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環境サロン「里山の保全と再生」第7回「里山管理の日常について」古谷孝之さん

2014年02月03日

古谷さんはうりぼう倶楽部の初代会長で、小さい頃から里山に親しみ、里山の暮らしに詳しい。
自分がすんでいるところは上小野の大田川広瀬橋北側の左岸で、自宅と炭窯があり、右岸の国道490号の下側に5反分くらい畑とシイタケハウス、倉庫がある。

コメ、シイタケ、木材も最大限利用している。コメは倉庫で乾燥、もみすりして販売している。幼稚園児に、田植え体験、しいたけ刈り体験、こまうち体験、芋掘り体験をしている。幼稚園やおかあさんたちに産物を買ってもらっている。

里山に何時何がとれるかとか小さいときからよっく知って、走り回っていた。色々な食べ物も得られた。川も家のすぐそばなので、魚とりも良くやった。
山口農高小野分校(定時制)を4年間で出て、測量が得意だった。乳牛の雄を一頭5千円くらいで購入して、育て自分で学費も出していた。卒業して、徳山の測量会社に入った。
周南団地イパス建設の時に、山芋を掘るのも得意だったので、境界杭用の穴を掘るのに役立ち、社長に認められ、東京の測量専門学校で勉強させてもらった。20から30までその会社に勤めた後、小野に帰って自営の会社を始めた。55まで続けたが、後継者もないということでやめた。その間1994年にうりぼう倶楽部が設立され初代会長になった(1999年に小野から市議になられた志賀さんが二代目の会長)当時、宇部市のまちづくりの集まりがあり、小野でも村おこしをしようと、ジオラマをつくり、今でも小野市民センターにある。また有志と、上小野にやびつ山荘をつくって、半分商売、半分ボランティアの活動をしている。今もその一員として、シイタケ、米、木炭などを生産している。

山川の恵みを全て利用している。山について言えば、
シイタケは2万本の原木椎茸栽培をしている。本当は山で育てれば自然でいいが、サルが出て、シイタケを食べられるので、ハウスを建てて、寒冷紗をかけ、ビニールをかけて栽培しているのでコストもかかる。
原木としてはナラが主、クヌギは小野にはあまりない。ナラを根倒しして、根の太いところは、薪にして販売する。節のあるところなどは薪ストーブ用の薪にする。
ハウスに販売所を設けていて、そばの太田川の桜並木が見える。
11月くらいからナラを根倒しして、15年生くらいならいいが、あまりない。
5cmくらいの木でも1年でシイタケができる。倉庫に入れて水につけて、年に6回ほどくりかえす。2年くらい経ったらもう糖質はなくなる。
5cm以下のものは炭焼きの釜の上の方に詰めるのに使う。5、10cm以下のものはチップ工場もとらない。
木炭の需要は焼き肉や焼き鳥屋さんで多くなっている。25俵焼くが、カシの一級で2700円、年間6万か7万になる。土釜なので少しずつ土が空いて来て、炭の歩留まりが悪くなる。

次に、川の話だが、内水面漁業協力委員会で、協力金をもらったが、酒代に変わったか、今は漁業権は宇部市移っている。厚東川ダムも60年経って、あと40年もすれば堆砂で貯水量がなくなるのではと心配する。
 ダムには遡上できる魚道がないので、魚は随分減った。ウナギはわれわれが末信あたりでシラスをとって上流に放流している。市はワカサギとウナギは放流するが、昔はアユも市がやっていた。今はアユは自分たちでやっている。太田川愛護会が有志でお金を集めて、稚魚を放流している。一時はずっと椹野川から入れていたが、内水面の費用で鹿児島県にも研修に行き、昨年からは愛媛県から、陸封アユを仕入れてやっている。市の方にも補助をお願いするが、答えてくれない。水道水源涵養基金を3円なり5円なりに増額して、補助してもらえることを要望している。
 外来魚のブラックバスにも釣り大会など実施して取り組んでいる。一時ほど大きなものは少なくなった。数はブルーギルの方が多い。ブルーギルは5月から10月までは入れ食い状態である。ゲンゴロウブナ、ひれに点々があるのでゴマブナといっていたが、これはいま時分にとって背ごしにするとぶちおいしい。外来魚のためだと思うが、これもまったくいなくなった。ほかにもウナギも少ないし、川の恵みはどんどん少なくなっている。

議論:
○シラスは末信の取水積あたりまで上がってくるのか。変動はあるのか。
→上がってくる。変動はある。一昨年はよかった。

○陸封アユというのは、海で育つ代わりにダム湖で育つのか。
→そうだ。普通のアユは海で大きくなって卵を産みに川に上がってきて、秋、産卵したら死ぬが、陸封アユは死なないということなので、次第に自立してくればいいと思っている。琵琶湖はふつうのアユ。

→竹には困っている。小野でも1/3くらいは竹に侵入されている。1人1日30本くらいしか倒せない。これからはナラやカシなどのドングリを植えていきたい。水源涵養基金などから補助があればいいが。
 1日日当4千円くらいしかならない。20日働けば8万円くらいで、生活保護くらいになる。リタイヤした人はできるが、若い人には食べてなかなかできない。新規就農者には年150万円くらい3年間支給されるが、その後、続けるのがむずかしいのではないか。続けられるような状況に持って行かなくてはならない。よほどいい農法が見つけられればいいが。

