放射線量と花
2012年06月24日
二年ぶりの家族(夫婦)旅行に行ってきました。
行き先は、「今、行くべきは東北ではないか」ということで話がまとまり、東日本大震災以降、宇部市が集中的に復興支援している福島県いわき市にしました。
リゾートホテルに3連泊しましたが、中二日間の日中は、観光というよりもほとんど仕事に関する視察や訪問のようでした。
「被災地域の復興状況」「がれきの状況」などの確認、「いわき市役所訪問」、宇部市の「石炭記念館」と同じテーマ館である「石炭・化石館の訪問」、宇部市と同じ取組の「彫刻のある街づくりの野外彫刻の設置状況視察」、ときわミュージアムと同じ「ラン室、多肉植物(サボテン)室、熱帯植物室」の温室を持った「いわきフラワーセンター訪問」。
行く先々でいわき市民の皆さんがとても親切に対応してくださいました。
フラワーセンター訪問では、プライベートの訪問にもかかわらず、同センター所長さんから、一時間近くお話を伺うことができました。センター運営における電力確保の状況、職員体制、入場料の考え方・・・等々です。
所長さんとのお話の最後に、植物を中心にしたテーマパークやミュージアムの今後の集客戦略について意見交換しようと思いましたが、冒頭、所長さんから
「子供たちが来てくれないのです」とのお話を聞き、それ以上思考が進みませんでした。
「ここは、いわき市内でも、放射線量が少し高い為か、子供達が来てくれないのです」と。
「親御さんが気にされているようなのです」とのことでした。
「こんなにきれいな花が咲いているのに・・・・」
とても複雑な心境でフラワーセンターを後にしました。
「今月、大震災以降初めて、このフラワーセンターに、県外からバスで観光客がいらっしゃいました。」
帰り際に、所長さんが笑顔でおっしゃった一言を聞き、心の片隅で、小さな明かりがともったような気がしました。 (D)
いわき市勿来地区。崩壊した堤防の代わりに土嚢が積まれていました。向こうに見えるのは、火力発電所。
いわき市フラワーセンター。とても奇麗に整備され美しい花々が歓迎してくれました。
石炭・化石館。模擬坑道や大型恐竜化石は見事なものでした。