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10月11日(木)末広雄次先生から、植物に関して、いろいろな面からお話しいただき大変勉強になりました。

2012年10月13日

先生は植物相(Flora)より植生(Vegetation)を専門にされています。全国でも本格的に取り組んでいる研究者は20人くらいしかいないそうです。
 植生図を書くのは調査からすると、たとえば東岐波一地域だけでも、図の作成まで入れると、2人で9ヶ月くらいかかる大変な作業。一本一本の種類の目録をつくるような植も物相の調査は、基礎にはなるが、情報が多すぎて、一般の人には理解しにくい。やはり植生として大掴みしてまとめることが、全体的な理解を容易にすると思われる。

 植物はやはり地質、土質の影響が大きい。街路樹の樹種でもよく考えないといけない。
身近な例で、常盤通、松山通の地盤は砂地であり、植物にとってはあまりいい条件ではない。井筒屋前のヒマラヤシーダーやイブキの先端は切れた形で、円錐形になっていない。根があまりはっていないのだろう。昔ヤナギが多かったが、安かったからという理由が大きかったと思うが、割によく合った。プラタナスも合ったようだが、アメリカヤマボウシはミズキ科で砂地の所はあまり合わない。植物の活力度を調べたことがあるが、海岸に近い砂地の場所はあまりよくなかった。鵜の島、小串など昔の島や半島部のあたりはすこしいい。霜降山までいくと中国山地に近くなる。
 東岐波あたりでは海岸部は花崗岩風化土で、内陸部は蛇紋岩地帯で、それぞれヤマツツジ-アカマツ群集、ヤブコウジ-スダジイ群集ではっきり分かれる。このような調査をもっと広げてやりたいが、あまりやる人がいない。小野湖周辺はコジイ-サカキ群集、霜降山、海岸部はスダジイ-ヤブコウジ群集。

 そのほか、植物と環境の基礎として、以下のようなお話があった。
・植物にとって土壌が大事なのは団粒構造と孔隙で、保水と排水の両方がうまくいく。また根の呼吸にも孔隙は必要である。砂質の場合はこのような団粒構造はできない。
・光の影響も当然大きいが、マリーゴールドは蛍光灯や水銀灯の光に強い。東岐波はマリーゴールドあまりうまくいっていない。堆肥のやり過ぎの面もある。
・メロンは温室のCO2濃度を上げると、成長は1.2~1.5倍になる。しかしCO2が排出されるし、作業する人間にはよくない。

また、うんと年代を遡って、
 宇部、北九州の石炭の起源は5千万年前から3千万年前照葉樹林帯のクスノキ、キョウチクトウなど様々な木やソテツ類縁植物、メタセコイヤなどが地殻変動で水に沈んで炭化してできたもの。ヨーロッパの3億年から2億5千万年前、中国の1.5億年~2億年前と比べて新しいといいた話。
また、外来種に関して、宇部市は外来種が多い。常盤公園でも外来種多い。多様性が多くても、問題である。常盤公園の温室の中で南米のオオオニバスを栽培したことがあるが、昆虫がつかないので、人工交配させなくてはならない。水中の人工交配はむずかしい、といった様々なお話がありました。

以下は質疑です。
○外来種についてどのように考えたらいいのか。道路斜面の緑化などはだいたい外来種である。
→ ある程度、在来種にも一時的に避難したあと復活したり、種の分化がおこったり、無制限に外来種が完全に在来種を駆逐してしまうということもなく、長い目で見ればあまり問題ないかもしれない。園芸用土中に含まれていたりするが、家庭内にとどめておくべきものを、人為的に広げるのはやめたほうがいい。これも適応変化のスピードが問題ということ。
道路斜面の緑化に使われるのは外来種でもイネ科がい多いのではないか。イネ科は割に広がりにくい。はげ山や不毛の土地の緑化などはある程度許されるのではないか。

昔モンゴルから、種を持ち帰ろうと考えたことがあるが、モンゴル大使館が難色を示した。遺伝子資源の持ち出しを防ぐという意味合い。また雲南省昆明のラン展でも、珍しい品種については、花粉をつけて持ち帰ることを防ぐために厳重にカバーがしてあった。

○植物自然度とはなにか
→環境省が定めている1~10の段階である。 植生自然度10、9:自然草原、自然林、植生自然度8、7:二次林、植生自然度6~2:植林地、二次草原・農耕地、3~2は農業的な生産緑地植生自然度1:緑のない都市、工業地。里山5~7、池沼10、ヤブコウジスダジイ9、ヤマツツジアカマツ4前後などではないか。

○里山の植物多様性はどうなのか。
→ スギ・ヒノキの植林などは当然多様性は低い。人間の生活に役立つ、様々な植物を植えるので、まあ自然林に比較すると、多様性は低いが、またいい方である。
 本来、里山は生活と密着した作物が多い。ウメ、カキ、サクランボ、竹のこ、椎茸、など。山口の里山で裏に松林があり、50年くらいで、切って家を建て直すというサイクルを伝えてきたところもある。シイの木だと50年木で30万円くらい、しかし切り出しに50万円かかる。シイは建材としてはあまり良くない。水に弱い、曲げに弱い。自然としての安定度は高く、昔は木炭の原料に使われたが、いまはシイは使い道がないことになる。小野のゴルフ場問題の時、シイを切ってゴルフ場にしたいという地元民の要請があったことがある。ついでながら、小野子で有名なオシドリはシイの実を、コナラのドングリを主に食べる。カモはカヤツリグサなどの根を主に食べる。
 関連して、農業の地産地消が大事といわれるが、これだけに頼っていては技術レベルが落ちてしまう。やはり大消費地への移出や、海外への輸出ができるようなものをつくらないといけない。競争しながら技術を高めていかなければ行けないと思う。

○植生と水質の関係などはどうか
土壌浸食、土壌流亡、濁りを抑えてくれる
タケヤブ化が進むと、土壌は酸性になるかもしれない。
CODは赤松林と広葉樹林ではむしろ後者で高め。しかしそれは汚濁につながるものではなく、腐植質として鉄分の供給に役立ったりする。

○イヌビワのジャムをつくったがすごくおいしかった。そういった利用の仕方がもっとあるのではないか。意外とこのあたりでは少ない。
→ こういうことは親や先輩から教えなければならない。
上向きについている実は受精しているので、おいしいが下向きについている実は受精していないのでおいしくない場合が多い。

Ustreamはhttp://www.ustream.tv/recorded/24094553#./26065793

本シリーズ第2回は山口むしの会の後藤和夫さんの「宇部の昆虫とこれからの自然共生」の話です。

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