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3月31日、ブンカリス県のNGO SENESTAと宇部環境国際協力協会の間のオンラインセミナーがありました。

2021年04月07日

宇部市とインドネシアリアウ州ブンカリス県との付き合いは12年前にさかのぼります。2008年当時のSyamsurizal県長が、宇部市を訪問され、現松田アイカ理事長とともに当時の藤田市長に会われたのが始まりです。

左下の写真、左側は、現在のKasmarni県長とBagus副県長です。今年の2か月からの新体制のようです。県長は珍しく女性です。あらかじめ撮影された動画で挨拶をされました。副県長は2008年の宇部訪問時に同行された由です。

その後、このNGO「SEMESTA」の呼びかけ人であるラフィアニさんと、もう一人の県職員が山口大学大学院に留学されたのが縁で、2012年度からと、2016年度からそれぞれ3年間、環境基本計画の策定と水道技術改善をテーマにした2回のJICA草の根技術協力事業を実施することになりました。

SEMESTAはSentral Muda Bestari の略記のようですが、環境に焦点を当てた能力開発フォーラムです。今回一連のテーマは「環境保全のための人々の役割と連携」であり、今回は前回第1回の「廃棄物処理」に次いで、2回目です。

ところでブンカリス県のマーク、なかなか味がありますね。

上の写真右側の人物が実行委員長のAde Idra Suhara さん、
右下の写真の人物は司会のElfikriさんだと思います。

右上はネットで2008年に来宇されたShamsurizal元県長のお写真ですが、立派な方のようです。残念ですが、最近の発信はないようです。お元気でしたら、SEMESTAへの助言もお願いしたいところです。

Bagus副県長によるブンカリスノ環境課題に関する講演のスライドの一部です。

3つの大きな課題として、①海岸浸食、②森林・泥炭地火災、③ごみ問題があげられました。

一見、私たちの生活とは関係ないようですが、海岸浸食や森林泥炭地火災は、油ヤシの大規模プランテーションと密接な関係があります。またここでは触れられていませんが、平生使っているコピー紙などはブンカリス県周辺の大規模プランテーションにより、アカシア材を原料として生産されています。熱帯湿地林の開発により貴重な野生生物の生息場が失われていることも忘れてはなりません。

なにより、未開の土地を開発して、自然を破壊しながら、豊かな生活をすることになる人々の「心の問題」を考える必要があると思われます。

ブンカリス県の環境質の評価については、2017年の63.2点から2020年の70.7と直線的に向上しています。この評価指標は右上のスライドに示されるように、水、空気、土地の評価値にそれぞれ0.376、0.405、0.219の重みをかけて求められています。

ADIPURAは、環境林業省が主催する、清潔さと都市環境管理に成功したインドネシアの都市に対する賞であり、ブンカリスは2018年と2019年に2年連続受賞していますが、残念ながら3年連続はならかったようです。3年連続受賞で一段上の受賞につながるようです。

宇部側からは、宇部フロンティア大学の伊藤一統先生の宇部における市民協働の現状と課題についての講演がありました。

ごみ処理にしても、焼却大国である日本のやり方をそのまま学んでくださいという訳にはいかないと思います。市民協働の仕組みについても、高齢化と価値観の変化に伴い、ボランティア組織の持続性が問題になっています。

現在我々が直面しているSDGsの達成はさほど簡単なことではないことを、ブンカリスの人達も、宇部市民も認識したうえで諸課題に取り組んでいく必要があります。

ともあれ、志ある青年達の今後のご活躍を祈念したします。(文責:浮田)


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