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和歌山県特産のイセエビ漁獲減と温暖化の関係について
2023年04月11日
山口大学施設環境部の鳥越さんからの情報で、那智勝浦町や串本町の漁師さんへの取材で、イセエビの漁獲が最近減少しているというFNNプライムオンラインの記事を読みました。https://www.fnn.jp/articles/-/506143
和歌山県は、全国で三重県、千葉県に次いで3番目のイセエビの漁獲があるそうです。
とくに那智勝浦町では2018年に比較して、2022年は半分以下と大幅に減少しています。
ちなみに三重県と和歌山県におけるイセエビの漁獲量の推移を2008年から2020年にかけて調べて、グラフにしてみました。
https://urahyoji.com/catch-iseebi-d/#toc6
冒頭に示された那智勝浦町のような極端な漁獲量の減少は見られません。
しかし2015年あたりから、両県とも徐々に減少傾向にあることがわかります。
その原因として、このところ黒潮の大蛇行が続いているようで、黒潮に乗ってくるといわれるイセエビの幼生の数が減少していることが一つの大きな要因であるとされています。
それと、上の図に示されているように、静岡県沖あたりから一部分岐した黒潮の支流が紀伊半島の東側にきて、下の図に示されるように、冬季の海水温が高まることにより、海藻が枯れる磯焼けが生じ、これも原因の一つとされています。
和歌山県による浅海定線調査による海水温測定結果について、ネットで入手できたデータについて、2014年、2018年、2020年の熊野灘沖合の水深0mと30mの年平均値を計算した結果を示しています。
0mの表層水温はそれぞれ20.88℃、21.83℃、22.11℃となっており、30m水深ではそれぞれ19.06℃、19.72℃、21.04℃といずれも徐々に高くなっています。。
2014年と2020年の差は、表層で1.23℃、30m層で1.98℃であり、30m層で約2℃高くなっています。
地球温暖化が生態系に影響を及ぼし、漁獲に影響を与えている例ですね。(M.U.)
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