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最近の文化面の新聞記事2件の紹介です。

2019年07月08日

一つ目は、なぜ原発事故は起きてしまったのかを問う3部作を書いた演出家の谷賢一さんのインタビューを小国綾子さんがまとめたものです。

高校生の時、「本当に安全なのか疑念を抱くようになったが強く反対して来なかった自分の罪悪感が作品のベースにあると言うことである。

「むしろ僕は、誰もがうっすらと悪者だと思う。全員がちょっとずつ積みを持ち合うことで、誰も良心の呵責を感じずに見過ごしてしまったことを描こうとしたんです。」という述懐は非常に印象に残りました。

同じ無関心でも、すこしずつプラスの無関心、すこしずつマイナスの無関心の場合は数が集まれば、プラス、マイナスの大きな圧力になります。日頃何となく感じていることを代弁してくれた気がしました。

3,40代の人達にバブル崩壊は結構大きな影響を与えたんですね。今の高校生達は、小学校時代どんな教育を受けたのかな。

二つ目は、野坂昭如さんの「火垂るの墓」にまつわって、学生時代に聴いた講演の中で、印象に残っていることを紹介されている。

野坂さんが11歳の時に太平洋戦争が始まった。14歳の時石油がなくなり、15歳の時空襲が激しくなったが、まだ戦争をしているという感覚はなかったという。

ところが6月に神戸大空襲で焼け野原になり、数ヶ月後に妹が死んだ。「戦争というのは、始まっていても気づかない。気づいたときには大切な肉親が死んでいるのです。」

もうすこし早く生まれていれば、自分が戦場に行っていたかもしれません。
二つの記事、ある意味、よく似た話ですね。

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