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温室ガスの削減目標が話題になる中、興味深い北極海調査船の記事がリリースされていました。

2021年04月23日

昨年秋に調査船「みらい」に45日間同行したNHKコズミックフロントによる、4月21日の記事です。

2000年代前半は、砕氷船じゃないと、北極海の北側まで観測に来ることはできなかったが、今では氷がないため、「みらい」でも、こうして観測を行うことができるとのことです。

折しも今日4月23日の新聞記事ですが、気象サミットに向けて、温室効果ガスを2030年までに米国は2005年度比50~52%削減を目標に臨む予定ですが、日本は2013年度比これまでの26%減から46%減を目標に臨む予定とのことです。

左側のグラフは斎藤幸平:人新世の「資本論」より引用したものですが、温室効果がCO2の25倍あるとされるメタンの大気中の濃度も増加していることが気になるところです。

海水中のメタン濃度や、大気中のメタン濃度も測定されています。

右上のグラフは北緯75度で計測された海水中のメタン濃度ですが、水深200mあたりで通常の5倍もの濃度が観測されています。

右下のグラフは、大気中のメタン濃度の計測結果ですが、2019年からの増加傾向が大きく、また緯度が高くなるほど濃度が高くなっていることが懸念されています。

左側の2枚の図は、メタンハイドレートの海底における存在イメージを示されたものです。

この図は、国立環境研究所の伊藤さんの文献からの引用ですが、
黒い矢印と文字は産業革命前の自然状態、赤い矢印と文字はそれ以降に加わった人為起源の放出、黄色の矢印と文字は自然と人為を両方を含みます。

産業革命前までは、地表からの放出量と大気中での消滅量が釣り合っていたため、大気中の濃度はほぼ一定を保っていましたが、その後、様々な人為起源放出が加わり、
大気中のメタン濃度は、産業革命前650ppbv程度から、現在では1800ppbv以上にまで増加し(1ppbvは体積の10億分の1を占める)、大気中の存在量は産業革命前の24億50百万トンから現在の47億34百万トン以上へと増加しているとのことです。

不確定要素があるようですが、湿原からのメタン放出量は熱帯地方の湿地からも大きいようです。

西シベリアやカナダのハドソン湾岸の低湿地は現在も大きなメタン放出源となって居るようですが、温暖化に伴う凍土の融解が予期せぬ大量のメタン放出につながることが危惧されており、気候変動がどのような影響を与えるかが注目されるとされています。

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