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「陰謀論」ってなに?

2022年04月24日

この頃コロナやウクライナ戦争などの閉塞感があり、自分自身、やや過激な情報に興味がいくことが多くなっています。

そういうことを話題にすると、あまり過激な考えにとらわれたらいけないよとか、「陰謀論」にはまり込まないようにしたほうがいいよとかいう忠告を聞くことも多いです。」

そもそも「陰謀論」って何でしょうか。
ネットで調べてみると、宗教学者の辻隆太朗氏は以下のように言っています。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220402-OYT1T50036/ 
 陰謀論は「黒幕が裏で物事を操り、真実が隠されている」というものだ。中身は違っていても「全ての事象を陰謀の仕業として説明する」「黒幕が利益を得るために私たちが犠牲になっていると主張する」という共通点がある。 ・・・中略・・・
なぜ信じるのか。人は自力ではどうしようもない状況に置かれた時、単純に敵を仕立てて「あいつらが仕組んだからだ」と思い込むことで、現実を受け入れ可能なものに転換できる。陰謀論は、そういう解釈の手段だと考えられる。

 京都大大学の横山竜宏さんは、以下のように言っています。
 https://www.rish.kyoto-u.ac.jp/news/forum_column_54/
 世の中には様々なデマや陰謀論があふれています。
〇〇は自作自演、〇〇は人工的に起こされた、〇〇の黒幕は××、最近では、コロナは〇〇が広めた、等、本気か冗談か分からないままインターネットを介して急速に拡散していきます。・・中略・・
 陰謀論を信じている人に対する一つの策は、陰謀渦巻く世界観を認めてあげた上で、その陰謀論が広まることによって利益を得ることができる、さらなる黒幕の存在を示唆してあげることだそうです。

また、石原壮一郎さんは以下の様に言っています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/afe5be0c204e18632f68d78fd71ec0c94ddbd81c?page=2
石原壮一郎氏が陰謀論について考察

「ウクライナはネオナチに支配されている」「新型コロナワクチンは人口削減が目的」「トランプ前大統領はディープステート(闇の政府)と戦っている」などなど、ネット上には今日もさまざまな「陰謀論」が渦巻いています。・・・中略・・・
「陰謀論」は虎視眈々と心のスキに入り込むチャンスをうかがっています。「自分は大丈夫」という保証はありません。・・・中略・・・
〈「陰謀論」にハマることで味わえそうな7つの幸せ〉を上げておられます。
 たとえば、①「多くの人が知らないことやマスコミが報じないことを自分は知っている」と思うことで、優越感を感じられる。②政治や社会や自分が置かれている状況への不満を埋め合わせできる。③「真実」を広めることで“正義の戦士”になれた実感を得られる。
といったような事です。いくらか当たっている部分もありますね。

このように「陰謀論」にはまることを否定的にとらえる意見が多いです。また、身近なところでも、このごろやや過激な情報を話題にすると、「陰謀論」にはまりこむなという声も聴かされます。とくに「同調圧力」の強い風土では、あまり極端な意見は好まれません。

これは「陰謀論」でしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=wYXPiLCXM4w

 同じ「陰謀論」でも、支持する人と批判する人の両方がいると思われますが、どちらも違う考えの人を、お互い批判しあうことになるでしょう。
 
 詳しくないですが、イスラムの教えの中でも、人の名誉は大切なものであり、アッラーもそのようにわれわれをかばっていただけるのだから、まして自分の不名誉を自ら広めたり、あるいは人の不名誉を言いふらしたりすることは控えるべきであるとされているようです。それでもなおかつ当人が反省せず不名誉な行いが止まらず、あふれてしまう場合は、当人が不名誉を背負って生きなくてはならないことになるということでしょうか。
たしかに、人の悪口を言うことはできるだけやめたほうがいいですね。

 しかし、政府の対応や、最近のマスコミの状況を見ていると、本当にそれでいいのかと思います。「依らしむべし、知らしむべからず」という政治哲学のもとに、都合の悪い情報は隠蔽し、伝えたい情報はお金の力で、露出度を大きくすることによって、強い権力を持つ側が、国民の福祉を顧みず、自分たちの意に沿うよう、国民を誘導するといった、目立たない「陰謀論」もあります。

 今の先行き不透明な時代、これまで通り安穏と、生活を過ごしていては、いけないのではないかと思います。情報の本質や真偽を見抜くのは本当に容易ではないですが、かといって、「陰謀論」といわれる中にはいくらか、真実もある可能性もあるわけですから、初めから無視するのではなく、注意を払っておく必要があると思います。

仏教の「衆善奉行 諸悪莫作」、「嘘をつけば閻魔さんに舌を抜かれる」おそらく東西を問わず、「悪いことをすれば地獄に落ちる」という教えもさほど力を持たぬようになり、全体に人間が傲慢になりすぎたのではないでしょうか。
親鸞聖人の「善人なおもて往生す、いわんや悪人をや」という悪人正機説も安易に解釈すべきではないと考えます。

この情報も、「陰謀論」なのでしょうか。
https://ameblo.jp/woods72060/entry-12731067520.html

 このところ町田宗鳳 著「なぜ宗教は平和を妨げるのか」2003年刊を再読してみて、イスラエル/パレスチナ紛争についての記述は、現在のロシアのウクライナ侵攻とも、その背景においてかなり通じるものがあると感じます。

権力や金に対する欲が宗教と結びついて、正義の仮面をかぶり、残虐なことが行われてしまうといったことでしょうか。

 昔環境サロンで話していただいた上山大峻先生の本の中で、八正道のうち、真実の姿を見ることができる「正見」が最も大事なことであることが、述べられています。

 それにしても、膨大な情報が氾濫する時代、経験を重ねたシニア世代でも、情報の真偽を見極めることはむずかしいのに、若い世代の人たちに判断力を持ってもらうためにはどうしたらいいのか、大きな課題のように思います。

 平和ボケの日本はぼやぼやしていたら、侵略の対象になる、軍備を大幅に増強すべきであるという意見がありますが、相手国を挑発し刺激することは得策ではありません。自衛力の強化は必要でしょうが、まず外交努力を通じて世界平和に向けて、貢献することがだ大事ではないかと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=QyNWCdZvdYY
これは「陰謀論」でしょうか。        (文責:浮田)

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