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えんぴつ画家岡本正和さんの「出会いが宝のスケッチ人生」を読んで色々感じるところがありました。

2023年01月29日

昨年2022年7月2日に宇部市多世代ふれあいセンターで行われた「第3回宇部大空襲を知るつどい」において、岡本正和さん、海老名香葉子さんどもども、たいへん興味深い講演をお聴きして、感銘を受けました。

うべっくるブログに紹介してから、何回か「宇部空襲のつどいNews」をお届けいただき、何となく印象がそちらの方にばかり行っておりましたが、この度、えんぴつ画家として、画集を自費出版されていたのが30回になったのを記念して、320頁の本を出版され、 先日、まちなか環境学習館にNews13を届けていただいた際、この本をイベント価格1000円で購入させていただきました。

時間をかけて少しずつ読みましたが、ずいぶん内容のある、また当然多くのスケッチが載せられていて、構成についても工夫をこらされていました。適度にユーモアもありますし、読み応えがありました。

一枚の原画が非常に長い時間をかけて描かれていること、スケッチ対象に一体化するほど集中し、鉛筆は6Hから8Bを分けて使いこなし、色んな制約条件下で、最適の視点から構図を定められることなど、すごいものだと感じさせられます。

「明日のジョー」のちばてつやさん、「釣りキチ三平」の矢口高雄さんらからもプロとしての高い評価を受けておられます(199頁あたり)。

また、小学校教師の時代から日本各地を旅行され、交流の幅を広げられるとともに、古き良き時代の日本の貴重な原風景を描き続けておられます。

そんなこんなで、3,4か所ほど、グーグルマップの旅をしてみました。

まず、昨年7月に海老名香葉子さんのお話を聴いて、以前うべっくるブログ
http://ubekuru.com/blog_view.php?id=5920
で紹介した上野公園の「時忘れじの塔」とも関連して、浅草寺にある母子像を見に行きました。

終戦時、満州からの引き上げで20万人もの人たちが命を落とされたことを忘れず、二度と戦争という過ちを繰り返さないことを祈念して、1967年に建立されました。この像のデザインはちばてつやさんによるものということです(315頁あたり)。

「釣りキチ三平」の矢口高雄さんは、「教科書にマンガを・・・」の夢をかなえられた人でもあるようですが、この方とも密な交流をされたようです(200頁あたり)。

玉井裕志さんは道東の別海町で酪農をしながら、多くの作品を書かれている文学者であり、山田洋次監督の「幸せの黄色いハンカチーフ」に影響を与えた方のようです(190頁あたり)。参考になる情報をネットから引用させていただきました。

次の写真は、「明日への銀河鉄道・わが心の宮沢賢治」の作者、三上満さんの案内で宮沢賢治ゆかりの場所を回られた旅で、書かれた絵の宮守川めがね橋です。

銀河鉄道のイメージにつながったのではないかといわれています(180頁あたり)。

最後になりますが、山田洋次さん一家が満州から引き揚げて、しばらく住まわれた家の絵です。岡本さんのお話では、今は蔵の左側の家は取り壊されてないけれども、蔵の方は残っているということでした(172頁のあたり)。

宇部の市内ですので、これはオンラインではなく実際に自転車で探してみました。近くまで行ってもなかなか見当たらないので、ふれあいセンターの近くではないかといわれ、土曜日ですが、ふれあいセンターが開いていたので、聞いてみると、確かにすぐ近くでした。

ちょうど同じ敷地に住まわれる方が出ておられたので、許可を得て5,6枚の写真を撮らせていただきました。しかし帰って、写真を見ながら考えてみましたが、どうしても、どの場所から描かれたのか、合点がいかなかったので、結局これもGoogle Mapに頼ることになってしまいました。

残された蔵自体もツタに覆われたり、だいぶ傷みが進んでいますが、おそらくこの辺りの角度から描かれたのではないかと思います。

本の全体を通して、もう一つ感じた大きな点として、岡本さんが対人関係を非常に丁寧に大事にされていることでした。「宇部空襲 つどいNews」についても、自分で配れる場所には直接配られ、手紙のやり取りも人脈が多いのでとても手間がかかると思いますが、よくやっておられます。

なお、News 13 によりますと、昨年9月26日に西宇部小学校で6年生に宇部空襲について授業をされ、みんな真剣に聴いてくれたそうです。このような「平和教育」はESDの重要な部分だと思います。 ありがたいことです。  

今回、紹介した図書に関してのお問合せは、岡本正和さん 0836-41-9192 まで    (文責:浮田)

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