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環境サロン「里山の保全と再生」第3回「今、郷山からこどもたちに伝えたいこと」 嘉村則男 8月7日の概要です。

2014年08月10日

 嘉村さんは1957年、仁保上郷の大富の酪農家に生まれ、牛乳を乳業会社に納めに行き、年末にもらう牧場のカレンダーを見て、いつか牧場主になることに夢を持った。
 機会を得て16年間酪農の仕事をしたが、当時牛乳の自由化、生産調整もあり、牧場の経営はあきらめた。その後、畜産農業団体に入り、畜産関係の仕事に就いたが、ホルスタインの人工受精、凍結精師体外受精、平成3年くらいにクローン牛の研究まで関係してくるような状況になったので、平成5年に山口県に帰ってきた。

 大富は仁保の一番奥の85世帯、180人の限界集落で高齢化率65%、70歳以上が40%くらいの限界集落である。
 平成5年は、米泥棒まで問題になった平成の大冷害であった。食管制度も変わった時期で、例外にも強いようなので、有機農業を目指した。
 二年目の平成6年、アイガモを入れた。こども達、学校の先生、保護者の方々が田んぼに来るようになった。アイガモは潰して食べた。アイガモ米は結構高値で売れた。(しかし4年目ぐらいから窒素過多になり食味が落ちた。平成9年牛を飼うようになった。)

 ともあれ、農業は食料をつくるだけでなく、癒しや学びの場や、食育その他さまざまな多面的な機能があることを実感した。

 里山環境プロジェクトの活動は平成6年からスタートしたが、サラリーマンもしているいて、大きなことはできないので、あまり大それたことは考えず、できる範囲でこども達の農業体験をやろうと思った。幸い10名の仲間が集まった。

 現在は、市民を対象とした「都市農村交流」や「食農体験」を主に手がけている。観光農業的なものではなく、食育を組み込んだ体験に重点を置いている。最近はこのほかに「環境体験学習」をしている。
 郷山野菜学校については「野菜倶楽部」、「漬物倶楽部」、「子ども体験倶楽部」のコースがあり、それぞれ3月~12月、7回(ジャガイモ・スイカ・大根・白菜などの栽培体験と調理体験、しめ縄づくりなど)、15~20名、6月~12月、7回(仁保キウリの酒粕漬け、仁保ラッキョウ漬け、キムチづくりなど)、10~15名、2月~12月、15回(こども達の野菜栽培、お父さんと、お母さんと、みんなで楽しむ野菜栽培)、25~50名環境体験学習は「森と水の物語」1月~12月、数回(水遊び、渓流遊び、田畑や山林の探索、炭焼き体験など)、25~50名でどれも人気がある。年間1200名、8月は400名を相手にすることになる。
 収穫したもののは、そのまま野外で調理して食べる。燃料は薪や炭。食べ物の安全、ありがたさなどを感じさせる。残さずたべるとか。好き嫌いがなくなる。
 渋柿の渋さがこども達はわからない。大人は目で判断する。大人の言うことを子どもはその通り受け取る。子どもにじかに体験させて、感じさせる。生きる要領を自分で自然の体験の中から学ぶことが大事である。

・体験環境教育のプログラムは水の浄化、きれいな水の体験、植樹、冬の山登りなど、幼稚園児を対象にやられた例の紹介。

なぜこんなことをしているのか。
 仁保は道路や橋、農村集落排水、河川プールなど社会資本も比較的充実して、子孫に施設を残すことを、良しとしてきたが、今農業の知恵、技術を継承することがもっと大事ではないか、とくに小さいこども達にそれを伝えることが大切であると考えた。
 食べることへの感謝の気持ち、自然を敬う気持ち、体力やコミュニケーション能力が身につくことで、良い子に育ってくれれば将来の日本を支えてくれるのではないかと思っている。

その他、お話の中で印象に残った点として、
・幼児教育が重要 幼児は感性が豊か、好奇心が旺盛、自主的に自分で学ぶ力がある。
強制でやらせても、体力や知力がつかない。田畑に自由に放つという感じ。
・自然の中で、こどもは本能的に生きる要領、生きる力を身につけていくことができると思う。しっかりした大人に育ってほしい。
・意外に大人が自分の判断を押しつけて子どもの可能性を妨げている面がある。
・9歳ぐらいまでは、いろいろ親にきいてくるが、それ以降は親にものをきかなくなる。

・補助金や表彰応募は最小限、年一つずつくらい、若い人の文章力の練習になるという程度。基本的には参加者から必要な費用はいただくという方針である。

・そのほか、多いときは5つの幼稚園で、ペットボトルでイネを育て、収穫、精米しておにぎりを食べるというような10年以上出前講座的なものもやっってきている。3つのペットボトルでおにぎりが1個できる。
・だいたい公立の保育園、幼稚園は消極的で、民間や山口大学教育学部付属の場合はやりやすいことが多い。
・ビジターセンターとして交流ハウスをつくった。畑でコンサートもしている。
・こどもの成長に合わせたプログラムがあるので、継続的に来てくれる子どもがいる。
・山口市は転勤族が多いので、お母さんやこどもの居場所づくりとして評価されている。
・思わぬ成果として、定住してくれた家族が4家族,子どもは11人増えた。

