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2020年度第5回環境サロンの報告(その2)です。

2021年08月19日

昨年度第5回環境サロンの報告(その2)です。

田澤さんは、商社、大手電機メーカー、化粧品会社、広告代理店等でマーケティング担当等、多彩な経験をお持ちである。

東電の配電線に竹が覆い被さるので伐採が必要だが、結構重い。利用先がない。
住宅の廃屋化を早める。ボランティアで伐採するのに中心になってやっていた人が高齢化で出来なくなると継続性がない。適当に伐採しないとタケノコもダメになる。
尖った竹の廃材が川に流れると河川の生態系にもよくない影響があるなど、色々問題が多い。

竹林の拡大が多いのは西日本だが、一方、昔から竹を事業にしていたところが多い。
意外に知られていないが、山口県は全国で竹林面積が3,4位で、竹林に関する情報、竹林の拡大の現状や所有主までが県レベルで豊富に蓄積されている。しかしあまり地域の人に知られていない。

そんなわけで、事業化が必要であると考えるようになったということである。

防府に竹炭や竹酢液などをつくっていた人たちがいて、連携することがで、その組織をノウハウともども買わせていただいた。

タオルに目を付け、繊維にするのは難しいが、竹成分を調整して、作れるようになった。肌触りがよく、におわない利点があり、好評である。染料も天然のものを使っている。このような製品は土に埋めると3週間で土になる。その上土壌が改良される利点もある。 

中国を含め35か所を訪ねて、よいメーカーのあり方を勉強した。
やはり製造する者の意識を変えなくてはならないと思う。

2016年にエシカルバンブー社を創立した。近江の「三方よし」売り手よし、買い手よし、世間よしの精神で、環境を含むすべてを尊重する姿勢でやっていきたいと考えている。

リスクは高いが、魅力的な組織にしたい。エコをエゴにせず、土から出たものは土にかえす、働きやすい 経験のあるおじいちゃんたち、若い人の雇用、それぞれにふさわしい仕事をしてもらう。コミュニケ―ションの苦手な障がい者も働いてもらっている。
楽しいから、会話する。働いた後ご飯がおいしいなど、いい職場づくりに努めている。

職員の数は21名だが。そのほか地域の人達など入れて31名くらいが関わっている。

佐波川流域にある工場は水もよく、自然災害は少なく、海外への輸出にも比較的恵まれている。

竹に詳しいベテランの方は80代の後半で3人おられるが、経験が豊富で気力もあるが、体力のいる仕事は若い人に、障がい者はきめ細かい仕事に向いている場合もある、お金を稼ぎたい人は契約社員になり、短時間労働で出れる時に出たいという人にはそういう仕事をといった具合。しかし慣れてくると、より多く働くようになるなど。就業支援にもなっている。

製品を扱ってくれる店も今は全国で300くらいになった。

エシカルバンブー社は宇部市の勧めに応じて、2020年に旧小野中学校に竹ラボを開設し、また同じく宇部市に竹繊維工場を設立されたとのことである。

なお、竹ラボに関しては、伝統的な和紙漉きのコーナーも設けられているが、そのほかにも竹だけではなく、小野湖の水を守る会などが手がけているオリーブの利用なども絡ませた方がいいのではないかという意見も聞かれるところである。

また当然田澤さんも言われていたように、山口県産業技術センターや大学等との連携による科学的根拠の追求も重要であると考えられる。

エシカルバンブー社の主製品の一つは、竹炭の灰と水を原料とする、バンブークリアという洗剤である。品質の安定性を保つのが難しく、モウソウチク、マダケ、ハチクなどの割合や、収穫時期によっても異なる。簡単にはできないとのことである。

泡立たないが、竹由来のアルカリ成分が、繊維に浸透して、衣類についた皮脂を吸着してくれる。仕上がりがやんわりしていて、柔軟剤はもちろん不要である。

クロモジのオイル成分を配合したバンブーミストは虫よけスプレーとして有効である。
https://project.nikkeibp.co.jp/mirakoto/atcl/design/h_vol82/

時間がタイトであったので、十分なディスカッションはできず、またこの報告自体、正確を書くところもあると思われるが、田澤さんの企業経営の姿勢や考え方、先達のノウハウを活かし、適材適所に活躍の場を提供するやり方、やっかい者扱いをされている竹を何とか利活用しようとする精神に感動したサロンであった。

同社のますますのご発展を祈念するとともに、お忙しい中、貴重な時間を割いて,お話しいただいた益田、田澤のご両名にあらためて感謝申し上げます。 (文責:浮田)

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