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今年度第1回ESD研修会食育フォーラムの報告(その1)、前島由美さんの「輝きを取り戻す『発達障がい』と呼ばれる子どもたち」を聴きました。

2022年08月28日

 前島由美さんは大阪出身で25年保育士の仕事に携われ、2013年に夢の森いずも株式会社を設立。翌4月には発達障がいといわれる子ども達を主対象とした養育支援事業所ゆめの森こども園、2016年には「古民家ゆめの森こども園」を開園されました。場所は出雲大社のすぐ近くで、八百万の神に守られたいい環境にあるということです。
 
 保育士の仕事をしてきた中で、アレルギーやぜんそくが食で改善されることを体験してきた。2011年頃、発達障がいがすごい勢いで増えていましたが、研修会に行っても遺伝の影響であるとされることが多かったとのこと。

 その中で、専門家から脳内アレルギーという言葉を聞き、また「食べなきゃ危険」という本を書かれた国光美佳さんとの出会いもあり、確信を持って、「古民家ゆめの森こども園」を運営することになったそうです。

 縁あって来てくれた子ども達が、身をもって伝えてくれたこと、また食を通して全て地球とつながっていることを是非、広く伝えたいと思っている。

 着物も天然素材で古くなれば、雑巾に。最後は焼いた灰はが肥料となり土に還る。
衣食住ができるだけ自然界で循環する形を子どもたちの体験で取り戻したいと思っているとのこと。

今後はさらに、彼らのもって生まれた天性の才能を伸ばす体験型のフリースクール構想を実現するため、全国に活動を広げているそうです。

古民家こども園は、放課後等デイサービスという福祉事業ですが、一方、夢の森フリースクールは、発達障がいにこだわらず、不登校の子ども達の受け皿として、広い農地を無償で使わせてもらいながら、農業体験や動物たちとの触れ合い、大家族のような温かい人間関係を大切にした場所を目指しているということです。

この図は、小・中・高校の障がい者数の増加の状況を示しています。

統計の取り方が小中学校を対象とした同じやり方の2006年から2017年の10年間の推移を見て、急激に増加していることがわかります。
https://www.mext.go.jp/content/20200317-mxt_tokubetu01-000005538-02.pdf

 発達障がいと言われるこども達は、五感の過敏性があると言われています。

発達クリニックでの主な診断横軸として、横軸にコミュニケーション能力、縦軸に認知・学習能力を取って、自閉症、ADHD((Attention-Deficit Hyperactivity Disorder、注意欠如・多動性障がい)、アスペルガー症候群(高機能自閉症)、学習障がい(LD)と分別されますが、境界があいまいで、自閉スペクトラム症という分類も使われているということです。

 いずれにしても、小学生の不登校は2005年の2万人から2020年の6万人と3倍に、中学生は10万人から15万人と約1.5倍に増えている。

 また、小中高生の自殺は2020年479人と新型コロナの影響もいくらかあるでしょうが、前年より大幅に増え、内訳は小学生14人、中学生136人、高校生329人であったという新聞記事が紹介されました。自死には向精神薬の影響もあるのではないかという懸念も示されました。

 私たちが社会に適応して生きていくためには右脳と左脳のバランスがとれていることが必要ですが、学校に行けない子供たちの中では、右脳が優位の、研ぎ澄まされた感性をもっている例も多いようです。

 不登校で発達障がいと診断された子供たちの中で、素晴らしい才能に気づき、独学で、イラストや樹脂粘土、切り絵などの技術を身に着けたり、ギターの才能を開花させることもあるという例を紹介されました。

 いろんな体験を通して、自分の興味あることに、自分でこれが楽しいということに気がつけば、好きなことに没頭して、自分で身に着け、プロになったり、世界に飛び出す子どもたちも結構いるんだということでした。(その2に続く)

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