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9月10日の環境サロン「心の教育の推進」の概要です。

2015年09月21日

第6回環境サロン 「心の教育の推進」松岡修司さん(山口県教育庁義務教育課指導主事)
日時: 9月10日(木)18:00~20:00   場所:まちなか環境学習館
司会:山切睦彦  概要作成:浮田正夫

 基本的な礼儀や倫理が、持続可能な社会をつくる上でも非常に重要な課題ですが、学校教育において、道徳教育がどのように行われ、またその強化に向けて国や県ではどのような検討がはされているのか、県政出前トークを利用して松岡修司先生にお話をしていただきました。なお今回も動画の配信はないので、詳しい目の概要になっています。

要旨(理解を容易にするため、概要作成者の方で一部編集や補足を加えた部分もあることをご了解ください。):
 こういう地域の方々の前に話す機会は少なく、われわれにとってもありがたい。自分は教育行政の中で、道徳教育の担当であり、地域担当もある。道徳教育については、研修会を開催したり、研究モデル校を指定して、そこでの研究成果に基づく普及活動などに携わっている。

 道徳教育はもう数十年前から始まっているが、休み時間や給食時間を含む学校教育全体で取り組むものと位置づけられてきた。一番時間を費やすのは授業である。小学校の学校教育は、以下の5領域から構成されている。
1)教科、2)道徳、3)総合的な学習の時間、4)特別活動(学級活動、クラブ活動、学校行事など)、5)外国語活動(5,6年生のみ)

 道徳の授業は週1回35回ある。小学校は平成30年度、中学校は平成31年度から教科になる予定である。教科になったら、何が変わるのか。
 教科には、1)国から検定教科書が無償配布される、2)先生に免許がある、3)数値的評価がある の3つの要件がある。
道徳教育は、このうち1)には当てはまるが、2)、3)は必ずしもなじまない面があり、特別の教科・道徳という名称がついている。「教科への格上げ」という表現は適切ではない。また従来通り、道徳教育は学校教育全体で取り組まれることには変わりない。

 先生によって、内容がまちまちであってはいけないので、学習指導要領が示されている。
 学習指導要領解説道徳編(http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/
__icsFiles/afieldfile/2015/03/27/1282846_03.pdf)には、道徳の内容として
1)自分自身に関わること、2)他の人とのかかわり、3)命や自然に対する畏敬の念、4)集団や社会とのかかわりに関すること が上げられている。今後はそれぞれA、B、D、Cとなって3と4が入れ替わり、自分、他の人、社会、自然の順になることになっている。
(上記の解説では、それぞれの内容の項目として、たとえば小学校低学年では、1)では、基本的な生活習慣に関すること、思いやり・親切に関すること、など4項目、2)では、礼儀に関すること、友達と助け合うことなど4項目、3)では、命の尊さ、自然のすばらしさなど3項目、4)では、社会のきまりと公徳心、働くことの大切さ、伝統文化の尊重と郷土愛、国際理解など8項目の項目が上げられている。)
 道徳の内容項目は今年の3月改訂で、小学校低学年で16から19項目、中学年で18から20項目に増え、高学年で22項目で変わらず、中学校では24から22項目に減っている。
内容項目のねらいを外してはならないが、週1時間でも、年間35時間あり、何を教えるのか、上の内容項目中、どれを重点項目として時間を増やすかなど、考えなければならない。学校が指導計画をつくることになる。

山口県ではコミュニティースクールに力を入れており、地域の人とのかかわりを進めている。仕事の経験、郷土愛とか、たぶん環境について、先生としてではなく、グループ討議に加わってもらうやり方もある。子ども達は地域の人の話には耳を傾けるし、また逆に大人が子ども達から考えさせられる意見を聞くこともある。

