環境サロン「世代間の対話~こころの環境づくり」第1回「いまなにが問題なの?」話題提供:末次信宏
2013年06月27日
はじめ、いま何が問題か、身近で感じている問題について「いま楽しいですか、楽しくないのは何故ですか」といったようなアンケートがとられた。しかし若い参加者が少なく、また、結構答えにくい要素もあって、その中から、テーマを決めるプロセスは断念し、任意的な議論になった。以下、発言が間接的表現になったり、必ずしも時系列にはなっていないことをおことわりしておく。
○環境サロン「世代間の対話」の目的
S:このシリーズの目的について、共通理解ができていないのではないか。
→U:世代間のコミュニケーションが不足していると感じている。
T:目的がはっきりしないと、呼びかけるにしても、集まってもらう人がイメージできない。おしゃべりで終わっていては、つまらない。
→U: サロンの他のテーマと比較して、このテーマは問題が一層複雑なので、目的をはっきりできないところがある。個人的には、環境問題の解決のためには、環境倫理が非常に重要であるというのが、そもそもこのテーマを設定した原点である。しかし、そのことが、若い人にはとくに、われわれと同じ経験をしていないので、分からない。一般的な意味では環境問題に対する市民の関心は低下してるような気がする。
S:たしかに森林伐採とか激しい環境汚染だとか、現場を経験していないので問題意識がもてない。精神的障害の問題など、まわりから肌で感じたので、取り組みたいという気になる。
T: 環境の専門家として経験してきたことを聞かしてもらって勉強するのも一つの方法ではないかと思う。どうもそれぞれ思っていることがずれている。
H:ずれていてもかまわないのではないか。環境に対する考え方はそれぞれの違いはあっても当然である。それぞれの抱えている問題にあてはめて、考え方を応用すればいのではないか。
○若い人たちとコミュニケーションをとる、若い人に呼びかけるのは工夫がいる。
S:人が来るのを待っているより、こちらから出かけていくのも方法ではないかとも考えた。今回は準備に時間的な余裕もなかったので、ぼつぼつ機会を見てやろうと言うことにした。
U:情報の伝達はとてもむずかしい。意外にメールが読まれていないケースも多い。
人集めはそう簡単なものではない。ぼつぼつ、地道にやるしかないのではないか。
H:環境活動も、このような話を聴くとか言うのではなく、体を使う、ごみ拾いとか、田植えとかは人気がある。
T:社会の成功者に来てもらって、話してもらえば、学習室を利用する生徒達も関心を持って聞くのではないかと思う。
N:進学や就職の裏事情なども聞きたいのではないか。そういう機会も設けて、徐々に学習室利用者の中からもサロンに関心を示す生徒達も出てくるのではないか。
H:メガコンには何故若い人が集まるのだろう。
T:メガコンの例でいうと、宇部未来会議の仲間が、すごく企画に時間をかけて練っている。また、それが楽しいようだ。女性4500円、男性6500円の参加費で、300人から400人参加する。1ボックス男女2組で40分、組み合わせを変え、飲み屋を変え、これを3回繰り返すことで、2時間の間に6人の異性とコミュニケーションをとることができる仕組みになっている。
U:結婚願望があるということか。
H:飲みたい、出会いたい、いろいろな店に行けるということで満足感があるのだろう。若者は断られたらいやで、誘う勇気がないのではないか。自分で出会いの場を作れない。
メガコンのシステムは宇部のオリジナルではなく、もともとは群馬のオリジナルである。
→メガコンのシステムを取り入れて、若い人を呼び込んだらいいということかもしれない。
○社会は、昔と今で、どう変わったのか、いつ頃から?
U:幼いときの基本的なしつけできてないのではないかと感じることがある。
N:それは家庭だけの問題ではない、社会の問題だ。シニアの方の劣化の方がむしろ問題だと思う。
T:子どもから外で気をつかっているから、「家ぐらい好きにさせてよ」と言われた。
N:自分としてはそれは女房にいいたい。
S:子どもの教育が変わってきたのか?成績優先になっている?。
U:勉強だけしていても、あと社会人になって使いものにならないこともある。
T:あまり注文めいたことをいうのはどうか。関わってあげるだけでいいのではないか
H:昔は上司から呑みに誘われたらおごってもらえるから歓迎で、コミニケーションの機会として重要だった。今の若い人達はプライベートな時間を大事にしていて、あまり喜ばない。麻雀も良くやったが、今はやらないだろう。ゲームは盛んのようだが。
T:お酒も飲めなくなっている。むかしは若い時はよく飲んでいたが。
A:(ムスリムから見ると、おかしいという意見。酒を飲めないのは弱い男だというのではなく、むしろ逆で、強い男は酒は飲まない。)
Ha:世代が違えば何が楽しいかというのは違ってくる。昔の人は麻雀が好きだったが、われわれはあまり関心がない。
H:昔はもっと助け合いもあった。ものが豊かでなかった時代は、助け合う必要があった。ものが豊かになって、コンビニなど便利になった。インフラの管理も自治体の仕事になったりした。社会のコミュニケーションが希薄になった。
H:今はインターネットで知識が入る時代
S:お金の使い方、価値観が変わってきている
Y:昔は豊かになる夢があった。
N:核家族化の影響もある。食べものや薬の影響もあるかもしれない。
S:変化はいつ頃からだろうか。
Yy:とくに高度経済成長期ごろからではないか。
