遅くなってしまいましたが、第4回ESD研修会「山口県におけるSDGs、ESDの取り組み」のまとめです
2021年03月18日
前半の話題提供をお願いした赤田さんは、35年間教育界に身を置かれ、うち15年は小学校教員、20年間は、2回に分けて、県教委で主に社会教育主事としての仕事に携われた。平成26年3月に鵜ノ島小学校校長を退職され、上宇部ふれあいセンター館長を経て、山口県ひとづくり財団で社会教育のエキスパートとして活躍されています。
当初、ESDうべ推進協議会の参与として篠崎圭二さんと岩崎和弘さんに話題提供をお願いしていましたが、篠崎さんが宇部市長になられたので、急遽当協議会の副会長でもある赤田さんにピンチヒッターをお願いしたものです。
篠崎さんからのありがたいメッセージは冒頭披露させていただきました。
まず、教育のとらえ方ですが、大多数の人が教育といえば、学校教育と考えていること、社会教育や生涯教育を正しくとらえている人はほんの一握りということです。
なお動画は以下にても視聴可能です。
https://www.facebook.com/303810246367872/videos/144001114149409
次に、社会教育の定義や法的根拠、生涯教育の違いなどについて説明されました。
次いで、山口県の地域連携教育の歩み、コミュニティ・スクールの経緯について、詳しい説明がありました。
大変分かりやすいので、配布された資料をすべて示させていただき、皆様の理解につなげたいと思います。
いまから10年前あたり、小中学校も色々な問題を抱えていたようです。
当初は、学校と地域の間に相互の不信感があり、垣根があったようです。
次第に、学校側も、違った角度から子ども達に接することの大切さに気づき、教育県「山口」の復活の重要な施策として、コミュニティ・スクールに期待するようになってきたとのことです。
それでも7,8年前までは、まだ相互に違和感もあったようですが、お互いに徐々にその良さが分かってきたようです。
うまくいっているところでは、先生達も、ほんの一息つける時間にもなる由。
しかし、現在もなお、保護者や地域への浸透はまだまだの状況といったところで、地域による差もある。保護者も無関心なところもあるとのこと。
地域による活動に格差がありますが、うまくいっている例として、 ①長門市の三隅?公民館、②周南市の三ケ丘公民館、③上宇部公民館、④上宇部中学校、⑤岩国市(岩国~島根)、下関市(赤間街道:下関~萩) を例として挙げられました。
仲介役としての公民館やふれあいセンターの役割も大きいが、うまくいっているところは、旧町の伝統を引き継いだり、熱心な教育関係者が館長として頑張ってられる例が多いようです。
やはり、行政の姿勢や熱心な人材の役割が大きいということでしょうか。
最近の新しい動きとして、紹介されましたが、2020年度より県内の全高校がコミュニティ・スクールを導入し、また、「やまぐち若者 MY PROJECTs」 が動き出しているということです。
12校、16チームが参加しており、この12月26日に中間報告会が行われるそうです。
例として、田布施農工高校のシカやイノシシ肉を利用したジビエ、固くなるのを防ぐためのお酒や香酢の利用、さらには子ども食堂チーム。光高校の地域の人との虹ケ浜海岸清掃、回収したカキ養殖用パイプでオブジェをつくり市役所前に展示された。下関北高校のハロウィン用カボチャのランタンづくり、香川高校のたましげ琴製作所と連携した琴による国際親善の試み、などが紹介されました。
さすがに県レベルで見ると、若者たちによる意欲的な活動の息吹も感じられました。
最後に次年度生涯学習推進センターが取り組もうとしている主な事業として、
⓵は全国の状況を知ることができる伝統的なイベントであるが、残念ながら今年度はコロナのため中止になったようです。
②、③はコーディネータやボランティアの養成関係
④は先述のプロジェクトの継続であるが、歳の近い先輩大学生等のメンターとしての活用も考えられているようです。
⑤はさらに、中学生や小学校高学年のJunior層にも対象を広げ、中学生マイプロ「かたりば」の実施などなど、多彩な事業があることを認識することができました。
社会教育の現状は格差があるとは思う。子どもの成長は大きな力になる。いつかまた、郷土に帰りたいと思うような環境づくりを、学校と地域が連携して進めていきたいと結ばれました。
質疑:
○関東から来た印象として、社会教育・生涯教育に対する関心が低いことを感じた。人権学習が多い印象である。ふれあいセンターの職員に社会教育の資格の要件もない。公民館やふれあいセンターが十分な役割を果たしていないのではないかと思う。
→鵜島小学校時代、ふれあいセンターからの働きかけもあり、雰囲気がよかった。上宇部校区でもと思い、ふれあいセンターの職員にも声を掛けて、地域と学校の橋渡しを試みた。地域の側からセンターを動かす力も大事だと思う。
(その2)につづきます。
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