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環境サロン「低炭素のまちづくり」第6回 平成26年12月17日の概要ブログです。

2014年12月24日

「低炭素のまちづくりをどうすすめるか」というテーマで、鈴木春菜先生(山口大学理工学研究科)に話していただきました。

 非常に冷え込みがひどい日になって、少人数の参加になったが、落ちついて密な議論ができたと思う。ただ、とくに前半の理論的な説明の部分はむずかしく、概要作成者の恣意的解釈がいくらか入り込むことをお断りしておきます。

 はじめに、公共政策におけるプランとプラニングのちがいについて、プラニングは計画を考える段階、プランは計画そのものであり、まちづくりにはプラニングの活発な主体と時間・お金・技術等の制約のもとでそのまちに適した施策と適切な取組が必要であるとされた。とくにまちは生きものだから、ダイナミックなもので、時間とともに、プラニング、プランともつねに変化しつづけるものである。
 以下はプラニングの話になるが、問題点として①どういうまちを目指すのかということと、②取り組む主体(人)の問題 があるとされ、後者には計画を立てる人、まちの住む人や社会の問題がある。
 ①に関しては、計画を考える人の間で、目指すまちが異なる場合、あるいはふさわしくない場合にとくに問題となる。このことに関連して重要なことは、プランには階層性があることであり、上位の目的の下位には手段としての事業の遂行が目的になる下位のプランがある。たとえば洪水を避けるという目的の下には、堤防をつくる、その下には測量・地質調査をするという具合である。しばしば上位の目的を忘れ、手段の部分を目的と思いこんでしまうことがあり注意を要する。 
②に関して、社会の問題は、消費社会、流動化、グローバリゼーションなどがあり、このような風潮はプラニングに大きな影響を及ぼす。

プラニングにおける意思決定の方法には、①帰結主義 と ②非帰結主義がある。
目的が具体的であり、予想可能性が高く、選択肢が限られ、費用便益分析で帰結が明確な場合は①、守るべき規範が明確であり、将来の不確実性が大きく、選択肢が多様であるような場合は②に向いている。画して、選択肢を絞り込むときは非帰結主義、最終的な選択には帰結主義を採用することが得策。
 覚悟のない非帰結主義、妥当性の弱い非帰結主義、見通しがあまい帰結主義、選択肢が多すぎる帰結主義、これらの意思決定は、議論がかみ合わずうまくいかないとされた。

 まちづくりにしても環境づくりにしても、現実は施策効果や前提条件が不確実で、分かっていないことも多く、影響予測も簡単ではない。規範的に選択肢を絞りながら、ある程度長い目で見ながら総合的に評価決定していくしかないのではとされた、

 この点でいえば、社会には規律の精神、社会集団への愛着、意思の自律性といった道徳性が要求される。まちへの愛着を持って主体的に、真剣に、かしこくまちづくりを考え、参加する覚悟が要るということか。
 つまりまちは生きものであり、自分で成長したり進化したりする。赤ちゃんを育てるように何時も見守っていくという姿勢が求められるとされた。高名な都市計画技術者の石川栄耀は「社会に対する愛情ーこれを都市計画という」という言葉を残している。

 しかし一般的に自治体がまちづくりのプラニングに取り組む場合、担当者が3~5年で部署を移動するので、帰結主義的になりがちである。社会が管理可能なものと誤認したり、成功事例の安易な模倣、マニュアルの過信、決定後の行動の軽視になりがちである。

一方まちに住む人の思考と行動に関しては、公共の利益と私的利益の選択に係る社会的ジレンマということを考えなくてはならない。
 社会的ジレンマの仮称の重要な方法として、短期的個人的な利益を追求する個人が、時間的、かつ社会的により広い範囲の領域に配慮するようになることを促すことがあるとされた。
 具体的には、社会構造そのものを変革する構造的方略と、個人の心理的要因に直接働きかける心理的方略があり、両方が必要である。前者にはアメとムチがあり、これに偏るとこれでしかコントロールできない人間が増えてしまう。後者には①事実情報を提供する方法、②経験誘発法、③コミュニケーション法がある。
①の具体的方法として、新しい認知を提供する、ゆがんだ認知を矯正する、習慣を解凍する、道徳心を活性化する方法がある。
 自分周りの目先のことばかりではなく、より広く、より将来のことも考えてもらうようにし向ける、外部の情報を自分の行動を正当化するように受け取りがちなので、そのゆがみを知らせる、理屈だけでは人は動かないので、効果的に理屈を伝えるとともに、愛着を感じさせる、満足感を経験してもらうなど、ストーリー性をもたせる、感情にも作用させることなどが重要。
 コミュニケーション法はこれらの総合したものとして、効果的であり、その場合は、丁重さ、わかりやすさ、一面的な一方的メッセージは避ける、具体的どうすべきかをしめすなどに留意する必要があるとされた。

