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東日本大震災と福島原発事故が起きた2011年の夏に発刊された、別冊太陽「空海」の、梅原猛先生の巻頭言、色々同感することが多いです。

2017年08月17日

東日本大震災と福島原発事故が起きた2011年の夏に発刊された、別冊太陽「空海」の、梅原猛先生の巻頭言、色々同感することが多いです。

本文にもありますが、現世否定的な仏教の中にあって、空海は「十住心論」の中で人間精神の発展段階として、まず自分を確立したのち、大乗の利他精神に則り、世のために働き、そして最終的には何事にもこだわらない自由な境地に達するという、現代でも十分通用する教えを説いています。

西洋文明と、経済至上主義で、謙虚さを失った我々の考え方を変えなければという意見です。

空海と同時代の最澄とその後継者の「草木国土悉皆成仏」という考え方も、人間本位の西洋文明を是正するために、重要なポイントです。

葬式仏教と揶揄される日本仏教の退廃ぶりは、今や持続可能な社会構築のために、世界から新しい哲学として期待されるのと対照的であり、大変残念なことです。

仏教の退廃の原因は、1)江戸時代の檀家仏教 2)明治維新に伴う神仏分離、廃仏棄釈 3)肉食妻帯の自由 にあり、中でも3)がもっとも大きな原因ではないかと思います。1)の中身については、今まで明確に意識していませんでした。たしかに言われてみればその通りでしょうね。

 もともと、西洋哲学からスタートされた梅原先生にして、東日本大震災を契機にして、自信を持って、西洋哲学からの脱却の必要性を宣言されています。

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