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6月8日、宇部志立市民大学環境・アート学部第3回、マルクレールさんの講義「現代メディアと国際社会」を参観しました。
2019年06月08日
マルクレールさんは、高校生の時にドイツの地方の新聞記者のバイトをしてジャーナリストになりたいと思ったそうです。外国にも興味があり、外国語も勉強したが、ラテン系の語学では差別化できないことから、アラビア語、中国語、日本語などを考えた。当時石森章太郎の漫画でデトロイトにおける日本車のぶちこわしを見て、メディアのステレオタイプ性があるのではないか、日本がそんなに悪いのか自分で確認するために、九州など3ヶ月ほどヒッチハイクをした。それから日本に興味を持て留学するようになったそうです。
博士論文は日本の苫小牧から宮古島までの同日の新聞を比較分析した内容であるということ。山口大学には1993年4月に赴任され、現在山口大学国際総合科学部長である。
講義の中では、世界で初めて録音されたエジソン自身の声や、初期のテレビの生放送の映像、さらには最後、IOTの実例として Ok! Google を実際に使って見せたり、して受講生の興味を惹かれました。
元々マスメディアには、宗教面や政治面での権力側の検閲がつきものであり、主に経済面の情報が主体を構成する傾向があったそうです。
新しいメディアが出現すると、それを始められるのは経済力のある権力者であり、利用する人にとってもステータスシンボルの要素がある。
神の力が、人間の力に代わられるようになり、産業革命によるものづくりと消費のための教育やマスメディアの役割が大きくなった。第二次世界大戦後、民主国家においては政治的な内容の検閲も小さくなった。
現在はインターネットの普及により、メディアを取り巻く状況は大きく変わりつつある。
インターネットは個人メディアか、マスメディアか、といえば、どちらの要素もある。
インターネットの特徴としては
長所:
・マルチメディア、・対話性もある、・誰でも送信者になれる
短所:
・インフラ提供者(サービスプロバイダー等)への依存、・高い匿名性が低い信頼性につながる、・自分がゲートキーパーにならなければならない
リテラシーとして、
・送信する前に、この情報を、このときに、このメディアに、この形で送信・掲載すべきかをチェックする必要がある。
お酒に酔っているときにはやらない方がいい。名誉毀損の加害者になる場合もある。
トランプさんのツィッターで世界が影響を受けるような状況についてどう思うかという
質問に対しては、現実として受け止め、それにどう対処するか大事であって、みんなが積極的に対応しなくてはならないのではないかというお答えであった。
教育が産業革命型のやりかたから抜け切れていないというお話だったが、もう少し説明してほしいという質問については、TEDスピーチの中でアクセス数が多い教育学者Sir Ken Robinsonの話を紹介された。
https://www.ted.com/talks/ken_robinson_says_schools_kill_creativity/transcript?language=ja#t-40145
視聴してみるとなかなか参考になります。今は世界変革の時代で、これまでの産業に有用な能力を主体に評価する教育は、こども達が本来持っている、失敗をおそれない創造性を奪っている。これからの時代、子どもの創造性に期待しなくてはならないと結んでいます。
国際総合科学部の教育方針として、これからのAI時代に対応できるよう、グローバルな視点、創造性、そのためのツールを身につけることを意識している。つまり、種々の分野の専門家を動員して、問題解決に当たれるようなコーディネーターに育ってほしいとということであった。
終了後、個人的に、日本のマスコミは最近権力に従順すぎるのではないか。真実が伝わっていないのではないか、と訊いてみたところ、やはり自分でそれぞれ努力して、必要な情報を知る努力が大切だと思うと言われた。若い人達がニュースにあまり関心を示さないのも問題だと思うということだった。
参観させていただいて、ESDに関連した内容でもあり、とてもいい勉強になりました。環境・アート学部にぴったりの講義だと思います。
印象に残った所だけ雑なメモをピックアップしたので、誤解もあるかもしれませんが、紹介させていただきました。 (文責:浮田)
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