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1月28日 野原千代さんの「福島原発事故がヤマトシジミに及ぼした生物学的影響」の講演会がありました。

2015年01月30日

 いのち・未来 うべ 主催、うべ環境コミュニティー共催の、表記の講演会が宇部市勤労青少年会館で開催されました。昨年の1月12日にも宇部市環境学習館でお話をお聞きしましたが、その後の研究成果も含め、話していただき、市外の方も含め50名の参加がありました。少々、内容的にむずかしく読みづらいと思いますが、大事な問題なので、ブログにて紹介いたします。

 かなり多様で込み入った実験ですので、二回目の今回でも完全な理解はむずかしい点もありましたが、配布された資料や、インターネットの関連資料を参照し、またメールによる質問に回答していただいて、ようやくほぼ理解することができました。解説者(浮田)の私見も入っていること、誤解している部分もあるかもしれないことをご了解ください。

 野原さんをはじめ琉球大学理学部大瀧研究室の方々は、2011年3.11の2ヶ月後から福島県に入って調査を開始され、初めて放射能汚染の影響を受けたヤマトシジミというチョウを採集し、①異常な個体の割合、②さらにその子(F1世代)、孫(F2世代)への遺伝的影響、さらに③外部被ばくの実験、④エサ(カタバミが食草)による内部被ばくの実験と、色々困難な状況の中、研究を継続され、たいへん貴重な成果を上げられています。  インパクトファクター5の権威あるScientific Reports に投稿された研究論文は2012年7月に受理され、長崎の原爆記念日8月7日に公開以来、海外で大きな注目を集め、昨年はスイスとフランスに招かれて、講演され大きな反響があったようです。

 ヤマトシジミは北海道を除く日本の広い地域に分布していて、一世代が1ヶ月ほど、カタバミをもっぱら食べる、異常を判別しやすいなど、放射能の影響を見るのに非常に適した生物ということです。さらに5年間近くに入れなかったチェルノブィリに較べると、2ヶ月後から調査に入られたことも研究の価値を高いものにしています。

 ①については、2011年5月の採集個体では、形態異常は比較的軽微だったが、空間線量の増加に伴って翅サイズの減少が観察された。2011年9月の採集個体では、むしろ一様に異常発現率が高まっていた。この調査はその後3年間継続されていて、現在論文作成中とのことである。

 ②の遺伝的影響を見る実験は、2011年5月および9月に採集したチョウを沖縄に持って帰り、沖縄のきれいなカタバミで飼育し、同じグループ内の交配でF1(子の世代)をつくり、異常の発現率を観察された。さらに5月採集分については、F1のうち比較的元気な♀を選び、健全な、つくばの♂を交配して、F2をつくられ、異常の発現率を観察された。F1の成長遅延などの異常発現率は原発からの距離と逆相関が見られた。F2についても同様の傾向が見られ、いわき等、南側の値がやや高い傾向が見られた。
 9月採集分のF1では異常発現率はむしろ5月採集分より高く、やはり広野、いわきなど南側で高い傾向が見られた。F2に実験は元気な個体が少なかったためか行われなかった。

 ④の内部被ばくの実験では、福島周辺等から2011年夏では5箇所、2012年の夏から秋にかけては6箇所から、カタバミを沖縄に持ち帰り、沖縄の健全なチョウの幼虫期の後期にこのエサを食べさせ、F1(子の世代)とさらにそのうち近親交配を避けるため別々の2系統の♂♀を交配させて、F2(孫の世代)をつくり、それぞれの異常発現率を調べられた。、2011年の実験では、低い被ばくレベル(食べたカタバミに含まれていた放射性セシウム量)で急激に異常発現率が上がり、それ以上では鈍化する傾向がある。
 2012年の実験では、3枚目の写真の下側のグラフに示すように、F2世代の生残率は汚染されたカタバミを食べさせたチョウについては明確な影響を受けるが、F2世代にきれいなカタバミを食べさせると、著しく回復するという希望のもてる結果が得られた。

 質疑の中では、実験方法についての確認、②の遺伝影響の実験結果と④の2012年度の内部被ばくの実験結果が矛盾するのではないか、チョウの結果がどの程度人間に当てはまるのか、呼吸を通しての内部被ばくの影響はどうなのか、と言った質問や、日本は被爆国なのになぜ原発を推進するのか、海外で不思議がられるが、広島・長崎のデータがむしろ、原発を推進する方向に、逆に使われているというコメントがあった。
 野原さんや会場の参加者からは、実験に使用したチョウが②は♀が現地採取のチョウを親にもつF1であるが、④では沖縄のチョウでカタバミを通した内部被ばくだけを受けたものを親にもつF1であるという違いがあることを説明され、また、内部被ばくは外部被ばくと違い、基準値以下だから大丈夫という概念は当てはまりにくいとされた。

 昨年の国際会議で、福島事故に関する医学関係の研究が出ないのはどうしてなのか、なぜチョウの研究しか出てこないのかと言った疑問が出されたり、このような研究には色々な逆風があり、困難が伴うが、誰か助けてくれる人も必ず現れるよと励ましを受けたりしたことを話された。福島では甲状腺ガンの発生が増えていると言われるが、先日、島根大学医学部であった研究会でも、原発事故との関係はないかのような発表も会ったそうである。

 自分達の研究成果についても、ネットなどを通して色々根拠のない批判も受けることがあり、きちんとそれにも応えてられるようであるが、そういう人達に対して、批判を逆に返すようなひまはなく、今はとにかくやるべきことをやるだけだとのことであった。
 今は大学にしても研究費の取りやすいテーマを選び、社会的に本当に大切な地道なテーマに取り組まない傾向がある中で、野原さんのような人達をしっかり支援する必要があると感じさせられた。
大瀧研のチームではすでに5つの論文を書いておられるようですが、さらに遺伝子レベルの研究も進行中とのことであり、さらなる発展を期待したいと思います。

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