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2月22日第15回人づくり・地域づくりフォーラムin山口がセミナーパークで開催されました。

2020年02月23日

2月22日第15回人づくり・地域づくりフォーラムin山口がセミナーパークで開催されました。開会式のオープニングは山口大学アカペラサークルSing a Songの演奏で、コーラスはもとよりドラムや時にはシンバルの音など含めてすべて自前の声で創り出すテクニックは大したものだと思いました。一つ目の「長州男児」は6人全員和服姿でしたが、歌う曲はLiSA「紅蓮華」、SPYAIR 「イマジネーション」のロック調で若干ミスマッチ感がありました。二つ目の「別れ話は」というグループは5名でうち二人は先のグループとの掛け持ちでした。恋の別れの歌がうたわれました。考えてみれば年寄からすると半世紀以上違う世代なの、ついていけないところがあるのは当然です。

実践事例発表はⅠの学校・地域連携を聴きましたが、4つ目の事例は、このフォーラムに当初からかかわっておられる三浦清一郎先生による特別報告がありました。「人生100年自愛の生涯学習~山口大会の15年を振り返る~」というテーマのお話を興味深く聞きました。お話の前半は「変わってしまった女と変わりたくない男(学文社刊)」という著書に関連したものでした。
 この部分については、別途紹介するとして、後半はこの人づくり・地域づくりフォーラムについて、北は北海道から南は沖縄まで、日本中から優れた取り組みを直に聞け、ネットワークを広げることができる稀有なフォーラムであること、非常に多くのボランティアに支えられて、15年の長きにわたり継続されてきたことを高く評価され、山口県が誇るものとして、今後の継続を期待するとされました。実践発表資料としてまとめられた冊子はまた非常に貴重な記録であるともされました。

ひきつづき、実践事例発表Ⅰの学校・地域連携の会場で3題の発表を聴きました。
一つ目は、地元山口県から「再発見そして発信へ ~浅江中CS10年の歩み~」の発表でした。同校のコミュニティースクールは2018年度に10周年を迎え活発な取り組みがなされてきています。初めに東京から平成21年卒業の和泉さん(社会人・東京)と28年の卒業の中田さん(地元高校生)の2人が元気よく登場、後で校内コーディネーターとしての西本先生、地域の校外コーディネーター田村さんも登場され、4人で実に見事な発表がなされました。

まず、地元の紹介や10周年を記念して行われた活動を集約したビデオが放映され、体育館で生徒たちが「ふるさと」を合唱するところで終わりました。きれいなハーモニーで感動しました。

あさなえJネットの組織は、学校運営協議会、企画推進委員会、プロジェクト部会の三層構造からなっています。プロジェクト部会は、心の教育部会、学力向上部会、体力づくり部会の3つが設けられています。
心の教育部会では、無言清掃、学力向上部会ではALT(外国語指導助手)や地域の方と語ろう、体力づくり部会では早朝元気クラブなどが紹介されました。地域の人も一緒に英会話を習うことで、生徒にも刺激になるそうです。地域の人達が、単に教えるという立場のみではなく、生徒たちとともに学ぶこの方式は、また違った意味で、よい効果をもたらすということでしょうか。
それぞれの個別プロジェクトのおいて、何のためにやるのかという、目的・ねらい明確にしていることが、PDCAを回し、取り組みを継続していくために重要なことだと思われます。

あさなえJネットの10年間の歩みが整理されていますが、2009年に文科省のCS調査研究校の指定を受けて、まず組織・運営の仕組みや基本プランが検討されます。
 次に、第2期においては教職員・地域住民が参画して、新しい企画が実践されていきます。2015年に開催された世界スカウトジャンボリーでは外国の若者たちを迎えて対区間で盆踊りが行われ大いに盛り上がったとのことです。ふらっと花活けもやられたそうです。
第3期には生徒会とPTAが参画し、生徒課題や学校課題が取り上げられていきます。
両親が共稼ぎで忙しく、保護者の参画が難しい傾向がありますが、生徒会を企画に参加させることで、保護者の参画も促すことができる効果があるとのことです。
 第4期には、通常の授業(木工、英語、数学、道徳など)にも地域住民や保護者が参画するようになってきたということです。校外コーディネータの田村さんは木工を教えておられるそうです。

右の図は、学校内での教職員のかかわりと企画推進委員会、プロジェクト部会の開催頻度などがまとめられています。

左上にプロジェクト部会別の取り組み内容が示されていますが、地域行事に参加して地域の人達と触れ合ったりボランティア活動をすることで心の教育になるということでしょうか。生徒が参加して、自分たちの問題として考えることでSNSの利用などについても、納得し守りやすいのではないかと思われる。右下の写真は、生徒たちが作った本棚の品質が、どんどん上がってきた例として示されました。
 田村さんのお話では、生徒が変わる瞬間、目が輝くことを見ることがあるとのことです。自己肯定感につながり、それぞれ得意な分野で将来の夢を持つ生徒たちもいるのではないかと推測します。いずれにしても、色々なメニューが挙げられており、地域の人が関われることが、結構多いことがわかります。

生徒の声の一部が紹介されましたが、「木工の楽しさを教えてもらった」、「誰にでも優しく接する大切さを教えてもらった」、など肯定的な感謝の言葉が見られます。

実際、この10年間で、地域行事への参加は34%から80%に増加し、国語や数学の成績も、全国値との差で見て、よくなっている傾向があることが示されています。

・廿日市ではまだ学校運営協議会が未設置だが、最初のスタートはどこが大事かという質問がありました。
→客席におられた浅江中学校の伊藤幸子校長は、やはり校長の姿勢であろうというご意見でした。
指導助言者である、下関市立大学の天野かおり先生は、企画推進委員会に生徒会を参画させ、PTAの協力も引き出すことに効果があったことは注目されること、地域の人も学ばせてもらいながら参加するやり方も評価できるとされました。

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