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最近読んだ本の紹介 クジラをめぐる冒険 石川創

2021年01月22日

 今回、この本に興味をもったのは当館の3Fにある学習室に併設してある図書コーナーの新刊として入荷してきた本書の写真をみて面白そうだなあと思ったからです。
 この本を書かれた石川創(はじめ)さんは初めからクジラに興味を持ってこの世界に進まれたわけではありませんでした。最初は「資格をとっておけば将来食べるのに困らないだろう」くらいの気持ちで獣医師の免許をとられたとのこと。大学時代もぼんやりしているうちに人気のある研究室は定員が埋まってしまい、当時あまり人気のなかった生理学教室に入室、その後解剖学教室がクジラの研究を始めるとの話をきいてなぜか「自分がやりたかったのはこれだ!」とひらめくものがあり、なかば強引に研究室の先生にお願いして解剖学教室に移籍されました。大学の卒業も近づいたころ、自分の好きな動物って何だろう?と考えたときに、またしても「そうだ、イルカだ!」とひらめいたそうです。その後、たまたま獣医師を探しているとうわさを聞いた三重県の水族館に就職されます。そこでの生活はなかなか楽しかったようですが次第に「自分はこのままでいいのだろうか?」と考えるようになりました。獣医師としてもっと腕を磨くためには診断や治療の経験を積める職場に移るべきではないか?海の哺乳類をもっと知るためには、研究者の道を進むべきではないか?どちらかを選ぶか悩んだ末に、自分は研究者になろうと決意されます。30歳になる少し前のことでした。
かくして石川さんは日本鯨類研究所に転職され、調査捕鯨の仕事に携わることになりました。
ここからのお話がこの本のメインテーマであるクジラをめぐる冒険のスタートになります。最初は臨時調査員だった石川さんですが、激しい船酔いも克服され、やがて母船の生物調査の責任者となり、ついには船団を率いる調査団長までされています。調査団長は、母船の指令室で日々の調査活動を決定し、船団の各船に指示を出すとともに、状況に応じて調査計画全体を調整する多忙な仕事です。
調査捕鯨は国際条約で認められた制度ですが、捕鯨に反対する海外の環境保護団体は日本の活動が国際的な決まりを守らずに、調査を理由に商業捕鯨を続けている様に映り激しく調査の妨害を繰り返しました。その苦労話が本書に詳しく書かれています。
捕鯨に反対する人々にも日本人やノルウェー人が捕鯨を行い、クジラを食べることを、ヒンズー教やイスラム教の食習慣と同じく多様性の1つとして受け入れることができたら、きっと捕鯨問題もここまでこじれることはなかったのではないかと石川さん。
そんな中で日本から帰る途中、東日本大震災が発生し、調査船団にも多くの被災地域出身の若い乗組員がいた。インターネットからわずかに入手した報道記事の中に想像を絶する惨状の被災地の写真もいくつかあったが、がれきの山となった故郷の姿は最後まで彼らに見せることができなかったとのことです。
 2012年7月 「クジラの街」を掲げる山口県下関市に新設された(公益社団法人)下関海洋科学アカデミー鯨類研究室室長に就任し、クジラの研究や情報発信に努められた。
 「動物福祉」から見た捕鯨として、国際捕鯨委員会(IWC)では「すべてのクジラに対し爆発モリを使用すること」などが規則として定められていて、クジラは殺す手段が国際的に定められている世界でも珍しい野生動物です。その意味では、狩猟の世界では捕鯨が最も動物福祉に配慮されていると言ってもいいでしょう、と石川さんは言う。
 60歳になった時、残念ながら市の財政難もあり、2020年3月、下関の研究室が閉鎖された。
 現在は和歌山県にあるイルカ飼育施設で獣医師の仕事をされています。
「60の手習い」状態で、自分よりもずっと若い獣医師の先生の下で、新人として一から勉強し直しておられます。今までの仕事とはがらりと変わった
仕事は毎日刺激に満ちていてとても充実しているとか。
石川さんの「人生は冒険」と言えるような生き方に興味を持ち、読了しました。
私も何かに挑戦し続けて人生を楽しみたいと思いました。
(文責:山本和) 

もくじ

はじめに
第1章 クジラはどんな生き物か?
    「クジラ」という生き物は一種ではない
最大のクジラ、シロナガスクジラ
恐竜よりクジラのほうが大きい理由
ハクジラ類で最大のマッコウクジラ
クジラとイルカは何が違う?
クジラとサカナは何が違う?
クジラは昔、陸で暮らしていた!
足はないけど、骨はある
サメとイルカの姿が似ている理由
子供は一頭ずつしか生まない
長い旅をしながらの子育て
海水を飲むか、飲まないか
脳を半分ずつ眠らせている!
ヒゲクジラの「ヒゲ」は何のため?
生き物に「絶対」はない!

第2章 南極海にクジラの調査へ!
    獣医師を目指した大学時代
    「やりたかったのはこれだ!」
    水族館の獣医師になる
    お気に入りのアザラシたち
    “物知り”になりたくて研究者の道へ
    調査捕鯨の現場に飛び込む
    新米調査員、人生の大冒険へ
    5ヵ月間ずっと船の上
    船団を率いる調査団長に
    環境保護団体とのたたかい
    なぜ取り締まれないのか?
    日本に帰る途中、東日本大震災が発生

第3章 なぜ捕鯨問題は解決できないのか?
    人とクジラの長い歴史
    昔はみんなクジラを食べていた
    欧米の人々が食べなくなった理由
    鯨油の争奪戦と、その終わり
    日本人はなぜクジラを食べ続けたか
    戦後の食糧難を救ったクジラ肉
    現代の捕鯨とクジラ食事情
    もう一つの捕鯨国ノルウェー
    クジラを捕るのはいけないこと?
    クジラは絶滅の危機にある?
    捕鯨は残酷な行為なのか?
    「動物福祉」から見た捕鯨
    クジラは特別な生き物?
    捕鯨問題が解決できない理由
    国際捕鯨委員会(IWC)を脱退
    多様性を受け入れるということ
    事実は一つでも、真実や正義はさまざま
    
おわりに ~第2章の続きとして~




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