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#子どもたちの未来 を考えるNHKスペシャル番組で、就学前教育の重要性を勉強しました
2017年06月06日
6月4日(日)に放送されたNHKスペシャルでは幼稚園保育園などの就学前教育の効果について論じられていて、興味深かった。
学歴が高いほど平均年収は高く、保護者の年収が高いほど、4年生大学への進学率が高いというデータが示されている。
懸念されるのは、家庭が貧しいと、進学率が低くなり、将来の所得が低くなると言う、悪循環が生じること。
こどもの貧困ということを最近よく耳にするが、社会の貧富の差が徐々に大きくなり、6人に1人の子どもが貧困状態にある。
国際的に見ても先進国の中では日本はアメリカ、イタリアに次いでこどもの貧困率が高い。
貧困率の定義は、厚労省の資料によると、世帯の可処分所得(収入から税金・社会保険料等を除いたいわゆる手取り収入)を世帯人員の平方根で割って調整した所得の、中央値の半分の額を、貧困線として、これを下回る家庭の割合をその集団の相対貧困率というようである。
またこれに対応して、自分の将来に対するイメージで、明るい希望をもっている割合も61.6%と他国に比べて低い状況にある。
こどもの貧困をこのまま放置した場合に予想される損失を日本財団が試算した結果が紹介されたが、将来の所得はマイナス43兆円、それに伴う税収は16兆円のマイナス、また逆に生活保護等の社会保障費の増大も予想されるという。
番組では、このような悪運館を断ち切るための方策として、就学前教育の重要性を取り上げた。
ノーベル経済学賞受賞者のヘックマン教授は就学前教育の重要性を強調された。
1962年、3歳、4歳のアフリカ系の低所得者層のこども達123人を二つのグループに分け、40歳まで就学前教育の効果を評価する調査研究が行われたが、追跡調査の結果、就学前教育を受けたグループは月2千ドル以上の収入がある割合が29%であったのに対して、受けなかったグループは7%にとどまったと紹介している。
ヘックマン教授は経済学の立場から、就学前教育への投資の資本回収係数の算出する研究をされている。様々な仮定の条件があるので、一概には言えないが、犯罪による損失なども考慮して、割引率5%としても、7%前後の資本回収係数が得られているようである。
https://heckmanequation.org/resource/invest-in-early-childhood-development-reduce-deficits-strengthen-the-economy/
やる気、協調性、忍耐力といった、「非認知能力」をつけるのに、幼児期の教育が非常に有効であり、自ら課題を決め→計画し→実行し→復習する、態度を養なうことが重要であるとしている。
これらの図式は、ESDやアクティブラーニングにも共通する能力であり、印象に残った。
番組では費用対効果は16倍との結果が示され、また、教育投資の効果は早いほうが大きいとされた。
われわれが昨年度から取り組んでいる環境省プロジェクトでは、小学校教育に重点を置いてきたが、保育所や幼稚園における教育に注目すべきかもしれないと考えさせられる番組であった。
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