○ナラは自分の山から刈られるのか。
→千m2、1万円くらいで刈らしてもらう。主としては田畑が日陰になるような基をただで刈らしてもらう。

○シイタケ仮ふせとは? こま打ちとは?穴のあけ方、深さは?
→11月根倒しして、2月たま切り、3,4月こま打ち、それを二夏、山に寝かしておく。その秋にハウスに取り込む。
→専用ドリルで穴をあけてシイタケ菌がついたこまを植え付ける。こまを打ったところからシイタケが出る訳ではない。こまが2cmで下に5mmくらい空間をもたす。生木に直接打ってもダメで、11月から2ケ月くらい置いて乾かさなくてはならない。間隔は縦に20cm、横は5cm。湿度、温度、風通しなどの条件も大事。菌がまわれば表面に白い輪っかができる。ナフコなどではこまを使わないやり方のものもある。
 径が5cmなら10~12個、径30cmなら40~50個。こまは千個3千円位する。1年に5万個で2年寝かせるので、30万円寝かせておくことになる。5cmくらいのものは2年くらいで栄養がなくなってシイタケはとれなくなる。人を雇えば1日6千円。全部で25万円くらいコストがかかる。
○どんな木がいいのか
→15年くらいの若木がいい。赤芯の多い木はダメ。クリの木もあまり適さない。あまり樹種は選ばず、全部切って全部利用する。ナラやクヌギは翌年にはもう再生してくる。皆さんに竹を切るのを手伝ってもらって、その後にナラやクヌギを植えて、里山再生ができればありがたい。

○幼稚園はどこから?宇部の幼稚園で他、お米を年間契約しているようなところがあるのか?
→藤山学園の精華幼稚園?と契約している。色々体験学習をしてもらい、代わりに幼稚園や父兄にお米やシイタケを買ってもらっている。綿菓子やそば打ちもできる。
 他にそういう例は自分は知らないが、もっとそういう幼稚園が増えればありがたい。
 まちと山のつながりを作ってもらえばありがたい。

○宇部でも生物多様性応援団ができて、130名くらいいる。こういう実質的な活動に参加しなくてはならないが、ほとんんど動いていない。環境については行動しなければならない。立派なことを言っているだけではだめ。
 上小野には水田はどのくらいあるのか。反当収量10俵として1俵2万円くらいで売れれば、200万か。
→35町歩だが、3人くらい専業がいれば作れる程度。10,20町歩としてトラクターが6百万、コンバインが5百万、全部入れたら3, 4千万くらいかかるのでは。法人化したら半分補助が出るが、金肥もいる、倉庫もいる。容易ではない。

○中山間で農業をやって食べていけるのに、どうやったらいいのか?会社組織で、設備機械を共用化して効率的にやるとか。
→自分は米、シイタケ、木炭をやって、1日4千円にしかならない。本当にむずかしい。 やびつ山荘は4人いるが、いま主に2人が動いている。機械は中古を安く譲ってもらい、修理も自分でしている。米は減農薬(最初の除草剤のみ)、種子消毒も湯(60℃20分間)てしている。減農薬だからカメムシの黒いものが米にいくらか残るといやがられる。それを除くためには200万の機械の投資が必要。付加価値を付けるのも簡単ではない。
シイタケは10個100円とかすこし質の悪いものは20個100円程度。今日は商品にならないシイタケをお土産に持ってきた。

○水田にナラやクヌギを植えられるのか。
→そのままでは植えられない。解除が必要。それと下に不透水層の盤があるので、それも問題。

○直売所で色々、椎茸弁当とか料理を出したり、加工品などを売り、コミュニケーションの場にしていけばいいのではないか。
→炊事場や囲炉裏も設けてと考えているが、資金不足で自転車操業だからなかなか思うようにはならない。やびつ山荘がそうなるようにしたい。

○ファンを増やすために、インターネットの利用など考えられたらどうか。KRYやTYSに取材してもらうことも有効ではないか。全国発信して販売されるやり方もある。仕組み作りにも宇部ネットワークや、宇部未来会議の若い人たちの手を借りるのもいいかもしれない。うりぼう倶楽部はどうなのか。
→これまであまり積極的な営業活動はしていない。PRの仕方が下手だから、そうなれば大変ありがたい。アクトビレッジに2年嘱託職員が縁で来てくれている。皆さんも遊びに来てください。


○コメは60kg1万2千円、3千円といわれるが、2万円、3万円で売れる。直接まちの人が買ってあげることが大事と思う。
→自分たちも農協へは卸していない。ミルキークィーンが2万2千円。コシヒカリ1万9千円。

○宇部市がもっと生産者と市民をつなげる役割を果たすべきではないか。
C:環境政策の再度でやっているんだが、PRはまだ不充分とは思う。個人単位でよくやっている人もいるが、異動があれば続かないとかいうこともある。
C:農協も問題だ。

○環境サロンでマッチングの仲介をするとか。
・7町歩で夫婦二人やっている人もいるが、1俵2万円なら1千万円、うまくすると回るのではないか。
・まちのなかのアンテナショップもあればいいのでは。
・クルマがない人は小野まで行けない。
・農家の側も、まちの人間も核になる心当たりの人がさほど多いわけではない。
・成功事例を示していかなければならない。
・うべネットワークに年間3千円で会員になれば宣伝になるのではないか。
→米だけなら1日千円、シイタケなど色々やっても4千円だからなかなか簡単ではない。

農林業とまちの経済のアンバランスというか、構造的な問題を根本から考え直さないといけないと感じた。Youtubeは以下で見ることができます。
http://www.youtube.com/watch?v=ulc9P1-1poY
http://www.youtube.com/watch?v=fsEVD46HtBc

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