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二つの環境系NPO法人の比較をしてみました。

2018年05月08日

先日うべっくるのFBで同じ環境系NPO法人としてのうべ環境コミュニティーと大分中津で活躍されている「水辺に遊ぶ会」の比較を簡単に紹介しましたが、今後のまちなか環境学習館 “銀天エコプラザ” の運営や、指定管理者であるうべ環境コミュニティー(UKC)の経営の今後を考える上で、大変大事なことなので、もう一度ブログでまとめることにしました。

まずは、概略的な、両NPO法人の比較表です。
主要業務はUKCの場合、銀天エコプラザの指定管理業務です。これに大部分のエネルギーを費やしています。この業務の中でSNS“うべっくる” の管理があり、これはそれなりの情報発信力があるので、情報伝搬力はまだまだ不十分ながら、やりがいのある部分です。一方「水辺に遊ぶ会」の場合は、中津干潟・海岸林・河口域湿地などを環境学習や環境啓発の場として活用され、20年前から非常に充実した活動をされてきています。

ヤフーやグーグルの検索で、それぞれの名前を入れてヒットする件数は、社会的影響力に比例するように思いますが、UKCの場合16万件に対して、水辺に遊ぶ会は31万件であり、面白いことに、環境活動用の資金(H28年度)それぞれ300万円と、600万円に比例することがわかります。
ちなみに「うべっくる」と入れてみると、50万件であり、それなりにがんばっているとは思われます。

情報発信は、ほとんどポータルサイト「うべっくる」を通して行ってきているので、UKC本体のHPの管理は全くおろそかになり、今後この改善工夫に留意する必要があると痛感しています。

NPO法人の公表されているデータベースから両法人の平成28年度の活動計算書を比較してみます。表面的には読みにくいところがありますが、3,4点特長の違いをみると、
①まず経常収益の計は、UKCでは1千万円を超えています。これは約750万円ほどの指定管理料があるために、この年度は環境省プロジェクト250万円を受託したために初めて1千万円を超えました。1千万円を超えると2年後に消費税を支払う義務が生じます。平成30年度にはおそらく30万円以上の消費税支払いを覚悟しなくてはなりません。

②また、経常費用中の人件費は527万円と大きいですが、これは学習館の運営のための人件費であり、UKC本体の運営の人件費はほとんどゼロの状態です。

これに対して、水辺に遊ぶ会の場合は

①経常収益の計は717万円です。
また、寄付も65万円と、社会から大きな支援を受けていることがわかります。UKCの場合は寄付金収入は6万円にしかなりません。

③うべ環境コミュニティーでは、平成28年度法人税等を30万円払っています。理事等の無償労働を有償とすれば、とても黒字は残りません。

この6年間の指定管理業務を関係理事等の無償労働によって支えてきた事によって蓄えた正味財産が帳簿上200万円残っていることになります。

学習室の利用者からいくらかでも利用料金をいただいているならまだしも、この指定管理業務が収益事業であるという、法的な位置づけにも納得かないところがあります。

これに対して、「水辺に遊ぶ会」でも経常費用における人件費は380万円ほどあり、法人税等を7万円程度払っておられます。

法人設立が平成18年ですので、11年間の活動で、178万円の正味財産を残しています。

両法人ともいずれも健全経営と言えると思いますが、うべ環境コミュニティーの主力は、まちなか環境学習館の指定管理業務に注がれ、しかも、環境学習というより、朝の9時から夜の9時まで、受験勉強等の学習室の管理(土日祝日開館、火曜日のみ休館)に宛てられているのが実態といえます。

これに対して、「水辺に遊ぶ会」では、本来の環境学習・啓発。調査業務にほぼ百%エネルギーを注いでおられるようで、われわれはその経営手腕も学ばなければならないと思います。

なにより、一枚目の比較表で、NPO活動を担う主たるメンバーが、UKCの場合はシニアで、年々活力が低下していく傾向があるのに対して、「水辺に遊ぶ会」の場合は、若いご婦人を中心に活動されているということです。

地方行政の財政状況が厳しくなる中、NPO等に期待される向きはますます大きくなりますが、ボランティア団体が持続していくための課題に対して、行政や社会の理解がほしいと思います。

無償でもやりたい、やりがいあることは無償でいいが、できればやりたくない面倒な仕事については、必要最小限の有償にできる体制を整備することが不可欠であると痛感するこの頃です。

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