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第2回環境サロン「宇部市におけるコミュニティ・スクール」2015.7.23の報告です。

2015年08月03日

 遅くなりましたが、先々週に行われた環境サロンの概要をまとめました。今回も動画の収録が後半の議論の部分だけになってしまいましたので、前回に引き続き、かなり詳しいめの報告になっています。講師を含め、全員で30名の参加がありました。

 H27年度第2回環境サロン「地域とともにある学校づくり ~宇部市のコミュニティースクール~」今鶴勇二さん

司会: 今回はこの三月まで上宇部小学校の校長先生をしておられた今鶴勇二先生に、宇部市におけるコミュニティースクールの現状と課題についてお話ししていただきます。
 宇部市の市政情報出前講座を利用させていただき、お願いしたものです。

 今年度から、教育委員会でコミュニティースクールコンダクターの仕事をしている。学校運営協議会が設けられている学校をコミュニティースクール(以下CS)という。
 今日も先ほど5時まで、北部の学校の運営協議会に伺ったが、来週始まる世界ジャンボリーへの受入協力の相談を熱心にされていた。
 今日は、昨年度に引き続きのテーマということで、今回、話してもらいたい内容として、
・学校が地域に期待すること
・支援する側に求められる素質
・市内各学校のCSの実践例 と聞いている。私の把握している範囲でこれらを中心にお話しする。

 近年、子どもを取り巻く状況は、家族(核家族・貧困家庭)、地域(近所関係の希薄化)、情報化(携帯・スマホ普及)など、さまざまな課題があり、学校、家庭、地域がそれぞれの役割を果たしながら、社会総掛かりで課題解決に当たることが求められている。

 宇部市の教育振興基本計画の中で重点項目として、CSの推進があげられている。保護者・地域住民が連携して、学校運営に適切に参画し、地域とともにある信頼される学校づくりを推進することになっている。
 同じく重点項目として、うべ協育ネット推進事業があるが、、学校、家庭、地域が連携して、幼稚園から小、中学校、高校、公民館、地域の団体などとつながって、中学校校区を単位として、地域ぐるみで、こども達の育ちを支えようとするものである。

 国の「学校運営の改善の在り方に関する調査研究協力者会議」でまとめられたCSの効果として、以下のようなものが上げられている。
・子どもにとって:地域の人達のもつ経験や専門性を活かして、学びの充実、豊かな心の育成が図られ、地域への愛着が増す。
・学校の先生にとって:地域の人達に学校の応援団になってもらい、風通しのいい学校づくりができる。
・保護者にとって:学校や地域への理解が深まる、子どもが地域の中で育てられているという安心感がある。
・地域住民にとって:こども達とのふれあいを通して、これまでの経験を生かし、自己有用感・生きがいにつながる、また、学校で集うことで、地域のよりどころになる。

 公立の小中学校でのCSはH27年4月の時点で、全国で2271校で組織率7.6%、山口県で407校で90.2%、宇部市ではH25年度までに37校で100%である。山口県では非常に進んでいることがわかる。全国の組織率はまだ低いが、3年前に比べると倍増。先の国の協力者会議の低減はH24年からH28年の5年間で全国で1割にする目標がある。


 コミュニティースクールの3つの機能として、
①学校支援(学習支援・環境整備・安全確保)
②学校運営(学校課題の解決・学校運営基本方針の承認・人材育成)
③地域貢献(学校を核とした人づくり・地域づくり) がある。
 学校運営協議会は年間3~8回開催される。学校からの報告に対して意見を反映させる。

①学校支援の具体的内容としては、
 まず学習支援、低学年のクラスに補助に入る、家庭科の(縫い物や調理実習)の支援補助、地域の研究会(里海の会や郷土史研究会など)と連携して、総合的学習の時間に勉強する。放課後・昼休みの補習の支援 教材印刷手伝いをして下さることもある。昔の遊び集会、それからよくあるのが読み聞かせ。
 環境整備については、CSの環境部会で定期的な校内の環境整備(植木・除草・花壇・廊下やトイレへ生け花など)
 安全確保については、見守り活動、東北大震災以降は合同避難訓練も多くなっている。 
②学校運営については 
 学校運営の基本方針の承認や、学校の課題に対する意見のほか、授業参観の気づきをいただいていいる。教職員の研修会に、地域の人達、運営協議会の委員、幼稚園の先生などが参加している学校もある。
③地域貢献については、学び合う、双方向を目指す。たとえば、敬老大会で学習成果を発表する。夏祭りなど地域行事へ参加する(中学生が運営に参加することもある)。そのほか、部活後に地域清掃活動をするなど。
 日常的な施設開放として、空き教室があればコミスクルームとし、日常的に集い、コミュニケーションの場としてもらうこともできる。

