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中津干潟「水辺に遊ぶ会」足利由紀子さんの講演の続報です。

2018年05月01日

なかなか発想が豊かなのは、そのたこ壺を自分たちでつくってみようと、実際に試みられたことです。はじめは海に入れておくと、崩れてしまったとのことですが、漁師さん達も次第に乗ってきてくれ、イベントのあと、イイダコとバクダンおにぎりで交流会もできるようになったそうです。

冬には初めてのノリ漉き体験もされました。

足利さん達、「はじめは漁業権のことも知りませんでした。」、漁師さん達「だからカラス姉ちゃんはだめなんじゃ」という会話もおもしろいですね。

姉ちゃんは良かったですが、カラスはちょっと失礼かなぁ、せめてシギチドリかズグロカモメか・・・

ですが、「一方的な片想いから」 はじめて、ねばりづよい努力で、徐々に相互信頼関係を築いていくことができたようです。

やっぱり女性たち、若いお母さん方のパワーすごいですね。

漁師さん達を応援するために、「水辺に遊ぶ会」がめざしているものとして、
①地産地消の推進(地元の魚貝類をきちんと評価して食べてもらう)、
②環境学習や漁業体験(こども達に海の恵みに対する感謝をもってもらう、自然体験を通してこども達の心を育てる、将来後継者となりうる人材の掘り起こし)、
③積極的な発信(地域の水産業への理解や地域振興につなげる)
があげられています。

漁師さん達との交流で、足利さん達が学ばれたこととして、
①自然環境やそこに棲息する生き物だけを守るのではなく、漁業者が持続可能な漁業を続けることができる海も守りたい、
②漁業者と自然保護団体は相反する目的や利害の下に活動しているわけではないし、きちんと話し合えば理解できる、 
ということでした。

中津のおもな漁業は、採貝、ノリ養殖、小型底曳き、カゴカゴ漁ですが、豊前海のアサリの水揚量を見ると1985年の約27000トンをピークに1990年には2000トンと急減し、2007年からはほとんど獲れなくなっている。

山口湾と同様の厳しい状況にあります。

ところで、水辺に遊ぶ会は、長年の夢だった環境学習と干潟保全の拠点、中津ネイチャーセンター「ひがたらぼ」 を、2016年8月、中津市東浜に設立されています。
15m2という決して広い空間ではないですが、多角的に有効利用されているようです。

同会の活動で特筆すべきこととして、大学等の研究者と連携して、学術研究レベルの調査研究を実践されてきていることに驚きます。
この3月4日には、学会のような中津アカデミア第2回研究発表会が同会の主催で開催されています。

講演の最後に、「生きもの元気、子どもも元気、漁師さんも元気!
100年後の中津干潟を目指して、まだまだ片想いは続きます。」 とされました。
中津の漁師さんしあわせですね。

今回、足利さんのお話を聞くことができて、大変考えさせられることが多かったです。
われわれも、山口湾河口域・干潟自然再生に15年ほど携わっていますが、山口県の自然保護課に置かれた、同協議会の事務局に頼って、それなりの取組が継続していますが、本当に学ぶことが多いです。
若いお母さん方のパワーで、民間主導で行われてきた、中津の「水辺に遊ぶ会」の取組には脱帽し、敬意を表します。

山口市でも、地元でこのような情熱とパワーをもったNPOが出現することを期待したいものだと思います。

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