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未だ混沌を極めるアメリカ大統領選挙戦、トランプ政権からバイデン政権へと交代した場合、環境問題・気候変動問題対策はどのように変化するのか?
2020年11月15日
アメリカ合衆国の大統領選について、現在も連日メディアで報道されています。
民主党のジョー・バイデン氏が勝利したとされていますが、トランプ政権側が敗北宣言を出しておらず、いまだに世界中から注目を集めている状況です。
そんな中、CNNの日本語版ニュースサイトでバイデン氏が掲げる10の気候変動対策について取り上げられていました。
〇石油やガスの操業でのメタン汚染に制限を設ける
〇100%クリーンエネルギーで排出ゼロの乗り物の普及を目指し、連邦政府の調達システムを使う
〇米政府の建物や施設をより効率的で気候変動に対応したものにする
〇既存の大気浄化法の施行を進め、新たな燃費基準を策定して交通機関による温室効果ガスの排出量を削減する。これにより小型車や中型車の新車は全て電動化され、大型車については毎年改善されるようにする
〇先進バイオ燃料などの液体燃料への取り組みを強化し、農業が気候変動への解決で重要な役割を担うようにする
〇電化製品やビルの効率性に新たな基準を設け、排出量や消費者のコストを低減する
〇温室効果ガス排出や気候変動の影響を検討するための連邦の許可に関する決定を求め、全ての連邦インフラ投資で気候汚染が減るようにする
〇公開会社に自社の操業とサプライチェーンにおける気候変動リスクと温室効果ガス排出の情報開示を求める
〇2030年までに生物の多様性を保護し、絶滅の進む速度を遅らせ、米国の土地と水の30%を保全する
〇2030年までに北極野生生物国家保護区を永続的に保護し、国立公園や国定記念物を設置し、公共の土地での新たな石油やガス掘削の許可を禁止し、気候コストや森林再生を進めるプログラム策定を踏まえた使用料に修正し、連邦の土地や水域での再生可能エネルギーを開発し洋上風力発電を倍増させる
出典:CNN「https://www.cnn.co.jp/usa/35162464.html」
バイデン氏は就任初日よりこれらの政策を実施していくと述べているそうです。
トランプ政権からバイデン政権へと移行することが、我々の生活にどのような影響を与えるのかは誰しも興味を持っているとは思いますが、環境問題に関してはどうなのでしょうか。
もともとトランプ氏は環境問題に関して、気候変動問題に関する国際的な枠組みであるパリ協定からの離脱、石炭火力発電所における炭素排出規制の緩和を実施したことなど、環境改善に向けて良いとは言いがたい施策が多かったように思います。昨年7月に会見で自身の政権が環境問題に対してどれだけの成果を上げているかをアピールしたものの、各方面から多くの非難を浴びる結果となっています。
また、トランプ氏の前任であるオバマ氏は、2国だけで二酸化炭素排出量世界全体の半分近くを占めているとされる中国・米国における環境問題・エネルギー問題に関する協力関係を結び、強化しました。しかし、トランプ政権はこの強固になった協力関係も継続しておらず、気候変動対策に対する関心の薄さを感じずにはいられませんでした。
バイデン氏は、これらのトランプ政権の環境問題、気候変動問題に対する取組みを強く非難しています。先に述べた10の気候変動対策の他にも、2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロ達成というスローガンを掲げており、コロナ禍で落ち込んだ経済の回復と環境対策を両立させ、良質な雇用を創出することを最大の目標としています。
さらにトランプ氏が脱退したパリ協定へも早急に復帰する方針であり、世界の脱炭素化をリードしていくとも述べており、環境対策に対して就任第1期の4年間に2兆ドル(約210兆円)に上る巨額投資を行うというプランを掲げています。
当然ではありますが、これらのプランはあくまでバイデン政権の理想であり、大統領に就任しても実現するとは限りません。しかし、それでも世界最大の国であるアメリカ合衆国が環境問題・気候変動問題に積極的に取り組むようになれば、世界中に与える影響も大きいのではないでしょうか。
大統領選の行方とともに、注目していきたいです。
(Y.Y)
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