すでに2年前から、国から教材として、「私たちの道徳」という読本が小学校低学年用・中学年用・高学年用、中学校用の4種類が出され、全ての生徒に配られている。道徳の授業時間だけでなく、全ての時間でもこれらを活用することもある。2年半後に検定教科書になっていくことになるが、教科書は主たる教材であり、そのままを教えなくてはならないということではない。
 また業者から副読本も出されていて、。副読本に載せられている読み物を使う場合もある。新聞記事、ビデオを題材にしてもいいし、地域の人から話をきくことがあってもいい。ただ内容項目のねらいからブレてはならない。

  最後に、小学校低、中、高学年用、および中学生用の「私たちの道徳」にざっと目を通す時間がとられ、「命の大切さ」について、1・2年生、3・4年生、5・6年生それぞれこども達の発達段階に合わせたようになっていることが説明された。その後、小学校高学年用の本の1節「自他の命を尊重して」のなかから「その思いを受けついで」という、可愛がってくれたおじいちゃんの最後を看取った小学生の作文を、先生自ら朗読された。
また、道徳教育の授業をしていて、こども達がこんなことを考えているのかと思うことがあり、ふり返りを読むのも楽しみで、35時間の道徳の授業は自分にとっても大切だと思っている。

質疑:
Q:道徳の評価は実際にはどうしたらいいのか。35時間の授業時間が大事なのか。今後も全体の時間の中での子どもの達の成長とかも考慮して、評価するのかどうなのだろう。
Q: いまでも道徳の成績評価は行われているのか。保護者にはどう伝えられているのか。
A:今でも行われている。新たに入ったということではない。通知表に書く様式になっていなかっただけ。評価が必要であることは学習指導要領にも書かれている。先生が生徒に節目節目で感想を返すことも評価である。保護者には、「行動所見」という形や懇談時にで伝えられている。国の方でも、評価の方法については、現在本格的に検討中である。 
改正指導要領でも、数値による評価は無理で、記述による評価になる。また、内容項目の4つの大きい括りごとにまとめて書くことになる。指導要録の書き方、通知表の書き方などは今年度中に示される予定。

Q:思いやり一つとっても、評価の判断が先生によって変わってきて、むずかしいのではないか。
A:その通りで、内容項目全てを網羅的に評価をするということではなく、生徒のいいところに着目し、成長したところを評価することになるのではないか。その子の良さを認めてやらないと、その子の成長につながらない。子どもに丁寧に伝えていくことが大切である。

Q:実際こども達はどう受けとめているのだろうか。大人からの押しつけにならないか。
A:学校によって格差が大きい現状であると思う。
Q:道徳教育における地域のかかわりはどうか。
C;宇部市でもコミュニティースクールを進めているが、地域の人が道徳の授業そのものに入っている例はない。
A:山口や周南には例がある。多様な価値観が大事。「親切」も今はそっとしておくのか、困っているのでが親切であることもある。
 地域差があるということは重要な点で、この教材自体は配られたが、これだけでは量的に不十分で、副読本で補う場合、全国的にみて、保護者に買ってもらう場合、市が買う場合などまちまちである。
 そのため、検定教科書を国が配布するという意味があることになる。県や市が副読本的な地域教材を用意する場合もあるだろう。

Q:さきほど朗読された部分では、最初にこども達にかける一言は何ですか。
A:大事な点で、授業では発問を必ず考えておかなくてはならない。読み終えてから、こども達の反応も見ながら、発問のしかたも変える。どのように読めばいいのかということも様々で、むずかしいところ。

Q:教科となってどう変わるのかが、まだよくつかめない。こども達の変化を評価して上げることが重要と思う。頭のいい子が、いいことを書くかもしれないが、日頃の振る舞いを見て評価することも大事。
A:教科となっても大きく変わらないと考えていいが、考え、議論する道徳を考えているようだ。地域差をなくし、こども達にも満足感が得られるものにしていくことが求められる。行動や変化を見るべきというのはその通りだ。道徳の授業時間は道徳教育の要だが、他の時間も全て関わってくる。

Q:家庭教育がすごく大事だが、なかなか大変な家庭もあると思う。
A:実践的な指導と内面的な指導がある いじめがありそうなら、即、実践的対応をとらなければならない。資料を選ぶ場合、個人の思いだけでやるのは気を付ける方がよい。

