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2022年度第3回ESD研修会の報告(その3)二人目のコメンテータとして、今年度で43年の教員生活を終えられる三好保雄先生の話題提供です。
2023年05月01日
三好先生は藤山小学校時代から、長年にわたりESD的な教育に力を入れられ、43年のうち5年は再任用ですが、ほとんど学級担任として、子供たちのみんなが幸せになってほしいという思いをもって教育に当たってこられたということです。
コロナ禍の3年間、初めはずいぶん神経質になって、子供同士や、先生との間のコミュニケーションがとりづらかったということです。
それから今の子供たちは、固い木の椅子に、6時間の授業でじっと座っていることができなくなっているとのこと。いわば今の学校の枠が合わなくなっているように思うとのこと。戦後、生活還元学習というのがあり、今でも長野県伊那の小学校では山羊を買っているところもあるそうです。学習指導要領に沿って授業が行われ、対話的な学びとか言われていますが、もっと思い切って学校の仕組みを変えて、子ども達を育てていく必要があると、長い教師生活の経験から思うということです。
総合学習の時間に、宇部市が予算をとってくれt下いるので、小野のお茶畑に子どもたちを連れていくと、みんないい顔をして生き生きしてお茶を摘み取ります。アクトビレッジおので、地元の人が先生になって、お茶の葉を蒸てし、揉んで作ったお茶を子どもたちがもらって帰ります。
このような体験型の学習を日常の学校でもできればいいと思うとのこと。
右下の写真はアゲハチョウの幼虫、さなぎからから、羽化させましたが、残念ながらちゃんと飛べることができなかったので、ツツジの上に置いてあげているところ。
次の写真は子供たちがカブトムシの幼虫をじっと見まもっているところです。
その下の写真はカブトムシの幼虫がくるくると転がっているところです。
写真にはありませんが、幼虫から育てたモンシロチョウがうまく羽化する日には、子供たちは算数の時間でしたが、構わずみんなそちらに集中し、あと窓を開けて出してやるときは、みんなが「頑張ってね」とか声をかけていたそうです。
虫の立場になって考える感性が養われるのでしょうね。
右側2枚の写真は、消防士の方ですが、事故で車いすが必要になられたそうですが、仲間3人とともに、車いすラグビー体育館で実演し、体験談も話され、子供たちは感動したということです。
また総合福祉会館から借りた車いすに子どもたちが実際に乗ってみて、教室の段差に気づいたり、傾斜路は後ろ向きに押してあげることや、何か手伝えることはありませんかと聞いてから、お手伝いすることが大事といったことも学び、いい経験になるそうです。
学校に来れない子ども達も、一人残らず来れ、それぞれの個性を発揮できるような学校づくりが必要と思うとされました。
総合討論を兼ねたパネルディスカッションはコメンテータの一人である薄井さんの進行で行われ、重要なポイントが議論されました。
まず本来、ESD推進協議会は岡山のケースに学び、事務局運営に宇部市が責任を果たすべきではないかという点です。そのためには対話が必要で、たたき台として5年間の基本構想を作ってはどうかというアドバイスをいただきました。
赤田さんが話されたマイプロジェクトは高校にとどまらず、中学校にも広めていくことは可能であり、教育委員会の協力を得やすいのではないかということでした。
三好さんの子どもたちのための教育に対する思いについては、池田さんも文科省の新学習要領や教育振興基本計画においてもESD的な教育の重要性は十分に認識されていて、岡山においても、学校と地域が一緒に取り組む動きに力を注いでいるということでした。
最後に、村上さんにまとめていただいたアンケートの結果を示しておきます。
参加の感想はほぼ良好ですが、年齢構成はやはり70代以上が大半です。
その他意見では、図に記載した通りですが、岡山の先進事例を学べてよかった、ESD的な教育の推進には地域コーディネーターの役割が大きいこと、もうすこし岡山のケースについて質問したい点もあったなどの意見があります。
このほかせっかくの機会なのに参加者が少なく、時期の設定や広報にも工夫が必要であることが指摘されています。
次年度の課題は大きいですが、今回得られた貴重なアドバイスを活かして努力したいと思います。
これで第3回の研修会の報告は終わりますが、薄井さんのコメント発表については、すでに以下に報告していますので、そちらをご参照ください。
http://ubekuru.com/blog_view.php?id=6022
(文責:浮田)
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