・今後は保育園ではないが、認可外の保育施設つくって、子育てカフェをやりたい。そこで、野外活動や、野菜も栽培して買ってもらう。それから、里海との繋がりも広めたい。お客さんの95%位が女性なので、保育士さんで休業している人に雇用の機会を与えるなど。
・子どもは心を耕す体験、大人は食の主体を取り戻す体験
・宇部は可能性が大きい。ときわ公園、アクトビレッジおの、こもれびの里を組み合わせて、中国人を研修するとすれば非常に面白いと思う。宿泊体験も受けても良いのではないかと思う。もったいない

質疑:
○子ども体験倶楽部のネーミングがいいが。
→Satoyama of dreams はずっと続けている。Daddy's ちゃ☆ちゃ☆ちゃは日頃子育てに参加していないお父さん用、いっぽ☆仁保☆さんぽはいっぽにほさんぽという施設の人たちの受入の場合といった感じ。今年は5グループ。
○募集はどのようにされるのか。
→ほとんどクチコミ。最近はホームページを見てというのも増えてきた。地域は子どもはやはり山口市内、大人は宇部市、小野田や防府市が多い。財政がきびしくて、そういうサービスが少ないところが多いかな。、
○1年間でどのくらいの人たちを相手されるのか。
→1200人程度である。限界超えている。全部有料。1回5種類のプログラムで、それぞれ10名~50名、半年~通年の数回から15回、のプログラムをこなしている。8月は400名を相手にすることになる。
○リピーターは多いか。
→多い。子どもで10年続いているのは10名くらい。お客を選ばしてもらっていることはある。お米を買ってくれるのは上得意。

○仲間のみなさんは、それぞれ本業を持ってられると思うが、土日だけではこなせないのではないか。
→時々平日実施することもある。そのときは有給休暇を取る。
 平生の農業は、米一町、畑一町、牛10頭自分一人でやるが、畦の草刈などは、時給は出すが、手伝っていただける。
○企業型NPOですね。採算性はどうか。
→儲かるほどではないが、それに近いやり方になっている。機械をそろえるまではきびしかった。5万円入って半分残り、人件費払えば1万円くらい残るかというところ。山菜採りなどは材料代が掛からないので有利である。
 漬物倶楽部は会費が15000円、食事代別に500円、おやつ300円である。20人の応募で15人になった。
○会員の年齢構成などについて教えてください。
→若い人が多い。仁保以外の山口市内のサラリーマン。自分が一番年長、その次は40代,30代,20代と若い人が多く、10名で女性が半分以上。女性の方が横の繋がりがうまくいく。男はどうしても縦社会になりがち。強い、弱いができる。地元の人は自分だけ。
 現在は自分は最後の責任を取るという立場で、それぞれの仕事は若い仲間がやってくれる。10名以外にも4名の保育士の方がよく協力してくれている。歳をとった人は無理。年寄りが前に出てやってろくなことはない。
 なお、スタッフはみんな、指導者養成講座を自費で受けている。
○地元の人たちはどのようにかかわっているのか。
→土地の人たちは高齢で、基本的は静かに暮らしたいというところ。無理ない範囲で野菜作りの指導や、漬物の漬け方の指導などお願いし、対価も支払うが、喜んで協力してもらっている。こども達が来て挨拶してくれるので、おばあちゃん達は喜んでくれている。

○地域の活性化についてはどう考えるか。
→行政の今のやり方ではなかなか成功しないと思っている。自分は静かに、看取りをするというスタンスで、無理をして自治会を説得することはしない。
○9歳までが勝負か。
→幼い方が良い。0歳児の子がプールで泳いで、その後しゃべった。英会話を習わしていたが、喋らず、発達障害と言われていた。はじめは乱暴な子も、1,2年来ると、良い子になる。
○良いプログラムがあっても、共働きで連れて行けない状況がある。
→そこまでは考えていなかったが、幼稚園の姿勢も大事だと思う。保育園や幼稚園で出前ができればいい。公立はカリキュラムが決まっていて、自由がない。
○教育委員会に呼ばれて話されることはないか
→最近講演は月1回くらいあるが、教育委員会関係はない。当初アイガモの授業をやったことがあるが、学校の取組は継続性がないように感じる。


 今回のサロンは、若大将節炸裂で、一同圧倒されました。
多くの人が関わっているだけに、全体に非常に優れた魅力あるプログラムが工夫されていて、非常に勉強になります。内容があり、かつ深く、まとめきれないので、途中、パソコンが固まり、少し空白がありますが、是非、Ustreamで実際に話を聴いていただければと思います。今年度はUstreamがたいへん見やすくなっています。

やはり、きちんと対価が払われる。そしてサービスがその対価にふさわしい内容であることがわかりました。補助金などで運用して、サービスとして受けられるが、補助金がなくなればできなくなるなど、継続性の問題や、サービスを受ける側が自主的に学ぶ気持ちまで行かないということもよくあると思うので、よく考える必要がある。

 また、運営の中心はやはり若い人達によってなされなくてはここまで、魅力のあるプログラムが生まれないということも感じさせられた。年配の人も含めて、それぞれの立場の人がふさわしい役割分担をして、しかるべき対価が払われることがやはり基本的に大切なことのように思われた。

http://www.ustream.tv/recorded/51035888

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