「環境サロン:省エネ対策を実行する」でUNCCA事務局長の仰木則康さんから話を聴きました。
2012年11月30日
宇部市地球温暖化対策ネットワーク(UNCCA)は2002年10月に設立され、今年10周年になる。同年12月には地球温暖化対策推進法にもとづく地域協議会に認定された。現在は山口県の全市町村に設置されている。現在会員数183うち112は団体会員、構成員数は公称2万人である。産官学民の連携で、家庭における省エネを中心にして、多様な活動をしてきた。
年1回の総会、数回の幹事会を行い、山口県いきいきエコフェア、エコフェアinうべ、宇部まつり、うべマーケットなど各種イベントへの参加や、小中学校などへの出前授業などにより啓蒙活動を行うほか、省エネ家電普及推進事業、植樹・グリーン電力証書に係るカーボンオフセット推進事業、環境に優しい交通まちづくり、低炭素地域づくり面的対策推進事業、スマート通勤などなど、数多くの事業を手がけてきた。
省エネアイデア募集、今月のキャッチフレーズ募集、省エネ相談、会員が実施する環境教育活動の支援など、市民との連携を図る工夫もしている。
省エネ相談は月に10件程度はある。グリーン電力証書は4300kwh。
これから先は、みなさんの意見も聞いて、考えていきたいと思うが、そろそろ若い世代に交代して、その方達に任せていく時期と考えている。10周年記念誌をいま印刷中である。
以下質疑
○中国運輸局から表彰を受けられたが、ほかにどんなところが受賞したのか。
→環境保全部門では、あとはバス会社とか運輸関係の企業が多い。バリアフリー部門にも力が入れられていて、防長交通が受賞している。
低炭素杯でも23年2月に全国の優秀賞をいただいたが、環境省そのものではなくて、小宮山さんの実行委員会が主催し、表彰式は東大安田講堂であった。
○フィフティーフィフティー事業はいい事業だと思う。子どもが家のなかで積極的に推進役になることが期待される。他の地域の実施状況はどうか。
→もとはドイツからの方法だが、宇部市は早くから実施して成果を上げた。低炭素都市ベストプラクティスとして、H23年2月、安城市など8都市の一つとして特別賞を受けた。広島県でスクールエコ活動の中で取り組んでいるように聞いている。
○幼稚園児で省エネの理解ができるだろうか。保護者への効果は及ぶのか。
→エコトランクを使った出前授業で、お母さんがたもこられることもある。
○幼稚園児や小学校低学年では、すこし難しいかも。
→小学校では学年によって、生徒の反応は随分違う。
・スィッチを消すとか、癖をつけたり、きまりごとを教えることで意味があるのでは。
○スマート通勤のなかで、事業所でどの程度インセンティブをつけてやられているだろうか。通勤バスをもう一度考えるとかもある。
→なかなか自主的にそこまで徹底してやられている事業所はほとんどない。三交代など理由にやれないという話はよく聴く。福山のある会社は、スマート通勤優良事業所として高く評価されている。
○ホームページの管理は大変よくやられている。情報発信量も多い。きちんと記録も残されていて感心する。閲覧数はどのくらいか。うべっくるは1日50件いかかないくらい。→職員が自前で作成し、日常業務の中で更新している。カウンターをつけてから約2600件、1日あたり30件程度か。
○環境省としては、温暖化対策として、どんなところに力をいれているのか。
→カーボンオフセットや再生エネルギー普及に力を入れている。
COP18はいま始まっているが、2030年に25%削減の旗は下ろさないということだが、非常に厳しい状況である。世界も分かっているだろう。たしかにアメリカが議定書に入らないことは問題。COP17で、日本は合意に乗らなかったのは、アメリカや中国、インドが加わらないと温室ガス排出量のカバー率が20%以下の状況。
・原発事故以来たいへん厳しい状況にはなっているが、そのぐらいの省エネはやるんだという気構えが大事ではないか。途上国の経済成長を単に抑えるわけにも行かない。われわれも辛抱するという気持ちが大事ではないか。また熱帯雨林開発によるCO2の排出量が非常に大きく、国際的視野でも考える必要があると思う。
○地球温暖化に根本的な疑問をいう人たちもいるが、どう思うか。
→万年の単位ではそういう傾向にあるのだろうが、当面の問題としては世界の学者の趨勢が、温暖化の進行を認めている。
・エネルギー資源の枯渇の問題などから、省エネを進めるのは間違っていないかも。
○高齢化で車が運転できなくなる人が増えてきて、郊外の大型店舗に行けず、宅配が増えるとか、中心市街地に店が戻るといった可能性があるのではないか。
○今の高齢者で車に乗って体力が昔の高齢者に比べて落ちているんではないか。
→たしかにそうかもしれない。
・健康面から、歩いたり、自転車に乗ったりすることを普及していく必要があるのではないか。
○これからの取り組みについては
→会員アンケートでの意見では、UNCCAそのものの周知、自治会への浸透、健康・節約効果の発信、などなど、基本的には次の世代に委ねたい。情報発信も重要な役割と考えている。
○市民のお金を集めて、公共施設に太陽光発電をつけることを支援するような仕事ができないだろうか。
→意義あることと思うが、さほど簡単なことではない。
○生ゴミの水切りで、ごみ焼却工場の補助燃料の節約になるので、市としても一層のPRをしてほしい。最近はいい水切りグッズが売られている。
○宇部コンビナート温室効果ガス削減協議会の最近の活動は。
→昔は研究費も出し活発だったが、いまは研修会の開催などやや停滞気味。こういう場で、エコ通勤を呼びかけるのも一つのやり方。
・ごみ焼却工場の余熱利用がだいぶ検討されたが、頓挫したのはたいへん残念だ。
・宇部方式という言葉が定着して、宇部市はやりやすい面がある。
本シリーズの次回は12月26日(水)津島榮さんによる「EA21の成果」についてです。
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