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瀬戸内海研究フォーラムin山口の内容紹介(その2)

2023年09月04日

第1セッションは”生き物を支える干潟・藻場”で、まず水産技術研究所の重田利拓さんのお話で、印象に残った点は、広島湾でのアサリの減少と、クロダイの漁獲のグラフです。

両者に明確な相関がみられます。クロダイの漁獲量のデータは見ていませんが、山口湾のアサリは1990年、大海湾のアサリは1995年からほとんどとれなくなり、広島湾は1995年から急減しています。

また、日本ではあまり聞いたたことがないですが、垂下式のアサリ養殖で中国では350万トンも生産されているのは驚きです。

二人目は、水産大学校の阿部真比古さんの発表で、「山口県の藻場とその現状」と題して詳しいお話がされました。

藻場には大きく分けて、海藻場(アラメ、クロメなど)と海草場(アマモ、コアマモなど)があること、藻場の役割として、多様な生物の生息場、環境学習・レジャーの場であることを上げられました。

しかし瀬戸内海の藻場はアマモ場の場合、1960年22.6千haから1971年には5.6千haに大きく減少したことが示されています。1989-1990年では、アマモ場6.4千ha、ガラモ場5.5千haになっています。

山口県の山口湾、徳山湾、響灘の豊北小串の藻場の状況が示されていますが、まだまだ捨てたものではない感じですね。

ただ最近は温暖化による影響が大きく見られるようになり、心配されます。

2013年8月には対馬暖流が山口県日本海側に接岸し、高水温に耐えられず、アラメ場が衰退したということです。

こういった藻場のモニタリングは地味で大変な調査だと思いますが、非常に重要なことですね。

最後に一時、注目を集めたカイガラアマノリの養殖試験についてでしたが、やはり海水温お影響や食害が問題になるようです。

その3に続きます。

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