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12月26日のサロン第二部「漁業再生の取り組みと周防大島を有機の島に」の概要です。

2016年01月10日

第14回環境サロン第二部は場所を大島北岸から南岸の東安下庄に移動し、長年EM液の散布による里海再生などに取り組まれてきた浦上卓三さんと、最近Iターンして西安下庄の源明の棚田を復活させた石田俊文さんのお話を原公民館でお聴きした。

以下浦上さんの配付資料より、
1.周防大島の漁業の現状と未来
 周防大島は山口県東部に位置し、40年前の1976年に大島大橋が開通し、本土と陸続きになる。戦後間もない1947年の人口は68776人であったが、2015年には17746人となり51000人の減となった。過疎化、高齢化の影響を大きく受けた地域であるといえる。
 水産業に関しては、この島には7つの漁協があり、その中の一つの山口県漁業協同組合安下庄支店の1983年の正組合員数は157名、水揚げは4億5600万円であったが、2013年にはそれぞれ48名(うち安下庄は15,6名)、1億5200万円と3分の1に減少した。

 浦上さんは、現在の都市集中、地方衰退の現象の大きな原因は競争社会と高度経済社会による少子化のもたらすものが大きいが、そうした現実の中でも経済第一としないで、家族とのゆとりある暮らしを求めて、都市から地方への移住者も多くみられるようになった。このような傾向は時代を先取りした正しい選択であろうと考えておられる。

 以下、ご自身が取り組まれてきた山口県漁業協同組合安下庄支部青壮年部による「瀬戸内海再生プロジェクト・イン・安下庄」の活動についてであるが、有用微生物(EM)活性液を河川や海に投入して、瀬戸内海の再生を個人で始められたのは1998年からである。

 1997年にはほとんどゼロに近かったイリコの生産が2001年には9千万円まで回復した。このように長い間、時間的、金銭的に個人としては最大級の働きをしたと思っていたが、「行政も漁師もその実践に対して、誰も認めようとしない」との思いがあり、自分がボランティア活動に見返りを求めていること、あるいは、上から目線の自分に気づき、自分の意識をこれ以上悪くしてはならないと思った。

 以後無理をせず、楽しくできるくらいのことをするようにしながら活動を続けていた。そのうち、意識の変化に出会い、力がついてきたところで、植物プランクトンを増やすためには有機質と微量のキレート鉄が不可欠であることを畠山重篤さんと松永勝彦さんの著作から学び、また、EM団子の赤穂市松崎勇一さん、EMによる独自の環境浄化を実践されている青森の木村将人さんとの再会があり、フルボ酸鉄も重要であることを知った。

 2013年度に漁協に青壮年部を立ち上げ、2014年度には134万円、15年度100万円の予算が付き、補助金事業としての活動をしている。
 具体的には、漁協青壮年部と農協婦人部が一緒になって米ぬか、木炭、鉄粉、光合成細菌、EM活性液などで発酵資材(ボカシ)を製造し、みんなで作った「鉄炭入り米ぬか発酵資材」や醤油の搾りかすを海に投入した。
 昨年H26年度のデータでは10月終わりの投入後の11月24日には植物プランクトンの濃度は3か所で大幅に増加していた。

 なお、里海の生産力の低下している原因は、栄養不足、有用微生物の減少のほか、下水処理水や浄化槽の塩素消毒も悪い影響を与えているのではないかと考えているとのことである。

2.周防大島を有機の島にする
「豊かな里海は豊かな里山から」の理念で「周防大島を有機の島にする会」を立ち上げられ、浦上さんが会長、石田さんが副会長を務めておられる。
 周防大島には理想の生き方を求める移住者が多くみられるようになり、会では、その理想の島に定住しやすくするための支援活動も行っている。
 行政の支援は有機農業を目指したものではないことも承知しているが、大島がいずれは有機の島になることを願っている。ミカンにしても、味の濃いおいしいミカンを生産しないといけないと考えている。

 大切な考え方として、金もうけのため殺菌消毒する考え方、そういう生き方の行く先にある「我がためには他を排除してもいい」という今日の世界の正義感の行き詰まり、を何とかしなくてはならない。競争社会から、微生物と始まる共存社会を実現したいとの思いを語られた。