学校での取組の例をいくつか紹介すると、
・農作業への参加 ジャンボカボチャの栽培
・土曜日の午後、楽しく学ぶ。PTA、校区内の各団体、大学・高専、学校の教職員が参加
・伝統を受け継ぐ(紙漉による卒業証書作成)
・海岸清掃(東岐波里海再生の会)稚貝いを播いて8月の始め世界ジャンボリのこども達と潮干狩りをする計画
・学校を美しく、まちを美しくする活動
・ある中学校で、紙芝居を見る活動もある。

CSの充実のために重要な点として、
・学校運営協議会で熟議する
・中学校校区単位で協育ネットとして連携(拡大学校運営協議会・合同学校運営協議会)・来校者を増やす  参画
・地域貢献のあり方 双方向

 今年度、県では、やまぐち型地域連携教育推進事業を展開している。宇部市では6中学校区15校にその推進をお願いしている(東岐波・上宇部・厚東・小野・川上・黒石中学校)。中学校区内の学校が共通のテーマで、共通の取組事項を決めて実践し、その評価を次の学期に生かすという取組を行っている。

「まなび-や」の活動では、
 上宇部校区で、「上うべ学び舎」の事業として、公開講座10回シリーズが今年度実施されている。キャッチフレーズとして、「私がかわる 明日が変わる 地域が変わる」とされ、会場は小学校、中学校区、ふれあいセンター 
 勇気と感動を与える言葉、数学に関わること、認知症、法律の話とか多岐にわたる。地域からもさまざまな講師、整骨院の先生、市役所職員、司法書士、小中学校の先生、高専の先生、など。
 パンフレットには、「まなびーやは、ふれあいセンターを拠点に、多世代がともに高めあうみんなの学舎。校区全体を学びのフィールドとして、社会参加のきっかけづくりを推進する。・・・・こども達も一緒に遊びや学びを体感する講座もある。」と書いてある。

 先に紹介した国の学校運営の改善の在り方に関する調査研究協力者会議の報告で、「学校と地域の関係を捉えていく上で大切なことは、学校が子どもの学びの場にとどまらず、大人の学びの場でもあり、地域づくりの核にもなる。学校を拠点として地域の人々がつながることは、地域のきずなをつなぎ、地域の未来をつなぐことになる。」と書かれている。
 学校が施設や場所を開放して、地域の人が集い、つながって学び合う場になることは大切なことである。

質疑:
○昨年のお話からは随分大きく進歩していると感じた。校区でコーディネーター役をやっておられる方がすでにもうかなりおられるような印象も持った。
→ そういってもらえるとうれしいが、学校によってはまだ円滑に進んでいないところもある。
○まなびーやの取組は今年度進行中ということですね。
→ ふれあいセンターの方が中心になって非常に熱心に進められた。

○宇部市のCS推進校15校の選び方は
→ 県の指定だが、学校の方へどうだろうかと呼びかけてお願いした。3年間の事業だが、他校にもお願いすることになると思う。

○CSの指定校というのは?
→ 平成20年厚東小学校が国からCS導入推進の研究指定校になっている。
 CS指定は学校運営協議会を設けている学校で、市の教育委員会が行う。平成25年度から公立の全小中学校がCSとなった。

○中学校2つ、小学校1つの3つの学校運営協議会に関わっている。地域との連携の点では、小学校に比べると、中学校は取り組みにくいのではないか。中学校は学校運営に重点があるのか。その面では、学校の教育方針、基本方針への地域住民の反映はそう簡単ではないという印象。承認するだけになる傾向がある。工夫が必要ではないか。
→ 小学校の活動には関わりやすいが、中学校には入りにくいと言う声は聞いたことがある。中学校は地域に関わって欲しいという気持ちは強い。先ほどの事例紹介でも廊下に華を生けるなど、中学校のケースも多く、増えてきている。
 年度初めの学校運営協議会で、運営方針を説明し、承認をしていただく。委員から出された意見については、今後の運営に生かしていく。委員には当然守秘義務がある。