Q:道徳教育の意義は、将来こども達が人間としてどう生きていくのかが大きい。あまり網羅的ではなく、大事なことが強調されることも大切ではないか。自分の経験では、ar校長先生が「黙々とおおらかな道を歩め」ということを強調しておられたことが、頭に残っている。一休禅師の「サイのごとく歩め」に通じることであった。ロングタームで見て、指導力如何ではなく、もっと簡単なものなのではと思う。
C:小さいとき学校でこれだけ懇切丁寧に教えられたことがない。もっと簡単なことしか教えられなかったと思う。これだけやらないとまともに育たないということか。
A:親が伝えられていないのではないか。
C:時代がそれだけ変わったということかもしれない。最近の親を育てた世代が問題か。

Q:道徳の時間が始まったのはいつ頃か。
A:昭和33年です。

C:大人が子どもに大人が押しつけているように感じた。思いやりや親切にしても、人からしてもらった経験があって、できることで、知識として教え込んでいる印象を受ける。ほめるタイミングも大事だ。
C:見守り隊をしていて、悪い子どもと思っていた子から、あるとき、御礼の手紙をもらった。びっくりしたので、そんことを校長先生に伝えたことがある。
C:校長先生にそれを伝えられたことはよかった。子どものいい変化につながると思う。

C:基本的な大事なことは、しっかり伝えることが大事である。
A:経験を伝えること、現状認識をさせることが大事。
 道徳の授業はむずかしい。こども達と一緒に学んでいくことを楽しめる先生はいいが、他の教科と同じようにこなしていこうとする先生はしんどいし、子どもにも伝わらない。

Q:ESDと郷土愛は矛盾する面があるのではないか。
A:道徳の指導要領には、環境や国際理解も含まれてはいる。
C:たしかに、それも危惧される点だ。郷土や国というような枠組みだけでなく、世界の国々や他の生き物もふくめたようなもっと広い枠組みで考える必要がある。
 これまで行われてきた道徳教育の効果がどのように現れているのか。実際に効果が現れていないとすれば少し問題があるということになるのではないか。
C:学校の教育だけは無理。地域が関わらないといけない。あたらしい展開をしなくてはいけない。地域とこども達のつながりを持って行くことが大事。中学校になると部活などにとらわれて、地域との繋がりが希薄になる。自治会長もなり手がなくなかなか大変な中でむずかしい面もあるが、大事なことと思う。
A:心の先生派遣事業というのが知事の施策の一つとして実施されている。お話だけではなく、振り返り学習もセットにやってもらう。ある学校では、佐藤けいアナウンサーに1時間半挨拶に関する話をしてもらい、その後参加された地域の方や保護者と1時間話し合いをもたれて好評だった由。
C:コミュニティースクールの地域の人のかかわりとしては意外に普通の教科の学力向上より道徳の方が、経験を話すことによって関われるのではないか。
C:3月に話していただいた菊池先生は教室内で生徒同士で効果的な実践をやっておられ、現在は小学校をやめられて全国を飛び回って影響を与えておられる。

Q:下関にも影響力のある先生がおられるんではないか。
A:下関市の川中中学校の児玉先生、一つテーマを設けて、大人を対象にも授業をされる。50m先からでも生徒が全員挨拶し、メデイアが生徒に質問したら、全員が道徳教育良かったという感想だった。

C:学校の先生は大変だったと聞いていたが、改めて大変だなと思った。家庭教育の責任も大きいと思った。
C:小さいときにいい子より、きかん気の子の方が良くなる場合もある。
C:先生にも色んな人がいるのでいい。子どもも言うことを聞かん子もいて面白い。
C:先生というのは素晴らしい職業と思う。

サロンの聴講と、その後の概要まとめの作業を通して、自らの不勉強を恥じるとともに、きちんとした構想の下に行われているのかどうか不安があったが、これについては安堵することができた。
 また、道徳教育だけ取り上げても現場の小学校の先生の大変さが実感できたサロンであった。(文責:浮田)

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