環境サロン「低炭素のまちづくり」第2回~ごみと低炭素について~が、藤山校区に出張して開催されました。
2014年07月29日
7月26日(土)10:00~12:00、藤山ふれあいセンターで、宇部市環境衛生連合会藤山支部との共催の形で実施されました。同支部の研修会を兼ねたものですが、環境サロンにとっては、はじめての「校区出張サロン」です。地域の皆様が多数、参加していただきました。宇部市役所からも3名の方々の発表がありました。
まず、浮田が「ごみ分別リサイクルと低炭素の関係について」と題して1時間弱話をしました。環境衛生連合会は主にごみ問題と取り組んでられるので、環境サロンの第3分科会のテーマである低炭素と関連づけるために、設定されたものでしたが、知識の蓄積が十分でなく、前夜遅くまで、かろうじて以下のような内容について紹介した。
①省エネと低炭素
②環境家計簿について
③ごみ処理からどの程度温暖化ガスが出るか
④廃棄物処理に伴う温暖化ガスの排出抑制のための国の対策
⑤宇部市のごみ処理・リサイクル等の経過
⑥これから目指すべき ごみ処理のあり方
①については、低炭素は大事だけれども、このかけ声の下に原発が推進されてきた経緯があり、「省エネ・低炭素」というように、省エネを組みあわせて用いるべきこと、
②については、ごみの排出と温暖化ガス(以下GWG)の排出の関係は複雑であるために、環境家計簿で電気、灯油、ガス、水道、ガソリンなどは取り上げられることは多いが、ごみを取り上げている例は少ないこと、ローハスクラブの環境家計簿では3.4kg-CO2/kgごみの排出係数が用いられていること、江東区の環境家計簿では、リサイクルにまわした分は、たとえばアルミ缶10個で-1.7kg-CO2、スチール缶20個で-0.8kg-CO2など、GWGの削減にカウントする方式が用いられている。
③については、2012年度における家庭部門のガソリンを含むCO2排出量2.24トン/人/年の3.1%がごみの排出によること、また、産廃やし尿を含む廃棄物分野のGWG排出量は、我が国の2011年度全排出量13.08億トン-CO2のうち、2.6%に相当する3453万トンであることことが紹介された。
④については、3Rを進めるほか、焼却施設における発電等熱利用率を高めることを施設整備補助対象を制限することにより強力に推進しつつあること、
⑤については、宇部市の平成24年度におけるリサイクル率は発電利用を含め31.7%、最終処分率は11.5%と全国的に見ても好成績の位置にあること、
⑥については、これからは、何でも燃やすのではなく、食物由来のし尿や厨芥は分別して最終的に土に還元し、リサイクルできなかったプラスチックや紙ごみは発電等の燃料として有効利用する方向を目指さなくてはならないとした。
ついで、環境保全センターの中野芳和さんが、「プラスチック容器包装の分別と焼却炉における灯油消費量」と題して、説明していただきました。
ます宇部市のごみ分別の変遷として、
・昭和50年以前は、全てのごみは芝中沖に埋め立てていたが、焼却炉ができてから、可燃ごみと不燃ごみの分別が始まった。
・その後、家電製品などのごみが多くなり、埋立地の容量がもたなくなるので、平成7年にリサイクルプラザが完成し、資源ごみの回収や燃やせないごみの破砕選別が行われるようになった。
・平成12年10月からプラスチック容器包装、紙製容器包装の分別収集が始まった。
・平成14年12月にはガス化溶融方式の新焼却工場が稼働した。この方式は焼却灰の大部分をガラス状のスラグに溶融して嵩を減らし、安定化させて、一部は有効利用できる。また高温の余熱を利用して、発電もできる。旧焼却炉の場合焼却灰は15%程度発生したが、新方式の場合、スラグ4%、溶融飛灰4%である。また現在、スラグの3,40%は有効利用されている。
・平成20年夏からは汚れたプラスチック容器包装は燃やせるごみに出すようになった。
汚れたプラを無理してリサイクルに回さず、燃やせるごみに入れると、その分、灯油の消費量が減るのではと思われた。しかし、灯油の消費は、ごみの安定した焼却を行い、スラグの流れを良くするために65%、さらにスラグの落ち口が詰まらないようにするためにも10%とあわせて、75%が必要とされ、実際は灯油消費量が減ることはなかった。
次に廃棄物対策課の上田康次郎さんが3Rの取組として、
まずリデュースについては、段ボールコンポストの推進と、水切りの大切さを説明された。生ごみの80%は水分であるので、まず、水に濡らさない、水を絞ってから出すこと、また草木についてもしばらく口を開けたままにしておいて、3日ほど天日干しすると半分近くまで、重さが減ることを紹介された。
リユースについては、毎月ときわ公園で開催している子供服・絵本の回収が好評で人気があること、リサイクルについては、ふれあいセンター等に設置の古着、古布の回収ボックスで回収して、障害福祉サービス事業所でウエス(工業用雑巾)に加工されていること、使用済み天ぷら油は市内6箇所の回収場所から、バイオジーゼルに生成され、バスやときわ公園のごみ収集車の燃料に使われていることが紹介された。
最後に同課の安達圭二さんが、段ボールコンポストのつくりかたについて、詳しく説明された。
・段ボール箱(35~40cm立方)に基材として、ピートモス15㍑、もみ殻くん炭10㍑を入れる。
・機材を良くかき混ぜ、機材の真ん中に穴を掘り、その穴に生ごみ500g程度を投入し、上から基材をかぶせる。(水分が多い状態で、段ボールの紙に接触すると、紙が傷むので、1日おいてからかき混ぜるということ)
・段ボール箱に虫除けカバーをかぶせ、、雨に当たらない場所に、ビールケースなどの上に置く。
・これを毎日繰りかえす。
・3ヶ月後、生ごみの投入をやめ、その後1ヶ月ほど週2、3回混ぜるだけにして、熟成させる。
・このコンポスト1に対して土4位の割合で混ぜて、さらに1週間くらい置いてから使うとよい。名人の高瀬さんによると、堆肥にまさ土、赤玉、鹿沼土を混ぜると良いらしい。
今年度はUstream録画中継が充実していますので、興味を持たれた方は、是非下記の動画を視聴してください。
http://www.ustream.tv/recorded/50528318
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私は関心あることばかりです。
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