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11月17日開催された第15回レスポンシブルケア地域対話集会の報告です。
2018年11月19日
11月17日午後、第15回レスポンシブルケア地域対話集会が、テクノUMGの担当で、岬ふれあいセンターで開催されました。
市民側からは香川高校、山口大学山口キャンパスからの学生さん達を含め23名が参加しました。
対話集会に先立って、希望者を対象に12時半からUMGの工場見学がありました。
大規模な蓄熱式燃焼方式の臭気除去装置と、専用バースのオイルフェンス展張機
を見せていただいた。
工場内はきれいに整備され、一昔前の独特の臭気もほとんど感じられなかった。
専用桟橋近くではチヌもよく釣れるとか、時にはスナメリの姿も見かけるとのこと。
対話集会での会社側の説明では、工場を人間の身体にたとえた図で、減量、廃棄物の流れを説明された。
また右下の図では臭気除去装置の設置や貯留槽のインナーフロートやベーパーリターンの対策によるVOC除去の実績が示されている。
セントラル硝子の説明の中では、ソーダ灰工程廃止のためボイラーの小型化と燃料中S分低下により大気汚染項目が改善されたこと、装置の撤去に伴う排水中のN分の排出量がしばらく増える傾向があることなど印象に残った。
また、医薬品原料から発生するフッ酸廃液を石灰で中和して生成した汚泥を廃棄していたが、2014年、これを蛍石として、資源化することで年間約2千トンの汚泥を削減した成功例が紹介された。
左下の図では、後の参加者からの意見として、経年変化とともに、規制値や協定値との比較ができるように工夫してほしいとの注文があった。
他の会社の説明については、藤曲工場のPRTRで、原料の石油コークス由来の残渣については、セメント原料にリサイクルされていること、定期点検時に冷媒ガスのロスがあることなど印象に残った。
続いて、日本化学工業協会の木下さんからレスポンシブルケアRCの説明があった。
化学品の開発・製造・物流・使用・廃棄リサイクルにいたるライフサイクルにおいて自主的に環境・健康・安全を確保し、その成果を公表し対話・コミュニケーションを行う自主活動をいい、社会との対話を重視しているとされた。
このような地域対話は全国14カ所で開催されているそうである。
最後に宇部市の岡さんより宇部方式の歴史や、環境保全協定(32社)、細目協定(14社)の説明があり、立ち入り調査等の頻度についての質問には、概ね赤字で示したような状況であるとされた。
それぞれの説明の後、質問がいくつか出された。
宇部市が細目協定で、温暖化ガスの削減や、廃棄物の排出削減目標を上げていることもあり、事業系一般廃棄物の分別、リサイクルや、産廃プラの処理についての話題もあった。
なお、事前の質問には配付資料の中で、各社からそれぞれ概ね適切に答えられていた。
その後2班に分けてグループ討議が行われた。それぞれ割に活発な意見が出たようである。
第2Gでは、PRTRでかなりの量が大気に排出されている化学物質があるが、健康上、問題ないのかという質問には、一応、化学物質の分解性なども調べられた上で、危険性があれば、使用禁止など、より厳しい措置がとられるので、そう心配要らないとのこと。
市外から来た人はやはり臭いを感じるという人がいるが、だいじょうぶなのかといった意見もあった。工場内の人間はやはり臭いに慣れてしまうので、外からのそういった意見を聞いて、対応するという意味でも地域対話は意味があるなどの議論があった。
総括討議では、もっと地元の人たちの出席があった方がよいとか、より若い子育て世代の方の参加があった方がいいのではないかといった意見は、市民サイドとの仲介役として、十分その任が果たせていないことを反省した。
最後に市民側として感想が求められ、上記の点についての言い訳が先立って申し訳なかったが、だいたい工場由来の環境もずいぶん改善が進み、市民の関心が、地震津波といった防災面な別として、昔に比べて低下していることは否めない。
やはり今後は製品アセスや温暖化のようなこれまでとは異なる見方で考え直していく必要があると思われた。その意味でも、化学工場のみではなく、発電所、セメント工場、鉄工所等の他業種を含めたこのような地域対話の方向性を目指す必要があるように思われた。
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