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最近読んだ本の紹介 「カカ・ムラド~ナカムラのおじさん」
2021年03月22日
最近読んだ本の紹介
「カカ・ムラド~ナカムラのおじさん」 原作/ガフワラ
訳・文/さだまさし.他
今回の作品は最近当館の図書コーナーに新しく加わった絵本です。絵本といっても単に子供向けというばかりでなく、大人が読んでも十分に得るところのある作品だと思いますので一読をお勧めします。この絵本は皆さんご存じの故中村哲さんの偉業を後世に伝えるためにアフガニスタンで出版された2冊の絵本に解説を加えてまとめられたものです。その一つである表題の「カカ・ムラド~ナカムラのおじさん」は中村さんが行ってきたこと、事実をもとに描かれた創作です。作者のマハディさんは国際協力機構(JICA)による留学生プログラムで来日され鉱物学を勉強されていました。ある日、3歳の息子さんから「パパ、これ読んで」と一冊の絵本を渡されました。まだ来日して日も浅く日本語を学んでいる途中だったマハディさんは困ってしまいましたが同じく留学中の友人たちの力を借りて、何とかその絵本をアフガニスタンの言葉に訳しました。
その経験から子供たちには絵本が必要で、アフガニスタンでは良質なものが不足していることに気がつきました。これがアフガニスタンのNGO,ガフワラの設立の動機となりました。もう一つの作品は「カカ・ムラドと魔法の小箱」で作者ワハリーズさんのイメージする中村さんが登場する
ファンタジーです。こちらの作品は歌手のさだまさしさんが翻訳されています。
中村哲さんは医師という立場に安住せず、困難を乗り越え、畑違いの用水路造りに取り組まれました。それは現地では「100の診療所よりも1本の用水路が必要」だったからです。その辺の苦労が興味深い絵と文で紹介されています。きれいな水が行きわたらない限り特に子供たちの病気は増えることはあっても減ることはない現実がいろいろな調査でわかったからです。
もう一つの「カカ・ムラドと魔法の小箱」では主人公のソラブ少年、4人兄弟の末っ子、が「知恵」と「本当のやさしさ」の魔法をどんな困難なことがあっても決して忘れないことを魔法使いのカカ・ムラドから教えてもらうストーリーです。
私がこのお話から学んだことは、相手の置かれた立場に立って物事を考えられるかどうか、そのことによって気づけることがかなりあるはずだということです。自分のことで精一杯で他人のことまでなかなか考えが及ばないのが現状です。また自分一人で解決が困難だと思えた時にまわりの友人たちに事情を説明し、一緒になって問題解決するコミュニケーション力も大事だと思いました。
以上、絵本の紹介をしてきましたが中村さんの人となりについては多数の著作もありますが、
•雑誌[SIGHT](現在休刊)に2002年から16年にかけて計9回掲載されたインタビュー6万字が公開されています。
URLはhttp://www.rockinon.co.jp/sight/nakamura-tetsu/
•更にこの3月からは中村哲さんの母校の九州大学の付属図書館のホームぺージにおいて中村哲著述アーカイブとして各種資料が集められています。ご参考までに。
文責:山本和
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