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山口むしの会、後藤和夫さんの「むし屋が考える生物多様性」の話を聴きました。

2012年10月28日

10月25日環境サロン「自然保護と生物多様性保全」第2回は山口むしの会の副会長兼事務局長の後藤和夫さんのお話でした。前回大入り満員だったので、安心して油断したため今回は総勢14名でしたが、最年少記録の昆虫少年の参加がありました。50年以上の長きにわたり自然を見てこられた経験に基づくお話はたいへん興味深いものでした。以下やや詳しい目に報告します。
Utreamはこちらです。http://www.ustream.tv/channel/from-ube-mizutotabemono
本シリーズ次回は、11月8日(木)19:00より、鳥について、きらら自然観察公園におられる山口野鳥の会の原田量介さんにお話しいただきます。

 生物は食物連鎖のピラミッドで表されることが多いが、すべて複雑に関係し合っている。昆虫は鳥のえさになったり、食物連鎖のかなり低い位置にある。卵を産む数が多いので、いくら食べられても種が保存される。2万種類とも言われ、種の多様性が大きい。一般に多様性が大きいほど、環境の変化などに対する安定性は大きい。ただ、分布域が限られてくると、近親交配がすすみ、絶滅が危惧されるようになる。
 単純な、食う食われるの関係だけではなく、マルハナバチがいなければ果物など花の受粉ができない。またこのハチはネズミの古巣に巣を作るといわれる。
キャベツはモンシロチョウには食害の量に応じて、コナガには食害の量に関係なくそれぞれの天敵のハチを誘引するフェロモンを出す。モンシロチョウはコナガの幼虫の多い所に産卵するそうだ。このように植物・食植者・天敵の三者の間だけでも、このような複雑な関係がある。

 2002年に山口県がレッドデータブックやまぐちをまとめているが、もう10年が経過し、状況も変わっている。山口むしの会では、独自でその後の10年間の調査をまとめて、山口県の昆虫類レッドリスト2011をまとめた。
 山口県でこれまで同定された種類としては約7300種、うちトンボは96種、チョウ141種、ガは2113種、コウチュウは2906種など。うちレッドリスト選定種はそれぞれ28種、36種、15種、109種など412種が選ばれている。
 この中から、宇部市の厚東川流域を中心とした、ヒヌマイトトンボ、ベッコウトンボ、キイロヤマトンボ、グンバイトンボ、ホンサナエ、アオサナエ、ハッチョウトンボ、ヨドシロヘリハンミョウ、アイヌハンミョウ、フチグロトゲエダシャク、シルビアシジミ、ウラナミジャノメなど希少種の紹介がなされた。

 昆虫少年時代、虫たちが木に群れていたことはよく見られたが、最近はあまり見られない。こういうものを見ると昆虫少年も感激する。今は殆ど見られない。
 このような調査を行うには、まず昆虫採集をして標本をつくらなくてはならない。採集しないと分からないし、証拠もいる。20年くらい前から一時期10年間以上、昆虫採集が禁止されるようなことがあったので、これが後進の昆虫採集の専門家が育っていないのは問題である。1週間にすくなくとも1回くらい通わないと、昆虫は見つからない。

質問では、以下のような議論がありました。
○むしの会の後継者は。 → 会員は150名くらい。親子連れもいるが、子どもは中学生になるとくる部活動などで脱落することが多い。
○はじめての種類の場合、写真だけではだめか。 → 羽だけでもいい。死骸でもいい。標本が必要。
○日本における昆虫の分布の特徴は。 → 北海道、沖縄八重山、長野県一部はかなり違ってくる。
○趣味やボランティアで、「山口の昆虫類レッドリスト2011」のための調査、整理、製本まで、全部自前でやられたのか。どこからか補助金などとらなかったのか。 → 全部趣味でやっている。本の印刷代金などは立て替えたりする必要もあった。300冊刷ったが、もう10冊くらいしか残っていない。、労力はかかるが、好きなことだし、おかげで体が丈夫でおれるということもある。
○里山復活は生物多様性にとってもいいと考えていいのか
→昔50年、60年前を考えると、虫の世界も豊かだったので、そう考えて概ね間違いないのではないかと思う。

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