U:われわれの学生時代、アメリカの戦略で、戦後教育で道徳、宗教、歴史観を教えなくなったことで、自分のこととお金のことしか考えないような世の中になるよと予測した先生がいたようだ。戦後の変化が大きいのではないか。お寺が統治機構の一部に組み込まれた江戸時代くらいまで遡る必要があるかもしれない。
A:(その先生の話で、支配する前にその国の文化を破壊するというのは、イギリスのインド支配に見られるように、帝国主義の常套手段であり、とくに新しい指摘ではない。)
S:もっと長い歴史も考えなければならないのでは。農耕民族と狩猟民族の文化的背景も重要と思う。採取狩猟時代、日本では縄文時代の人間は自然に対する畏敬もあった。遊牧民族は少し違う。略奪的な文化があるのではないか。日本は島国で、わりに独特の文化が保てたのではないか。
H:日本には民主主義が根付いていない。あまり国民運動が盛り上がらない。
T:事なかれ主義、U:目立つことを好まない。
A:(多数決による民主主義は問題である。51:49でも51の方に決まる。衆愚政治におそれがある。)
U:放牧民族には略奪的な要素があるのかもしれないが、一方で厳しいイスラムの倫理がバランスをとっているという側面があるのではないか。
S:キリスト教は聖書を前面に出して植民地支配を行った。
A:(宗教自体とそれを信じる人々の考え方は別であることに注意が必要である。カトリックとプロテスタントでは神に対する考え方が随分異なる。)
U:グローバリゼーションでせちがらくなった。競争過多で社会が厳しくなっているのではないか。
Y:株主中心主義はよくない。終身雇用も日本になじんだと制度だった。
N:株の持ち合いで抵抗することもできるか。
T:企業もCSRで社会的責任を考えるということは企業倫理を意識しているということか。
S:個人主義のほうがものが豊かになるのでは。
U:競争がないと進歩がない。
N:ルールのない競争、ルールのある競争でないといけない。
Yy:人間は進化することができるので、あまり悲観的になる必要はない。
ただ、自分さえ良ければいいと言う考え方が問題なのではないか。まわりも一緒に幸せでないと、幸せではない。人は支え合い、他の人のためになることで幸せを感じる。道ばたのごみを拾うなど小さいことからはじめよう。
○結局、いま何が問題なのか。われわれは何ができるのか。
T:結局、いま何が一番問題なのか。たしかに20~40代に自殺が多い。
Yy:自分さへ良ければいいと言う考えが問題ではないか。小さい身近な親切が連鎖して大きくできるのではないかと思う。
T:たしかに充実感は人に喜んでもらえること。子ども見守り隊を九年続けているが、子どもに喜んでもらえるので、続いている。
S:続けていると大きな流れにつながるんだろうか。それどころではないよということがあるのではないか。呼び込むより飛び込んではどうかという考えもある。ネットの関係よりも、やはり実際に会った方がいい。
U:ぼつぼつやるしかない。
H:何か役に立ちたいなと思っている人はいっぱいいる。市役所に「何かやりたい課」でももう
U:そういう意味では私立市民大学はありがたい。この卒業生はボランティア精神を持ってられると思えるのでありがたい。
N:まあすこしずつよくなりつつあるという風に思えるのではないか。昔はこういう場もなかった。
Y:水曜会で、年寄りばかりでの議論は面白くないから、慶進高校へディベートを申し込んだ。高校生から、「ボランティアを教育科目にすべきか」というテーマが挙げられた。本音で議論するとけんかになる。本音ではないが、主張させると、いろいろな視点が見えてくる。気がつかなかった意見が出る。中学部にディベート部があり、その卒業生を相手として出してくれた。おもしろかった。市長とディベートをしたこともある。
A:(討論の仕方の訓練で、欧米では小学校一年生からやっている。日本人は意見を言わない。)
U:こういう面では、公立学校より私立学校の方が柔軟な対応をしてくれるようだ。
S:勝敗をつけることがあるが、二者択一ではなくて、いいところ取りして調和させて止揚することがあってもいいのではないか。
Yy:後で陰口を言う。マナーが大事。
○まとめ
T:きびしい社会、職場も厳しくなっている。忙しすぎるので、参加者は少ないかもしれないが、こういう場に出てくるとそれはそれなりに心の精神的にバランスがとれる面はある。
Ha:いろいろな考えのある人がいるんだなとそれなりに参考にはなった。
H:考えをまとめることにあまりこだわらなくてよいと思う。いろいろな人と出会えるだけでもいいと思う。
Y、T:そう思う。
S:本音で語れる場所が必要である。世代間の価値観が違うのは当たり前で、それぞれの本音を語り合える、あるいは協働作業をしたりできる場をつくっていくことが大事である。
今日は期せずしてフリートーキング的なサロンになり、あえてまとめる必要はないにしても、今後はある程度、話題提供者を補助する司会の役割も必要であると思われた。
「世代間の対話」みなさま一度参加してみてください。思わぬ人に会えたり、話がきけたりできると思います。
ビデオの記録は下記にてご覧いただけます。
http://www.youtube.com/watch?v=Y5G1BO00xeM
http://www.youtube.com/watch?v=TyCIpHZPlnc
http://www.youtube.com/watch?v=WRrFdttwGZk
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