 ここでも、宮本常一の考え方が生きており、一昨年は「周防大島の教育を考える会」「瀬戸内海再生プロジェクト・イン・安下庄」「周防大島を有機の島にする会」、安下庄に国内外からのヨットの寄港地をつくろうとする「安下庄 海の駅をめざす会」と、合同忘年会を開催されたそうである。

以下、源明の棚田を復活させた石田俊文さんのお話
フォトジャーナリストの那須圭子さんによる「平さんの天空の棚田」を読んで触発された。祝島で、祖父から3代にわたる棚田を守り続ける平萬次さん(80歳)とその家族の物語である。樫の棒1本で急傾斜に石垣を築いた時代もあったという。60歳を過ぎると棚田の維持は大変になる。
 石田さんは2014年4月に東京から大島に移住され、西安下庄源明の棚田を復活されることになる。
 むかしの棚田の写真を見たくて探したが、なかなか見あたらなかったが、宮本常一著「海の生活誌」アチックミューゼアム刊の中に写真を見つけた。
 また、国土地理院の航空写真から、棚田の変化を見ることもできた。1962年ごろからそろそろ米からミカンに代わりつつあり、1980年になると耕作放棄地が目立つようになっている。 

 1年目はすっかり荒廃した棚田の整備に費やした。まず繁茂した竹や葛を根から取り除く必要がある。竹は地上部を焼いてから、ユンボで根を抜いた。何かわからないイモのようなものもあった。これらは燃やして土に還元した。
葛などをしっかり取り除くと、立派な石垣が現れた。3m位の高さがある。


お米を作るには、棚田に水を張れるようにすることが大事だ。水は貴重なので、新入りに譲ってもらうのはむずかしい。谷川の水を40m程パイプでひっぱって引いた。
平さんも棚田の米作りで。田植機や耕耘機を使われているようだが、自分もやはりそのようにした。要所要所でとくに福本卓雄さんに助けていただいた。

 2015年10月22日に稲刈りをし、みんなに手伝ってもらってハゼかけをした。雨に濡らさないように、シートをかけたりしながら、気を遣い、福本さんのところで籾摺り、精米をしてもらい、ようやく11月1日に収穫祭にこぎつけた。

  ショックだったのが、今頃のこども達はイネの切り株がわからず、「これなに?」と訊かれたのには驚いた。食育は大切だと思うし、今後は有機農業で野菜などもつくって行きたい。

( 福本さんのFBコメントから引用)
周防大島安下庄地区の最深部にある源明の棚田は昭和30年代は自然の地形を利用した見事な石組の棚田が広がっていた。一部がミカン畑として利用されているが大部分が放棄地となり雑木とカズラに覆われた竹藪になって、今は1軒の農家が残っているだけ。そこにドン・キホーテよろしくIターンの石田さんが現れ、孤軍奮闘した結果このような見事な水田が復活した。

質疑では
Q: 鉄炭入り米ぬか発酵資材 の原料の割合はどのくらいか
A:米ぬか1俵分?に対して、鉄1kg、炭3kg、EM活性液(2千円/Lの原液を使用)2~3Lを混ぜ、pHが少し酸性なので5~6に調整する。

Q:農業経営で、自立できるのか。
A:米作りを中心に自立するには少なくとも6,7町歩の規模が必要。六次産業というが、ジャムづくりなど成功例は多くはない。
 食べていける。30年渡海でビジネスの世界にいた。東京での生活費に比べると、こちらでは10分の1ですむ。要はライフスタイルの問題だ。初期投資はいくらか係った。竹チッパーも140万円で購入した。

Q:お米の品種は。わらはどうするのか
A:米の品種はヒノヒカリとイセヒカリだ。わらは他の用途に使い、有機物として米ぬかと竹粉を田に戻す。

浦上さんのボランティア活動に対する考え方、石田さんの新しいライフスタイルに挑戦される確かな姿勢に感じ入りました。おみやげにおいしいミカンもたくさんにいただきました。大変ありがとうございました。

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