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藤山中学校で3年生対象に中川河口ヒヌマイトトンボ生息代替地に関連した事前授業を行いました。

2020年11月05日

11月4日(水)藤山中学校で3年生対象に中川河口ヒヌマイトトンボ生息代替地に関連した事前授業を行いました。

この事業は、ESDうべ推進協議会が、今年度山口県ひとづくり財団の活動助成を得て、藤山中学校と連携して実施するものです。

11月10日(火)午前中の清掃作業を前にして、事前に説明する時間を取っていただき、4名の講師が、代替地の経緯、開発と自然保護の関係や植生の紹介、代替地の最近の水質等の環境モニタリング結果の説明、厚南地区・藤山地区の防災について、および代替地に生息するトンボや昆虫類の紹介が行われました。

前後しますが、2人目の植田さんは、宇部セントラルコンサルタントの現役社長さんですが、貴重な時間を割いて説明していただき、毎月の環境モニタリング自体もボランティアで継続していただいています。
ヒヌマイトトンボに之生息のためには、常に底質が湿潤に保たれている、適度な塩分濃度、ヨシの密度が保たれていることが必要であること。代替地の改良工事によって多様な環境がつくれるよう、代替地内の地盤高が調整されたが、必ずしも期待通りには行っていないとされました。

浮田はヒヌマイトトンボ生息代替地がつくられた経緯や、利水、防災、道路建設と自然保護の関係などについて、概略の説明をしました。

左上の地形図は1876年時点のものですが、まだポンプ場もなく、周辺は湿地になっています。また、図が小さいですが、厚東小学校のあたりの五田ケ瀬堰から江戸時代に御撫育用水が引かれ、開作地の農業用水にあてられました。小野田寄り梅田川上流から用水が供給され、中川は主たる排水路の役割を果たしています。

参考までに、めにつく植物の名前や昨年12月の高校生を主体としたごみ回収の写真とデータを示しています。

ここではあまり詳しく述べるスペースはないですが、以下に同様の概説をしたブログがありますので、参考にしていただければと思います。 http://ubekuru.com/blog_view.php?id=5082


3番目の村上先生は、防災の立場から、大きな被害を出した昭和17年の周防灘台風の紹介や、藤山地区を含む洪水、高潮ハザードマップを示され、日頃からこれらの情報を意識していることが重要であるとされました。

周防灘台風の受難碑と、ここまで高潮の水がきたという記念碑が黒石の妻崎神社にあるそうです。

4番目、山口むしの会の管さんは、代替地周辺で見られる様々な昆虫類について紹介された。

ふ化したばかりのヒヌマイトトンボは少し大きめのアオモンイトトンボのえさになること、その他の虫たちにも食べられ、自然界は弱肉強食の世界のようです。

ちなみに全国区のトンボは250種類、山口県は90種ほどで、代替地は10種類程度と多くありません。チョウは全国でやはり250種類くらい、山口県で100種類ほど、代替地で20種類程度とのことです。

なかなか、我々の生活や安全を第一としながら、希少種の生息地を人工的につくることは容易ではありません。淡水と塩水の供給量が河川改修や高潮対策工事によって両方とも減少したことが、うまくいっていない要因と思われますので、必要な時期に太陽光発電の電気で淡水や塩水を供給することまで、考える必要があるように思われます。

藤山中学校は海頭校長のリーダーシップにより、SDGsを意識した教育が行われており、厚東川上下流の中学校の相互交流にも力を入れておられます。11月10日は「厚東川の日」として3年生のみならず、全校挙げて、清掃活動を計画されていて、頭が下がります。
担当の安野先生もお忙しい中、しっかり対応していただいています。

事前授業終了後、校長室で10日の打ち合わせや雑談を交わしましたが、立派なん毛筆の日誌を毎日書いておられるようで感心しました。

藤山地区は藤山小学校もESD的な教育に熱心であり、海頭先生は今年5年目でご退職のようですが、よき伝統が引き継がれていくことを期待したいと思います。

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