○琴芝連合自治会の副会長をしているが、CS運営協議会の推進プロジェクトの会議で、きずな部会、まなび部会、こころとからだ部会など環境部会での環境実施項目は、学校内の環境整備だけで物足りない印象がある。環境衛生連合会で全市一斉で、3~4回程度空き缶拾いの清掃活動を企画しているが、環境意識向上や、地域とのつながりにもなり、日曜日なので、学校の生徒さんにも参加してもらえるように学校から呼びかけていただけないか。琴芝小学校では前向きの理解してもらっている。8月の琴芝クリーン作戦のチラシを自治会環境部長、小学校長、市子連の連名で、小学校ご父兄に配布していただく予定。
もう一点。CS運営協議会の活動報告を教育委員会主催でやられたらいいのでは。
→ すでにやっている校区もあるが、よいご提案なので、活かしていきたい。
報告会については昨年度から、年1回そういう機会を設けている。市民にもオープンである。

○昨年に比べてすごくCSが進んでいるという印象を自分ももった。昨年5月の第1回の環境サロンではCSは緒に就いたばかり、昨年11月に桃山中学の福田先生に話してもらったとき、コーディネータが不足しているといわれた。また、今年の1月に岡山の池田さんに話してもらったとき、来られていた教育長から、山口県は全国的に見て、学力不足の傾向があることから、CSにおいてもどうしても学力支援ということに関心が行きがちであるといったコメントがあった。これらの問題にどう対応し、どう解決されたのか.
→ コーディネータの存在は重要であり、現状でもう十分ということではない。
 同時に、学校側にも、地域の情報に通じる校内コーディネーター役も重要であると考えている。この学校では以前は、教頭がその役割を果たしていた。域連携部、学習支援部、環境美化部、健康安全部の各部ごとに校内の担当者がいる。そのほかに地域として、各部の部長さんがいる。
 また、CSの活動は学力だけに特化していたわけではい。こども達のこころを豊かにするようなことも大事だと思っている。

○学校によって、CSがうまく行われいるところと、そうでないところの差があるのではないかと思うが、あるとすればその原因は何だと考えられているか。
→ 差がないとはいえない。うまくいっているところもあるし、あまり思うようにすすんでいないところもある。活発なコーディネータがおられるところもあれば、不十分なところもあるだろう。ただ、どの学校も一生懸命、取り組んでもらっている。

C:現場の教師として、昨年度から学校内で地域と学校を繋ぐ役割をしている。昨年1年間やって、実際はコミュニティースクールとは何かを理解できたと言うところ。昨年度末から、CSは双方向でなくてはと思い、学校が地域に何ができるかを考えた。
 昨年度の経験では、学校の先生方以外の地域の人達との繋がりができた。地域の交流が広がり、どのように人材を捜すかという方法もかなり分かるようになってきた。
 4,5月に運営協議会で、あるいは各部会で議論するとき、地域連携支援の担当では、朝の見守り活動で、こんな子どもがいるよ、というような情報をいただいたり、非常にスムーズにそのまま1時間目が始まるまでの間、校内を巡回していただけることにもなったケースもある。
 また、ある学年で国際理解をやりたいが、地域のことをまず知らないといけないということで、相応しい話ができる人にお願いしたり、つい最近まで、みなコミュニティースクールってなんじゃろうという感じだろうと思うが、この3,4ケ月の間に自分でもいろいろな展開が見られるようになってきたことを実感している。
 みなはじめは手探り状態で、学校により温度差はあると思うが、東京と比べると、このあたりは地域社会があるので、まだやりやすい。こういう場にも出かけていって地域の状況を知ることもいい。
 もう少々、長い目でみてほしい。段々に宇部全体に拡がっていけばいいと今日改めて思った。先生が余裕がある、ないのはさほど関係ないかもしれない。忙しくても、面白さを感じて活動する人が一人でも、増えてくるといいと思う。
 私自身、こちらに戻ってきたときに、昔薫陶をうけた、当時PTAでばんばんやっておられた方が、地域のまとめ役をやっておられて、恩返しをしたいという気持ちもあった。