これら3つの心理的方略の行動変容プロセスについて
 福岡県甘木地区での買い物行動の変容でコミュニケーション法を実践され、ある程度、地元商店街の活性化にも効果があった事例が紹介された。

 その後、出雲のまちあるきMM(モビリティマネージメント)に関わり、出雲大社参道周辺の活気をとりもどすためのプラニングの助言者として参加され、成果が得られた例が紹介された。このプランにより、2時間以上滞在した人の割合が40%から90%にまでなり、満足度も79%から95%まで増加した。

 最後にコミュニティー交通の取組が進んでいる山口市の例が紹介された。地域交通政策課が、年間80回もの交通の地域勉強会を重ねる中、地域住民は当初は行政のサービスを求めるという態度であったが、3回くらいは思いをはき出した後、4回目位になると自分たちの問題として対策が議論されるようになったことが紹介された。

質疑:
Q:ヨーロッパでは住民参加のFuture Center というのがあるそうだが、賢い人達がしっかりしたビジョンをつくってもらわないといい計画にならないのではないか。
A:住民参加の例については、身近なところでは山口市の成功例がある。

Q:まわりに引きずられて安きに流れるという腐ったリンゴ効果のスライドがあったが、日本でとくにそういう傾向が強いか
A:西洋の場合は、神と自分の関係があって、少し違うかもしれない。

Q:プラニングの問題点の中で、社会の問題としていくつか挙げられていた中で、「根扱ぎ」というのがあったが、どういう意味か。
A:簡単ではないが、地域社会に根を張っていない人々は、地域に愛着をもてず、無関心になるといった意味。
C:デラシネ、根無し草と近い概念か。若い人が希望を持てないという傾向が問題か。

Q:役所でも、予算を取ることが目的になってしまっていて、その予算は何のために使うのかという目的意識が弱いと思う。行動変容プロセスの3枚のスライドで示された、構造の中で、この予算はこのために使うんだということをよく理解する必要がある。是非、職員にもこういう話を聴いてもらいたいと思う。
A:それらの図は印刷をしたつもりだったが、抜けていたので後で送る。
C:その他にも、自動車依存をもたらす社会的ジレンマを軽減するための新しい認知の提供の図があったが、これもわかりやすい図であった。

Q:環境倫理の重要性を説明するときに、自分を取り巻く環境の枠組みをできるだけ広く考えるということを、説明するのに、自分、家庭、市、県、国、世界、未来世代、自然、と拡がる図を書いているが、空間と時間の二次元で考えることを参考にしたい。
 しかし社会的ジレンマを軽減しても、実際の行動にはなかなか結びつかないと思うが、どうか。
A:結構細かい工夫は必要と思うが、環境はもっと総合的なのでむずかしいかもしれない。
C:案外楽しいということを感じてもらわないと行動には結びつかない。環境啓発も経験誘発法で工夫されたらいいのではないか。

C:出雲大社の参道周辺の変遷と再活性化のお話は、小さい頃の記憶と、3,40年前の記憶から非常に良く理解できた。
Q:この政策はどこが主体でやられたのか。
A:60年の遷宮に合わせて、島根県と市が石畳を整備されて、コミュニケーション法は出雲市がやられた。自分は相談を受けた。ストーリー性も人々の満足度を上げるのに効果があった。

Q:ドクターの指導を受けられた藤井先生の書かれた総説を読んで、非常に優れた戦略をもたれてると感心した。しかし安倍内閣の参与として、国土強靱化計画に関与されていることを知り、残念に思った。やはり、はじめにも話されたように、どういうまちにするかという目標、いいかえれば価値観が一番大事なんだと思う。人間本位の価値観を見直す次期ではないか。
A:国土強靱か計画の詳しい内容は知らないが、画一的な内容ではないと思う。公的な立場なので制約もあるようだ。価値観に関しては、自分としては、真に人間本位ということを追求しようと考えている。

動画は以下で視聴できます。 https://www.youtube.com/watch?v=FhuSKjnrXvI

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