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寺島実郎さんの世界を知る力 #23、世界の情勢を近現代史を含め、勉強になりました。

2022年09月04日

 2022年8月21日放送の「岸田政権「黄金の3年」の経済や外交政策の進路/岩倉使節団、米国とロシアの不思議な関係―ロシア史の深層 学ぶことが多かったので、ざっと内容を紹介します。

 7月の参院選後、岸田政権にとって黄金の3年といわれた、この時期、日本にとっては、今後の運命を決める、きわめて重要な時期であるという認識です。

 それにもかかわらず、政界の状況は,与野党ともたいへんおぼつかないものであると多くの国民は感じています。

 多くの視聴者を持つ「世界を知る力」は、全体知への接近”本当のことを考える報道番組“と銘打っているだけのことがあるように思います。

 今から約100年前、1919年ン第一次大戦後のベルサイユ講和会議から、力と道義によるアメリカ主導の100年間が続いたが、トランプ大統領のアメリカファーストから、現在世界史の歴史的転換点にあるという認識を示されました。

 米国の後退、ロシアの弱体化、中国への不信と先行き不透明な中、日本の国力の低下をいかに挽回していくのかが問われているということです。

 いま、中核をなす大国に代わって 全員が参画して新しい秩序を求める模索の時代にあり、その中で、日本はアジア・ダイナミズムに注目する必要があるとされました。
(赤い楕円は大事と感じた部分を筆者が入れたもの、以下同じ)

 そこで、各国の実質GDP成長率の比較を示して説明されました。

 とくに東南アジア諸国連合の10ヵ国は今年も5.3%という高い成長率が予測されている。また、台湾の成長率は昨年6.6%という高い成長率を示し、今年も3.9%と他国に比べて高めを維持している。

 ちなみに台湾は世界の半導体の供給基地となっており、2021年のGDPは7896億ドルは九州7県と中国地方5県、四国地方4県の2/3を合わせたほどになっているとのこと。すでに日本を除くアジアのGDPは日本の5倍を超えており、10年後には8倍になっているのではないかとされている。ダイナミックなアジアをどう取り込んで、日本の経済を回していくことが重要であるとされました。

 この観点から、現在の日本に問われるものとして、、経済と外交面から上げられたのが、国債残高が1255兆円、国民1人当たり1千万円の借金に相当すること。中でも、食、水、エネルギーの安定供給の大切さを挙げられているのは、注目されます。

 外交面では、二項対立的認識の脱却、ハードよりソフトの大切さ、したたかな同盟外交、アジアへの視野があげられています。

 このあたり非常に重要なことを語られているので、動画をじかに見ていただければと思います。

 最後に、日露関係の歴史を振り返った説明があり、参考になることがあったので、一部を紹介しておきます。

 1853年のペリ来航より早く、1792年、1804年ロシア船の来航が日本の脅威と感じられていたこと、1871年から1年10か月をかけた岩倉使節団がロシアも訪問しており、そこで、ロシアの後進性を認識し、それがのちの日露戦争にも影響を与えているとのこと、またオランダについてもライン川河口の低地国であることを認識し、以後、ドイツに傾斜していったことなど。

 斎藤幸平さんの脱資本主義、いつまでもGDPを指標にしているべきではないという意見、れいわ新撰組の、国債が増えることは必ずしも悪いことではないという意見も合わせて、考える必要はあると思いますが、寺島さんの意見は経済・産業界の側からの考え方として、たいへん貴重であると感じます。
(M.U.)

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