C:学校から、地域に望むことは何かといえば、元気な子どもが育ってくれること。
学校の先生がこういう場に出てくれて、こういう話し合いがもてる場になるとありがたい。

○さきほどのお話では 山口県は全国のCSの1/5以上占めているが、何故か。
→ 山口県の「地域とともにある学校に」という強い思いがあるのではないか。

C(渡辺課長補佐);文科省の指定は、CSの研究をするという研究指定校の意味である。 宇部市では、教育委員会が平成25年以降全小中岳校をCSとして指定した。活動費として、昨年度までは一律、1万円/校の予算を配分した。少しずつ増やそうという姿勢だが、今年はインセンティブ方式で、申請によって、2~4万円/校で配分するようにしている。

○出前講座のメニューの中でにある、うべシニア生きがい創生ネットのグループは、昨年にきっちりしたカリキュラムを作成し、教育委員会にも提出されている。われわれの方は少し出遅れていて、学校の中に取り込まれないと思われるので、さしずめ学童保育や、あるいは環境衛生連合会支部の協力していただいて、校区に出張する可能性を考えている。

C(北見):高齢者支援事業がきっかけで、当初は地域のニーズを差がしてきてコミュニティービジネスの可能性を考えるということからスタートしたが、学校支援を考えることになり、小羽山校区では子ども委員会があり、地域を活性化できないか、放課後子ども教室にエントリして、今年4月から活動を開始している。
 従来、放課後子ども教室は遊び中心だったが、学びや道徳面も含めてやっていきたいということを教育長にも伝え、受け入れられている。 現在、30人くらいいるが、水曜あるいは木曜の週1回、夏休みは土曜日にやる。
 水曜日の午後、3時間で、4年生から6年生を対象にして、まず、宿題をやらせてから、道徳10分、英会話45分、その後、総合的学習として自然環境などをやる。これから夏休みについては、ふれあい体験などをやっていきたい。
中学校でやった例としては、面接の模擬体験で面接官をやったり、また職業体験を話したりしている。

C:総合支援学校にいるが、その前は教育委員会の学校安心室にいた。勉強ができない子が問題を起こすこともあったが、小学校から中学校まで勉強を教えている先生もいる。ふれあいセンターで続けていられると思う。その中から京都大学に入った子どももいる。

○学童保育にしても、放課後こども教室にしても、生徒全員が対象ではない。できれば学校教育の中で生徒全員が受けられるような体制が望ましいと考えている。
 それと、支援する側の教える技術だとか、レベルに対するなにか、要望や制限はないでしょうか。
→ レベルなどで、問題を感じたことは今までのところはあまりない。
とにかく学校に来ていただいて、こども達を見ていただくだけですごくありがたい。
 とくに、地域の知識などについては、地域の人達からわれわれは学ぶ立場である。
 こども達で、挨拶ができない子も多い、と言うご意見があったが、

○上から、学びあい、コミュニティースクールやれと言われて、たいへんだ。先生が忙しいという話は10年以上聞き続けている。学校の中から課題が解決されないならば、地域が外から支援をして、解決する余地があるのではと思う。
→ 大切な視点だなと思う。さきほど礼儀の話が出たが、学習規律は学校で、躾けは家庭でとか、学校がやることは学校で、地域でやることは地域で、家庭でやることは家庭でということが基本ではあるが、学校の課題解決を地域が支援してもらうというのはありがたい。

C(伊藤):藤山小学校の運営協議会の会長をしている。
 CSの指定についての説明はすこしわかりにくい。もう少し整理された方がいい。研究指定校とCSになると言うことは別物である。
 CSは特定の課題解決の手段ではないのではないか。元々、地域と学校は一体のものであるはず。子どもは、家庭、地域、学校に身を置いて生活している。子どもの教育を地域が学校にすべて依存するというのもよくない。もう一度、みんなど学校を考えるという全部が連携してすすめるということがだいじ。
 CSでは、学校をよくするというより、地域をよくするというねらいも大きい。
 学校評議員制度がもともとあったが、意見の言い放し、聞き放しになりがちで、その反省から、責任も持たせて、実を上げていこうとするのが学校運営協議会である。
 それから、地域差という点では、たとえば、厚東小学校には、厚東校区の地域性があり、規模等により、当然地域差もあることも理解すべきである。

司会:今回のサロンでは、予想外に実りのある議論ができました。現場の先生のお話を聴くことができ、われわれにとってもCSをより身近に感じられるようになり、これから先の希望が少しもてた気がします。これからも議論を続けて行きたいと思います。

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