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最近寝る前に読んだ本2冊から、「生き方」について考えてみました。

2019年08月03日

最近寝る前に読んだ本2冊、山折哲雄著「さまよえる日本宗教」中公文庫(2013年8月刊)、森本哲郞著「生き方の研究」PHP文庫(2004年6月刊)

お盆のシーズンも近いですが、最近はお寺離れや、墓じまいの動きが年々大きくなっているように思います。

山折先生の本は、自らもお寺で生まれ、長じて仏教哲学の第一人者として知られる方ですが、そのような観点から、書かれた本です。

日本の様々な教団から発せられるメッセージが形式的なものにとどまっており、色々な苦悩を抱える人びとの心をとらえるものではないことが指摘されています。

仏教にせよ、キリスト教にせよ、宗祖の原点に立ち返って、人びとの期待に応えられるのでしょうか。

持続可能な世界の実現を模索する上で、宗教自体も、あるいは宗教こそ先ず、変わるべきであると思われます。

ここでは紹介しませんが、内村鑑三が、クリスチャンである前に武士であるという、さむらいクリスチャンを自負していたと言うことは知りませんでした。

また、第5章科学と宗教の、カオスとコスモスの節で、米国の禅人気の中で、個人の自由に気をとられ、倫理を置き去りにするカオスの傾向が懸念されることが指摘されていました。

森本哲郞さんの本も東西の歴史上の人物の生き方を紹介する大変興味深いものですが、兼好法師の人生の過ごし方、は古くローマ時代のセネカも全く同様の指摘をしていることは印象に残りました。

また、16世紀、非常に勢いのあったスペイン帝国が世界の冨を集めた割には、一般民衆は貧しく悪もはびこったということ、古今東西、あまり変わらない状況があるなあという感想を持ちました。

ここでは触れる余裕はないですが、先の米国の禅にも関連して、中国の孔子、老子の教えは、東洋の倫理や生き方に、大きな基盤をあたえてきたことは言うまでもありません。

義務教育の段階で、道徳教育が重視され教科化が図られる中、子ども達にぜひ教えなくてはならない道徳や倫理は何なのか、十分な議論が必要ではないかと思います。

猛暑の中、仕事にならないので、たまたま行き当たった動画で、ギリシャ時代のストア哲学の教えをわかりやすく説明しているものがありましたが、ブッダの教えとほとんど同じと言うことに驚きました。
https://www.youtube.com/watch?v=kvPu9iZ2hxw
哲学入門13 ストア派の禁欲主義とは? 白坂慎太郎

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