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水素燃料電池船

2015年08月09日

 水素を燃料とする燃料電池自動車が一般に販売され始めてしばらく経過するが、ここにきてこの燃料電池を使った船の試験のニュースが流れてきた。

 それによりますと、戸田建設を代表に、ヤマハ発動機や岩谷産業、長崎総合科学大学など11者が協力し、環境省の実証事業として開発した水素で動く燃料電池船の完成式を先日、長崎県五島市で開いたそうです。

 船は全長12.5mの小型船に水素タンクと、水素と空気中の酸素で電気を作る燃料電池、スクリューを回すモーターなどを積んだもので最高速度は20ノットで、1回の水素充填により2時間航行できるとのこと。

 将来的には小型漁船としての展開を想定しているそうです。

 今回公表された水素燃料電池船です。(日刊建設工業新聞 2015年08月06日1面より)

 そして2020年東京オリンピックに向けて水素燃料電池を使った車、バス、水上運搬船などいろいろ考えられているようです。

 しかし、一番のネックは可燃性のガスを高圧で貯蔵し、携行しなければならないということ。

 そんなことで、これからの水素社会の構築のための方策の一つにその安全性を周知することも盛り込まれているようです。

 しかし、われわれ歳をとったものにとっては水素ガスと言えば怖いものといったイメージが強い。

 その一例が、かつてよく映像などで見たことのあるヒンデンブルク号爆発事件です。

 ヒンデンブルク号はヒットラー時代のドイツが誇った巨大飛行船で浮力を出すために船体内に水素を詰めていた。

 そのヒンデンブルク号が1937年5月6日に大西洋横断後アメリカ合衆国ニュージャージー州レイクハースト海軍飛行場に到着し、まさに係留しようとした際に尾翼付近から爆発し、炎上しながら墜落した。

 そしてこの事故で乗員・乗客97人中35人と地上の作業員1名が死亡した。

 この事故をきっかけに飛行船時代は急速に幕を下ろした。

 是非新しい水素社会ではこのような悲劇が起こらないような防災措置を最優先で進めてもらいたいものです。(P)

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