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最近の新聞記事から熱海市伊豆山の土石流災害について考えました。
2021年08月06日
2021年7月3日に発生した表記土石流災害の原因について「産廃捨て場」という記事があり、ネットで調べてみました。
地球温暖化、廃棄物処理、防災、社会環境問題等さまざまな要素が絡み考えさせられる災害です。
10年以上前から土砂捨て場として、土砂以外の産廃を混入させ、盛り土高さについて制限値を大幅に上回るなど、色々問題のあった業者が関係しているようです。
現場の状況が分からないので、GoogleEarthやネットの記事などを調べてみました。
映像の撮影年月が定かではありませんが、三角形に見える土砂捨て場が上端の標高が400m程度から、この時点での逆三角形の下端部の標高が370m程度のようです。この間の距離が100m程度ですが、静岡県から示された図では事故前の長さは200mとなっています。
その南西部の細長い裸地が見えていますが、これが尾根を整地してメガソーラー用に開発された場所のようです。おそらく、先の土捨て場はこのときに発生した土砂の捨て場として考えられたのではないかと推量されます。標高は上端部が460m程度、中程のくびれあたりが380m程度、下端部が360m程度となっています。
写真右上を見ると、事故後の土石流上端部と、南西部のメガソーラ-のパネルも写っていて、位置関係がよく分かります。
当日の被害現場の状況https://www.youtube.com/watch?v=rsm0lM2u0Lg
解説付きの上端部周辺のドローン動画はhttps://webronza.asahi.com/national/articles/2021070600007.html
Green Peace JapanのHPから7月1日から3日にかけての熱海の降水量は411.5ミリに達し、この3日間の降雨量は7月の歴史的な月平均値226ミリを上回るとのことです。
土石流は3日10時半ころに発生しています。この異常な雨の降り方は地球温暖化の影響だと考えられます。
7月15日の静岡新聞社のネット記事によると、「静岡県は記録的な積算雨量に伴って盛り土内にたまった大量の地下水が下端部から噴き出した「パイピング現象」との見方を強めている。排水施設などで崩壊の防止策が講じられていなかった可能性が高いとする一方で、・・・・同規模のパイピング現象が再び起きる恐れは小さいとみている。
県が同市水口町に設置する観測所は、本格的な降り始めの1日午前4時から土石流発生直前の3日午前10時までの積算雨量を449ミリと計測した、とのことです。
メガソーラーによる雨水流出率の増大が影響を与えた可能性も考えられるが、事業関係者の説明ではメガソーラー敷地の雨水は南西側の谷に流れるようになっているとのことだったが、Google Earthで造成地の標高を調べてみると、確かに傾斜が南西方向についていることがわかります。
これまで風力発電とはことなり、太陽光発電は環境影響評価の対象として位置づけられてきませんでしたが、CO2削減対策として、生成可能エネルギーの開発は進める必要があり、目下太陽光発電についても環境影響評価の対象とする最終的な調整が行われているようです。
尾根に設置する大規模な風車についても、用地造成のため、切土が発生し、その土砂を谷に埋め立てることも多く、今後、こういった土砂災害を誘発しないよう十分な評価が必要であると思われます。(文責:浮田)
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