かたよらないこころ、こだわらないこころ、とらわれないこころ
ひろく、ひろく、もっとひろく
ギャーテイ、ギャーテイ、ハーラギャーテイ については、
行こう 行こう さあ行こう というのが好胤師の訳ということです。
前向きで、わかりやすいでしょうと云うことでした。
お坊さんは悟っていられるのではないかという誤解があるのではないかと思うが、お坊さんも人間で、色々起伏もあり、大谷師は「静思」自分との対話が大事とされました。
寺島さんは、日本は戦後経済復興に邁進し、1994年世界のGDP14%を占めるまでにななったが、2021年には4%になり、この間。心の豊かさを失ってきたという認識を示されました。高田好胤師はいち早く、そういったことを感じられて、若者達に真剣に語られたんだろうというご意見でした。
大谷師は、家庭で会話がない。昔のように大家族で、経験あるじいちゃん、ばあちゃんの話を聞く機会もないのが一般。学校での人間関係がうまく育っていない。色々悩みを抱えているが、うまく話しにくい。お坊さんの方から人の悩みを受け入れていく必要があるだろうとされました。
SNSの世界でも、すこしずつ、お寺のお坊さんのそういった情報発信が見られるようになってきましたが、まだまだ大きな動きになっていません。
近頃の国内外の動きを見ていても、人間のおごりにより、人類文明の持続可能性が危ぶまれる中、やはり好胤師の筆になる、「永遠なるものを求めて」ということは、よりむずかしいものになっており、簡単ではないですが、元々、穏健で平和志向の仏教に携わる方々のより一層の奮起を期待したいと思います。
(M.U.)
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