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里山の保全と再生 第8回「東岐波海岸における里海再生の取り組み」寿恵村泰生さん(東岐波里海再生の会)2015年3月5日

2015年03月06日

 寿恵村さんは長く徳山高専の数学の先生をされた後、宇部に帰られ、故郷の東岐波の海は、昔アサリやエビやカニなど非常に豊かな海だったのに、久しぶりに帰って、魚がほとんど獲れなくなっていることに驚かれた。なんとか再生できないかと思い、自治会のメンバーを10名ほど集めて、取り組み始めた。川と海の関係に着目して、川の清掃、海岸のごみ拾いを毎年やるようになった。また県漁協に相談し、アサリの稚貝と、漁網を提供してもらい、アサリを育てることもはじめた。そのうち、当時、里山に対応して、里海という言葉を聞くようになり、平20年7月に「東岐波里海の会」を設立、県に相談して、椹野川河口干潟でのとりくみについて、東岐波中学校で講演を聴く機会をもったとのこと。
 地域活性化センターのデータベースによると、「浮田先生に広報(ひがしきわ7月号)に「豊かな里海を取り戻すために」という記事を書いていただき、続いて、7月17日、中学校体育館で先生による講演会を開催(中学生145名、一般50名参加)。8月29日、実行委員会(11名)を選び、委員会を開催し今後の取り組みについて話し合う。会員50名で「豊かな里海を取り戻す会」を立ち上げる・・。」とある。
http://www.chiiki-dukuri-hyakka.or.jp/cgi-bin/profile/data.cgi?number=5293
里海の再生の会の主な活動は、美しい海、豊かな海、親しめる海をつくることであり、それぞれ、子ども達の環境学習(26年度~)、アサリの復活(19年度~)、海岸への松の植林(24年度~)が対応する。会のメンバーは平均年齢70歳を超えているので、子ども達の力を借りたい気持ちもあり、コミュニティースクールの一環として、東岐波小中学校と連携しているとのこと。小学校は総合学習の時間、中学校はクラブ活動の時間を割いてもらっている。
動画はhttps://www.youtube.com/watch?v=B5lQyh9Us7Q で視聴できます。

また、このような活動には資金が必要であるので、県や市にも相談して、7,8年毎年、色々なところに助成金を申請している。海岸植樹については、山への植樹より全体的に珍しく、美祢農林が白土の海岸に植樹されたことを聞き、翌年に、月崎海岸に50本アカマツ、マサキを植えた。次の年にはユニクロ関連の「瀬戸内オリーブ基金」からも助成を受け、今日来られている戸坂造園と一緒に、小中学校とも連携して300本の植樹を行った。今年は海岸中央部に100本の植樹を予定している。
もともと、日本の海岸林のほとんどが乾燥や潮風につよいクロマツが主体で、主に江戸時代に植えられた。海岸林が立派になってくると、魚があつまり、魚付き林といわれる。 しかし現在は、ほとんどコンクリートの護岸がつくられ、防災の役割は果たすものの、海底の湧水につながる陸上からの地下水がせき止められ、海底湧水は減ってきた。そのために干潟の生態系にも影響を与えることになってきた。東岐波海岸も干潟の後ろは、ほとんどコンクリート岸壁になっている。月崎のあたりだけもとのままである。昔は入漁料を払い、竹を立てて、網を取り付け、満潮の時に建てておき、潮が引くと魚が網に残る、建て干し網があった。いまは獲れなくなっている。
 また昔は、海にカモメやカモなど色んな鳥が多く見られたが、今はすくなくなりカラスが目立つ、
 白砂青松の海岸は風光明媚だけではなく、海底湧水を増やし、干潟の再生にも一役買っている。一昨年、富士山が三保の松原を含めて、世界遺産登録されたのは、美しさだけではなく、松原を通して海が豊かなことを外国の審査員に指摘されたことによるとのこと。
先日の読売新聞で、東日本大震災の津波で陸前高田市にある小友浦の干拓堤防(高さ約6m、全長491m)が全滅し、依頼、海の生き物が戻りつつあり、200m陸側に後退させて干潟の一部を再生させる計画がすすんでいること。また、奇跡の一本松で知られる、守る会が7千本の松の苗樹を育てていて、2017年から海岸植樹を行う予定との記事を紹介された。

 今年の夏に阿知須で、世界ボーイスカウトジャンボリーがある。われわれも東岐波小中学校と一緒に、8月4日にアサリの潮干狩を実施して参画する予定である。このため例年より多い、5面のアサリの養殖用の網を設置し、この3月21日にアサリの放流をする予定である。
 また、ジャンボリーを機会に、最近海よりも山に人々の関心が行っているようだが、海岸のすばらしい景色を活かすため、サイクリング大会を企画している。常盤、床波、白土、丸尾、岐波、日の山、きらら浜のコースで、毎年継続してやりたいと考えている。これには床波漁協、丸尾漁協も賛同してくれ、海産物を提供してくれるという話になっている。

