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「世代間の対話」シリーズ2回目が終わりました。

2012年04月27日

4月26日、地球環境時代の人間の生き方(2)として、アスガル・アリさんにイスラムにおいては、人と自然の関係をどうとらえているか、ということに焦点を絞ってお話いただきました。パキスタン生まれ、カナダ国籍、コスタリカ、オーストラリア、イギリスに住まわれた経験があり、そして日本と、現在床波で家庭を持たれ永住権を得ているという国際経験の大変ゆたかな方です。専門分野も修士までは農業土木・水資源、博士課程は環境哲学と多様です。

彼はムスリムですので、まずわれわれにこれまで縁遠い、イスラムの唯一神、神の代理人としての人間、神から信託された人によって管理される自然という、基本的な教えについて話されました。そして超越神、神、預言者、一般人に分け、後二者の人間には大きな幅があり、神は人間をできるだけ下に落ちる危険から遠ざかるように日常生活の規範を教え、また上に引っ張り上げるロープを沢山用意しているといった話です。現代の一般の日本人にとっては、「神とはなにか」、ということが一番わかりにくい感じがあると思いますが、アリさんにとってはむしろ、「人間とはなにか」、が重要であるようです。それだけムスリムには神は身近に感じられる存在であるようです。

人間は神から自然の管理を信託された存在であり、自然を支配する力も与えられているが、それを濫用し略奪することは許されない。人間も神から創造された自然の一部であり、人間は人と自然の調和を尊重しなくてはならない。われわれが神を忘れたとき、貪欲に陥ってしまい、物質的な幸せのみ求めてしまう。環境危機はなによりもまず精神の危機である。環境が病んでいるのは、われわれの内部の深いところが病んでいるのである。これが、イスラムの「環境倫理」であるということが、よく理解できました。また意外にどの宗教も一番根本のところは共通するものがあるのだなあということにも、気づかされました。

議論では、Q:東日本大震災のようなできごとを、イスラムではどのように考えるのか。A:神は時には人間に災厄をもたらすこともある。しかしその災厄はいつか恵みになることもある。特に超越神は慈しみをもつ神のエッセンスと考える。Q:何故そこまで神を信じられるのか。それがわれわれにとっては不思議だ。A:われわれは生まれたときからその環境に居るので、ごく自然なことである。水中の魚に、君はなぜ泳げるのと聞くのと同じようなこと。Q:何故宗教観の衝突が起こるのか。A:一つの大きな要素は政教一致のイスラムと、政教分離のキリスト教国の違い。ComentA:若い人に宗教を受け入れる素地があるのかといことも問題。CommentB:環境問題の根本は内的な問題であると言われれば、今取り組まれている対策はわれわれの行動をすこしばかり改める程度もなかなかできないのにとすこしショック。Qback;福島原発の事故で、仏教など宗教側からの発言がまったくきかれないのは不思議だ、何故なんだろうと驚いた。Aback:お坊さんの責任です。プロの責任を果たしていないのだ、などの議論がありました。Ustreamでも見ることができます。http://www.ustream.tv/channel/kankyo-salon (館長)

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