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今月の日本経済新聞でカーボンクレジットの問題点に関する記事が目に付いたので調べてみた。
2021年12月26日
カーボンクレジットの問題点に関する記事が目に付いたので、少し調べてみました。
森林によるCO2の吸収をお金で売買するカーボンクレジットがどのように評価されているのか、かなり不透明な部分があるようです。
この記事では削減効果の3倍程度のクレジットを発行している疑いが指摘されています。
インドネシア中カリマンタン州のカンディガン県が舞台になっているKandigan Mentaya Project です。
プロジェクト事業区域は黒枠で囲まれた部分です。東西の幅は20~30km、南北90km程度ある広い領域です。世界有数のREDD+プロジェクトと言われています。
右下の地図の中の赤い印が西隣のEast Kotawaringin県の県都Sampitにある同プロジェクトの事務所の地点です。
右上はその東に流れる大きな川の方を見たGoogle Street Viewですが、たくさんのごみが見られます。
(参考)REDD+: Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation
また、米国カリフォルニア州でも、これまでに発行したカーボンクレジットの約1/3に相当する過剰なクレジットを発行していると、サンフランシスコの非営利団体カーボンプランが指摘しています。
森林による炭素吸収の評価は、自然生態系のことであるので、難しく、定性的な評価で、REDD+の活動を寄付等の支援で支えることにはなじむが、定量的に評価し、これを市場で売買するようなものにはなじまないように思います。
次の図は、今後の気象条件が変わることを予想し、温度上昇と降水量の変化2ケースを仮定して、森林によ炭素吸収量を推定した研究結果であるが、結果としてはむしろ炭素貯留量が減少するという結果が示されています。
CO2排出量に対する適正は炭素税を聴取して、その中から信頼できる国際機関なりから、REDD+の活動を支援するといったようなオーソドックスな方法を考える必要があるのではないでしょうか。
このあたりの課題については、国においても認識されているらしく、経済産業省では、本年より「世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等. のあり方に関する研究会」を立ち上げ、検討をされているようです。
制度を悪用しようとする動きも出てくるでしょうから、自然的条件だけではなく、社会的な条件の不確かさも絡んでくるので大変です。
渋沢栄一著「論語と算盤」で書かれているように、ここでも人間の倫理観が大切なんだと思います。
技術イノベーションに期待されることも大きいですが、やはり市民一人一人が省エネの意識をもって努力することが基本になるのではないでしょうか。
(文責:浮田)
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