 自分は東岐波小学校のコミュニティースクール運営協議会の会長をしている。メンバーは自治会、PTA、子ども会、交通安全関係、郷土誌研究、(NPO)Goppo、公民館や、学校側は校長、教頭、教務主任である。月1回程度は開催されている。事務局は小学校で、教育委員会からも要請して、オブザーバーとしてもらっている。
 先日宇部市全体の会合があったが、全体的にはまだ具体的な活動は行われていないようだった。 高齢化・人口減少のなかで、伝統の協同の精神で忙しい学校を地域が支えていくことが重要で、教育委員会も東岐波・西岐波で担当が1人おられ、学校現場に月1回以上見に来られるようになっている。

 このような活動に取り組んでよかった点として、こども達に郷土を愛する心が芽生えてきたこと、世話をしている自分たちにも「お世話になりました。」と、言ってくれたり、また工学部の山本浩一さんの話を聴いて、非常に興味を持つこども達もいる。運悪く翌日は雨で現場作業が流れたが、アサリ用の網の補修を手伝ってくれる中学生もいる。

 今後の課題は、海岸林のさらなる拡大、アサリの放流の拡大と手法の模索、小中学校に対する環境学習の推進とのことであった。コミュニティースクk-ルにも力を入れ、次世代にバトンタッチをしていきたい。
マナーの悪い親に育てられるこども達も多く、その親たちを教育したのがわれわれの世代であるので、社会教育も含め、がんばらなければと考えているとされた。

(質疑応答)
Q:先駆的な取組だが、苦労された点はどんなところか?
A:徳山と宇部と較べると、市民のものの考え方が少し違うということ。極端に言うと、徳山では、まずみんなのことを考え、次に自分のことを考えるところがあったが、宇部はその逆の傾向があるように感じた。学校の先生も、県内各地を経験された校長や教頭先生は別として、ずっと宇部勤務の方はそんな感じの方が多いような気がする。
C:自分も外から移ってきた者だが、宇部はすみよいところだが、保守的で、新しいものに対する抵抗が大きく、新しい事業をを始めるのはむずかしいところだと感じている。

Q:最後の写真はきれいだが、山の名は、またどこから撮られたものか。
A:山は、日の山125m、その下の細長いところが月崎、山口宇部医療センターから撮ったもの。

Q:どのような形で学校の授業等に組み込まれているのか?
A:小学校は総合学習の時間、中学校はクラブ活動の時間を割いてもらっている。小学校は5クラス全員140名が行事に参加する。3月21日(土)のアサリの放流も中学校の応援が得られる予定。
C:地域と学校の協働は、精力的に働きかけないとむずかしい。学校はスケジュールが満杯だ。
 先ほどの地域特性については、周南は大通りに大きな楠を残している。これは市民の理解があるからで、市民がクレームをつけて、行政がそれをすぐ受け入れるようでは緑を大切にしなくなる。宇部は周南と較べて緑に対する意識も違うように思う。
・予算の関係で剪定費用を負担できないということもある。地域のクレームに対して行政が説得する強さも求められる。
・最近は冬にコモも撒かなくなって、全体に樹の数が減っていると感じる。
・福岡のマンション住まいになったが、落ち葉はごみと言う意識で、非常に住民が神経質、まだ葉が緑のうちから、枝を刈ったりしている。都会になるほどそんな傾向があるのかと感じている。

Q:はじめ学校に入り込むのはむずかしかったと思うが?
A:里海に関する講演会を、校長先生にお願いして、中学校で公開の講演会を開催してもらったことがきっかけになった。

Q:なぜ、山にくらべ、海に対する市民の関心が低くなったのか?
A:今の親たちの時代からプールで泳ぐようになり、今はほとんど海水浴をしなくなっていることも大きい。
C;東京圏で千葉や房総に船を借りて臨海学校を経験するこども達も多く、都会の子は泳げて、地方の子が泳げないというような状態もありうる。
・今の親たちの時代は自然破壊が進んだ時代で、水質も汚れていたりして、海に親しむ機会がなかったのではないか。
・50年くらい前は海はすこし汚れ気味だったがアサリは潮干狩りでよくとれたが、次第に少なくなった。
C:先ほどの鳥の話だが、自分からみれば、カモメ、カモ、シギ、チドリなど結構色々な種類の鳥がいて、貴重な場所だと思う。日の山はカラスのねぐらになっているようだ。
A:この前、植松川の中下流部で、ボラなのか、黒い大きな集団がいるのを見た。すこし環境が戻ってきているのかなとも思う。

Q:防波堤護岸の地下水遮断効果も大きいと思う。この前、新井さんが示された、民家から段々畑、海に続く写真の、民家はどのあたりの家か?
A:月崎の先端近くの家だ。

Q:どこの団体も高齢化にが進み、後継者難になっているが、その点どう考えてられるか?
A:まず身近なところで自分たちの奥様を誘うことを考えている。その方が夫婦円満にもいいと思う。なかには名前だけならと言う人もいるが、徐々に活動になれてくるればという面もある。

C:サイクリング行事を考えてられるが、「うべこまち」では自転車のまちづくりに力を入れ、厚南の4校区でフォーラムを開いたりしている。山口市では昨年から「ツールドやまぐち」という行事を実施し、今年は2年目である。阿知須から秋穂にかけてのコース。安全走行ができるかという点の注意が必要と思う。

当方の不手際で開始が10分遅れ迷惑をお掛けしましたが、じっくり議論ができました。(文責:浮田)

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